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オアシスだらけ

ここ数日、何でか寝坊して九時に起きてしまう。
前はわりと六時に起きて、張り切って仕事していたんだけど。
でも、結局は昼までには朝の仕事は片づくので、時間ってどうなってるんだろとは思う。
しかし、やっぱり、六時に起きて、爽快な気分になってみたいなあ。

下の家のクロゼットや、上の家の二階が、あまりにも快適な隠れ家風なので、仕事の合間にのぞくと、つい、居座って、そのへんの本をつまみぐいしてしまう。
上の家では、しばらくヒックマン&ワイスの「熱砂の大陸」を読み返してはまっていたんだけど、新しい本も読みたくて、昔の世界名作全集で読み残してたノサックの「弟」をまた読み始めた。最初少し読んで挫折してたやつ。

第二次大戦後のドイツに、ブラジルから帰国した男の話なんだけど、待ってた義理の両親や本人も、それなりに富裕層でエリートで、大戦にも敗戦にも、そんなに傷ついているわけでもないというのが新鮮な設定。そりゃそういう家庭もあるよなあと妙に納得。
ただ奥さんが、戦時中に事故か自殺かよくわからない死に方をしていて、そこが問題になるわけで、どうなるか予断を許さない。

下のクローゼットでは、これまたずっと前からだらだら読んでる、泡坂妻夫の文庫本「煙の殺意」が、同じ短編を何度も読み直したりして遊んでいる内に、とうとう最後の「開橋式次第」を読み始めてしまった。どの短編もそれぞれ面白く、同じ作者の他の本も注文してしまいたくなる。

下の家のクローゼットは、窓から前の森や道路が見えるし、上の家の窓からは、空や森や、遠くの町並みが見える。その中で、気に入った本のつまみ食いをてきとーにするなんて、もうこの世の天国。
ところが、上の家の一階の居間も少しずつだが片づいて来て、田舎の家から持って来た、小さめの赤い安楽椅子に座って休憩すると、これもまた居心地がいい。まったくもう、オアシスが多すぎて困るよなあ。

ネットでちらと見たところでは、新年号の候補で首相の気に入っていたのは「天翔」で、ラーメン屋かなんかが屋号に使ってるのがわかって断念したとさ。もう本当に安っぽいし趣味が悪いし下品だし(お店の名としちゃ、とてもいいと思う)、あの男のセンスの無さがにじみ出ているとしか言いようがない。
外交も経済もすべて行き詰まり、ごまかしのどんちゃん騒ぎの目くらましで日々を過ごしているような、この首相からは、腐敗臭が国中に漂っている。どこをとっても、最低だ。

写真は隣家との間の柵に咲き誇ってるジャスミン。廊下の格子戸越しに星のような白い花が見えるのも、なかなか悪くありません。

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カツジ猫