1. TOP
  2. 岬のたき火
  3. 日記
  4. トランプ&アベ。

トランプ&アベ。

◇先日の由布院行きで、あんだけひどい目にあったのに、私もこりんっつーか、今日もまたまた、ちょっと陽ざしがあるからと言って、雪のちらつく中を車で田舎に日帰りした。行きも帰りもけっこう降られて、「スター・ウォーズ」の映画で宇宙船がワープする時の画像みたいに、雪が周囲を白い光の筋になって飛んでいた。こんなことでは、母にしろ叔母や祖父母にしろ猫たちにしろ、あの世から私を守ってくれるのに、さぞや疲れるだろうから、愛想をつかされないように、いいかげんにしなくては。

今日帰ったのは、こちらの家で暗い書庫の片すみで見えなかった小さい油絵の額二つと、電池も切れたまま壁にかかっていて使わなかったデジタル時計を、実家の家の壁があまりに淋しいので、持って帰ってかけたのだが、大変華やかに似合って、うれしかった。特にデジタル時計は、私が丸い小さい時計をはずして、こっちに持って来てしまったあと、時計がなかったキッチンの壁に、しっくりはまって、カッコよく、晴れがましく、所を得た感じで文字盤が鮮やかに浮き上がって、大変よかった♪

それをうっとり見るヒマもあらばこそ、持って帰る荷物をあわただしく車に積んで、とんぼ返りしたのだが、家に着くころはまた疲れて、玄関先に車をとめたまま、また寝てしまった。寒さで目が覚め、家に入って、喜んで床の上をころころころがるカツジ猫におやつをやった後で、上の家の猫たちが、この寒さではどうしているか心配になり、カタログハウスで買った上等の銅のゆたんぽと、普段私が使っている普通のゆたんぽに、お湯を入れて持って行ってみたが、あまり喜ぶ風もなかった。毛布をたっぷり箱に入れてやっているから、そんなに寒くないのだろうか。

◇そろそろトランプ大統領の就任式が始まるのだろう。もう、品格のなさその他もろもろ、ひどすぎて、アメリカも世界も日本も、どういうことになるのか見当がつかない。
先日、トランプ嫌いの知人と、あいつは何とかしないといけないと言いあってる内に、テロリストは何してるんだという暴言まで飛び出したが、よく考えて見ると、たとえば中東のテロリストにしてみれば、アメリカや西欧世界を崩壊させるためには、自爆テロよりもトランプを大統領にしとく方が効果的だろうから、そりゃああのまま放っておくに決まってるよなあ。

私は何ごとにおいても、最悪の予想をするので、アベ首相とトランプ大統領が、その精神のちゃらんぽらんさと弱い者への思い入れの薄さで、共感し共鳴しあって、主義や主張や思想信条(あるとすればだが)を乗り越えて、奇妙な意気投合をして、世界を破壊するコンビになりそうで、しかたがない。これを文学部的な非科学的な分析と言われてもかまわないが、私は今、ちまたでいろいろ言われている分析よりも、この自分の見通しが絶対に正しいという自信がある、悲しいことに。

何しろ、あの二人はそれぞれに、国も自国民も愛してはいない。すべてに自分のメンツや利益や快さやプライドが優先する。もちろん人類や未来のことを考える脳の部分は皆無に等しいほど小さい。

トランプ氏はもちろん、アジアも日本もどうなってもいいと思っているだろうが、それにしても、自分が好きなようにどうでもしたいとは思っているわけで、そういう人にとっては、日本の指導者がメルケルとかオバマとか翁長さんみたいな人では絶対にいやなわけである。多分プーチンでもいやだろう。その1、自分よりすぐれている、その2、自分の言うことを聞かない、その3、自分より人(特に自国民)に好かれる、こういう相手は扱いにくいし、こういう指導者を持った国も扱いにくい。

そういうトランプ氏にとって、自分のことしか頭になく、自衛隊員をはじめとした国民を平気で犠牲にして、アメリカのきげんを取るような指導者は、実に好もしいし、かわいいし、大事にしたいはずである。
国民のために身体をはって強国と立ち向かうような指導者は、その分国民に愛されるし、それをバックにまた強くなるが、それはトランプ氏はとてもいやなはずである。これ以後、日米の関係が、どう予測がつかず微妙に思いがけぬ方向に転ぶにしても、私はアベ首相が、そういう政治家になる可能性だけは、とても想像できない。

支持率がいかに高くても、アベ首相が、それを力に、国民の支持を背にして、アメリカと対立しトランプと対決するような図式はどう考えてもあり得ない。あれは、そういう支持率ではない。首相もそれは承知している。そもそも、国民を愛し、いつくしみ、そのために自分を犠牲にしようという発想など、頭や身体や心のどこをさがしてもなさそうな首相は、そういう支持率など最初からめざしていないし、多分、存在さえも知らない。

こういう指導者はいるのである。そして、そういう指導者は、自分が守るべき弱者たちが、自分を支え守ってくれることを想像も予測もできないから、ひたすら弱者を犠牲にし、貢ぎ物にして、強者につくし、寵愛を得て認められることで自分の地位を守ろうとする。それ以外の方法を知らない。

トランプ氏が好むのは、こういう目下の人である。こういう他国の指導者である。テロリストが多分トランプ大統領を歓迎しているように、トランプもアベ首相を歓迎する。肌の色などどうでもいい。自国や自国民を愛さずに、それをふみにじってぐちゃぐちゃばらばらにしても、強い他国の指導者に気に入られようとする指導者が、いつまでも日本のトップにいる方が、トランプのような人には一番都合がいい。

だから多分彼らは、おたがいを守る。おたがいが今の地位を失わないでいるためには、どんなに首尾一貫しない論理でも何でも使って、おたがいを助け、支えあうだろう。私たちは、少なくとも私は、この点では一点の幻想も期待も持ってはいけない。
この予言があたらなければいいが、多分、あたる。絶対に。

Twitter Facebook
カツジ猫