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ネコヅメ。

◇今日は天気はまあまあだが、妙に寒くて、半袖なんんかでは出歩けない。先日、暑かったときに、お茶やコーヒーを携帯用のボトルに入れて冷蔵庫に保管し、すいかも大きなパックのを買って、のどの渇きに備えていたのに、どうしてくれると言いたい。カツジ猫も何だか、よるべなさそうに、ベッドの私によりそって来る。

夜明けまで半分徹夜で、ワールドギフトへの荷造りをすませ、宅急便の人がめでたく受け取りに来て持って行ってくれたので、涼しいし、一念発起して、母の日に買ったあじさいを鉢から出して庭に植えた。もしも大きな茂みにでもなってくれたら、道から見える、いい場所だ。私の仕事机の窓からも見える。カツジ猫が死んだら、ここに埋めてやるのもいいかと、ちょっと思ったりもした。

もともと、ここは畑だったから、土は植物にいいはずだ。しかし、家を建てるとき、砂利みたいな土を上から入れているから、その下までを掘り起こそうと、せっせと掘っていたら、灰色の石灰岩みたいな地層がなくなって、チョコレート色の粘り気のある土が現れた。これなら大丈夫だろうと、あじさいを埋めて、水をかけた。うまく根づいてくれるといいけどな。
毎年、母の日のたびに、あじさいを買ってどこかに植えて、あじさい屋敷にするのもいいかとちょっと思ったけど、10年もしたら、ものすごいことになりそうな気がしてやめた。まあ何年かはやってみてもいいかもしれない。

◇わりと、こうやって片づけが進んでくると、汐が引いたあとの砂州に岩が現れてくるように、ここ数年の私の不勉強ぶりが、あらためて気になってしかたがない。もう本当に自分が学者としてどんどん退化し、足腰が弱くなり、深海魚みたいに目が見えなくなりつつあるようで、恐ろしくってしかたがない。何とか勉強する時間を作らねば。

私なんぞは大した存在でもないが、誰かが以前にネットで書いていたように、アベ政治は大勢の学者や知識人や作家や研究者や芸術家を、政治参加させて、ものすごく忙しくさせ、学問や創作にはげむ時間を奪い続けていると思う。研究費の削減や研究状況の劣悪さで、それでなくても勉強できない国になりつつある上に、この「政治のことなんかどうでもいい」と学問や創作に打ちこむのが危険すぎてできない状況というのが、今の政権はものすごく罪が深いと思う。

◇おまけに、その上、どこかのバカが、「左翼の学者は科研費の獲得に有利だ」とかいう、あらゆる点で、はああ??????????????とあきれるしかない、根も葉もどころかいったい何の白昼夢だというようなことを言い出しているらしいから、ただただ驚く。

何でも自分が当人にならないと、わからないこともあるが、これまで「在日が得してる」「生活保護者が得してる」「被災者が得してる」その他もろもろの噂を、どうせ流言飛語だろうとは思っていたが、事実ではないにせよ、何かそういう風にねじまげられるだけの骨組みは、あるのかもしれないぐらいにぼんやり思っていた。自分が、つまり学問研究の場や大学が、対象になって、よーーーくわかった。骨の髄から理解した。そんな噂は、もう地球の裏か宇宙空間かもっと途方もない、あさっての方角からでっちあげられる、ほんとのまじりけない嘘八百なんだなって。いったいどこから、そんな発想を思いついたんだって呆然とするほど、途方もないよ、その場にいた者の実感としちゃ。

このことについては、またもうちょっと、明日にでも自分の体験や見聞を書くことにする。どういうのかな、砂漠で暮らしていた者が、あんたホッキョクグマを殺してたでしょと言われるぐらい、途方もない話だが、砂漠で暮らした体験がなかったら、ひょっとしたら、砂漠にもホッキョクグマはいるのかもしれないとか、思ったりするかもしれないからな。嘘つくやつが、あんまりぬけぬけ図々しく嘘つくと。

◇働き方改革の法案もひどい話だ。ひどすぎる。でも時間がないから、またゆっくり書く。それから、誰かも書いてたが、マスコミも一般人も、政府を批判したあとで、「野党もだらしない」とバカなお題目みたいに唱えるのはやめろよな。野党はがんばってますよ。もしがんばり方が足りないとしても、あの非常識で手抜きと嘘と開き直りでかためた政府と、同列に批判や非難できる水準の話じゃないよ。泥棒や人殺しが目の前で起こってるのに、とめたりつかまえたりする人のやり方に文句つけてる場合かよ。崖が崩れて家が燃えてるときに、消防士や自衛隊にいちゃもんつけてる場合かよ。それと同じだよ、今の国会の状況は。

◇やれやれ、もっと楽しい話もいろいろあったんですが、時間切れ。仕事が首尾よく終わったら、また来ますけど、多分無理。今夜は早く寝たいしな。絵本の「ネコヅメのよる」みたいな、三日月が空にかかっていて、明日も天気はいいらしい。

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カツジ猫