ノアの方舟
暑さはまだまだ続くらしい。もうこうなったら、この熱波を利用するだけするしかないか。いいことと言えば洗濯物が即効で乾くことだから、今日はたまった汚れ物を洗おうと思っていたのに、バテて出来なかった。明日は必ず片づけてやる。
朝夕の水まきがいやになるひとつは、特に奥庭界隈での藪蚊の総攻撃だ。油断すると四匹ぐらいが一列縦隊で腕にとまっていて、ぞっとする。
AIめが何か言ってないかとネットで検索したら、それなりのスプレーとかもあったが、ハーブとか、虫のいやがる草を植えるのもアリだとのことだった。さてこそと、通路を塞ぐぐらいはびこって手を焼いていたハーブの藪を、切りまくって、それを奥庭に積んだついでに、葉っぱをひきちぎって、汁を首や顔や腕にこすりつけておいたら、気のせいか、今朝はあまり蚊が寄って来なかった。こうなったらもう明日からは、抜いたハーブを首に巻きつけて庭仕事をしてみようかな。案外いいかもしれない。
何しろ、いったん陽が照りだしたら、もう外になんか出ていられない。エアコンをつけた家の中に終日閉じこもって、ガラス戸越しに熱波にあぶられる庭木や草花を見ていると、何だかまるで、ノアの方舟の中から世界の終わりを見せられているような気分になってしまう。

あまりの暑さに見ているのも恐くて、今年は高校野球もほとんど見なかった。幸い最後の方は暑さもいくらかはやわらいだようで、これはプロ野球の暑さでゆだるベルーナドームも少し過ごしやすくなって、西武ライオンズが調子が出て、ホークスを追い上げているのとも少しは関係があるのだろうか(笑)。
まだそれなりに差がついているので余裕があるのか、ホークスのファンサイトは連敗してもあまり殺伐とはしていない。リリーフ勢が少しくたびれている中、伊藤優輔投手という人が、抑えに出ると必ずランナーを出して苦境に陥り、最終的には何とか無失点でおさめるのを、スリルがあって楽しいと喜んでいる。そういうピンチを作らないとものたりないということになっていて、「ゐと湯」という温泉風ののれんの絵の画像など作って貼ったりしている。余裕なんだか何なのか。
以前は石塚綜一郎選手という元気な新人が、やたらと死球を受けるので、心配しながらも皆あきれて、「石塚マグネット」と呼んでいた。そうしたら本当に顔面直撃の死球を受けて顎の骨を折るかして入院し、わりとすぐ元気に復帰してきたが、さすがにそのあだ名は使われなくなった。それにしても、どうしてそんなに死球をくらってしまうのか、謎と言えば謎である。ベテラン新人中堅が、皆しのぎを削っているから、こんな奇妙な人気者が生まれてくるのだろうが、まあ、「ゐと湯」にしても「マグネット」にしても、しょうもない、芸のない悪口よりはずっと目に優しいからいいか(笑)。
だいぶ前のことになるが、先発の外国人投手が二回かなんかで、いきなりどこかがつったか何かでマウンドを下りて、準備も何もしていない中、新人(と言っても苦労人で支配下登録をやっとされたばっかり)の小林投手とやらがいきなり登板した。いくら何でもこれは敗けるわと思っていたら、あとで結果を見たら負けてはいたが一点差まで追い上げていて、そのことにむしろ強すぎると感心した。
最近では援護点をいつももらって負け無しの新人前田裕吾投手が打ち込まれて、絶対負け投手になると思っていたら延長戦の最後の最後で栗原選手がホームランを打って同点引き分けになり、本当にあきらめの悪いチームだと舌を巻いた(ほめてるんです)。
まあこれからのことは、まだ全然わからないが、問題はこれだけホームラン打ちまくって大活躍している栗原選手が、何だかどよんと悲しそうで、ファンからはどうしたのかと心配され、解説の藤本元監督は「やっぱりベンチで元気で明るくしていないと」と、やんわり注文をつけていたし、もともと顔も雰囲気も明るく健康なイメージなのに、どうしたことか不思議である。不思議ではあるが、そんなのは、はたから無理を言ってもしかたがないので、そっとしておくしかないだろう。無責任なことを言ってしまうと、あの陽気なイメージと悲しそうな雰囲気のコラボは、それなりに魅力的なんじゃあるまいか。
そういう点では、やたら仲よしの周東選手の方が、どこやら悲しげで憂いをたたえた雰囲気が似合う選手なのに、こちらはまた意地でも何でも徹底的に陽気で明るいキャラを貫いている。でも本質的に明るく息をするようにまっとうな柳田選手とはちがって、どこか狂的で不安定っぽいのが、またものすごく人を刺激し誘惑する。しかしそのようにどこか危なっかしく見える一方で、彼はきれい好きで片付け好きで時間に正確という堅実な生活感や安定感もあって、そこはむしろ栗原選手の方がルーズで不安定のようだからややこしく、この二人の関係は何とも微妙で影響し合ってるのか補い合ってるのか、なかなか予断を許さない(笑)。
高校野球の話に戻るが、久々に見て驚いたのは、盗塁その他の機動力野球がますます定着しているのとともに、選手のひとりひとりが、昔に比べると、びっくりするほど美形になってることだった。昔ながらの素朴な感じの少年たちももちろんいるし、なつかしくて愛らしいが、そんな子どもたちでも、目鼻立ちからしゃべり方まで、以前とはけたちがいに、整っていてタレントっぽい。時代の流れなのかしらん。
その流れの中にあるのか、周東選手のファンサイトなんて、まるでタレントか俳優並みに美形の写真が並んでいる。熱心なファンたちが、高いカメラを使って最高のショットをねらうからだろうが、どう見てもそこらの俳優どころではない映像や画像ばかりだ。この人そんなにきれいだったかと、思わず目をこすりたくなることがある(笑)。
去年大活躍をした選手や投手が、研究され分析されて翌年は苦戦してしまうことが多いのを見ても、あれだけ警戒されている盗塁や走塁その他で周東選手が例年一定の成績を維持し続けているのは、よほどの努力と研鑽によるだろう。しかし、それがあまり目立たなくて特に書くことがないときには彼のファンサイトではいちだんと、外見や容貌の魅力に注目する記事が増えて来る。たしかに周東選手の特徴は、その動きのなめらかさや華やかさにもあり、それは最高のプレーをするために生まれる一種の機能美でもあるのだろう。
まあ、いつもの私の取り越し苦労をすると、あまりにもこういう人気が出て来ると、周東選手はプレイのときと同様に、皆をあえて失望させるようなことをして、過熱気味の人気を自分でセーヴするのではないかとも思う。しかしできるかね。脚を短くするとか肌を汚くするとか背を低くするとか、なかなかできる相談じゃない。亡くなった祖母が言ってた「色の白いは七難かくす」ということわざもあるからなあ。知らんけど。
などと、しょうもないことを言っているが、まあ何がどっちにどう転んでも、ホークスのファンやチームはまだ余裕があるように見える。むしろ気にしまいと思っていても、気になって心配になるのが、広島カープの状況だ。以前にも書いたが、ちゃんと首脳陣が対応しないと、高校生も親も、不安で入団を敬遠するだろう。そういうスレッドを見ていると、つくづく悲しいし、ため息をつきたくなって来る。