切ないなあ。
◇このところ、いつものスーパーで売ってる、どうってことないカツサンドにはまってしまって、ついつい毎晩コーヒーやミルクとそれで、夕食をすませてしまう。
おかげで冷蔵庫の中の食材がちっとも減らずに、古くなって行き、深刻な状況だ。
今夜は早く寝て、明日は朝から料理にはげむか…ゆうべもそんなこと言ってたかも。
◇朝起きて歯をみがく前についうっかり、手にとって読みさしの「彼女は頭が悪いから」(姫野カオルコ)を開いたら、そのまま一気に読みあげてしまった。切ない話だ。東大に幻想は持ったことないし、若者はどこでもこういうものだとも思うから、そこはショックではないが、まあこれは現実に近いのだろうなと実感できるのがつらい。先日若い女性数人と人生や恋の話をいろいろしたばかりなので、それとも重ね合わさって、切ない。
エリートの男子学生たちが、女性を人間扱いしないくだりを読んでいると、はああというため息とともに連想したのは、前にネットで衝撃を与えて、多くの署名を集めた、猫虐待事件だった。あの犯人の猫の苦しめ方、予想し期待した反応をしないことへのいらだち、その他の精神構造がうんざりするほど透けて見える。
そして、最初から最後まで救いなのは、作者が被害者の女子大生にしっとりと細かによりそう優しさ。抱きしめているような尊敬といたわり。本当に救われた。
救いようのない加害者たちとその家族にさえ、静かな理解と共感があり(同意したり認めたりはかけらもしていないが、その心情がまるで化学式のように正確に示される)、決して狂人でも獣でもないのがわかるのも、これまたやりきれない。
私たちが護憲だの戦争反対だのを訴えなくてはならないのは、こういう人たちでもあるのか。
いわゆるネトウヨと言われる人たちの書きこみも、こういう心理の持ち主と思うと、あまり矛盾はしない。
それにしても、この作者の登場人物の描き方は優しい。林真理子の小説に欠かさずもらさず存在する、どす黒い冷たさ(必ずしも悪口ではありません)がない。他の作品も読んで見たくなった。
しかし、クッツェーも、他に有名な作品がいろいろあるらしいしなあ。知らんよもう。
小説じゃないが、井上章一の「日本の醜さについて」も、読みはじめたら、やけに面白いし。
◇カツジ猫が、このごろおかしな声でうみゃおうみゃお鳴くようになった。留守番させたストレスが残っているのかしれないが、どこか身体が悪いのかとちょっと心配。まあもう少し様子を見るか。よく食べるし、トイレもきちんとしているし。