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叔父の本

◎ゆきうさぎさん

腰痛は恐いですから、よくよく大事になさって下さい。
お母さまの服のことですが、私も衣服計画には頭を痛めていて、その内じっくりお話したいですね。(笑)

◎書庫の整理をしていて、叔父の板坂元が昔も昔、今の私より10歳ほど若い時に出した「町人文化の開花」という、江戸文学史の本を見つけて久しぶりに読んでいます。

これで読むと、今中野三敏先生が提唱している「江戸時代の文化の山は元禄、化政の二つではなく、中期も重要」という主張を、叔父も「江戸時代には三つの文化の山がある」という言い方で主張しているのがわかります。
昔読んだときはそうでもなかったのですが、今読むとなかなか役に立つ本です。(笑)
特に最近気になっていた、明治期の帝国文庫の性格がかなり詳しく書かれていたのには本当に驚きました。次の原稿に使えそうです。

◎小泉元首相は原発廃止を言いつづけているようで、その講演の要旨が何と「しんぶん赤旗」に紹介されていました。(笑)
例のフィンランドの貯蔵施設の「オンカロ」ですが、私は前にここで「4基分しか対応できないらしい。日本の原発50基はどうするんだ」と書いたのですが、小泉氏の講演によれば「2基分」だそうです。どっちでしょうか。まあ、どっちでも同じようなものですが。

正直私は、安倍首相が小泉元首相の提言を受け入れないのが不思議で、小泉氏がくりかえして言う通り、野党は皆反対、自民党も反対の議員が多いこの状況で、首相がしゃきっと「すべての原発廃止」を言って強引に舵をとれば、あっという間に日本はそういう方向に変わるだろうと思います。なぜそうしないのかがわからない。世の中の人たちも皆、もちろんジャーナリズムも、なぜそこがわからないのかわからない。
本当に悪い意味で、保守で、怠惰で、臆病で、いやもうほとんど「愚鈍」の域に達しているとしか思えませんよ。

私は根性が悪くて、心が狭くて、妙なことだけ記憶力がよくて、先の心配をする人間なので、ひょっとして、というか、もうそれしか人類が生き残る方法はないと思っているのですが、まあいずれそうなったとき、マスメディアも周囲の友人知人も平気で、したり顔で「やっぱり原発ってだめだよねえ」とか口にしはじめたとき、「へっ!」と思い切り軽蔑しそうで、今からそれが恐いですよ。いったいその時、私はどれだけ、それらの人たちを心の中でののしって、バカにするのかと思ったら。

「はあ、あんた前に何言ってた? というか、何も言わなかったし、しなかったろ? 私なんかはまだいいとして、一生懸命訴えてた人たちを無視して拒否して、ぎりぎりまで追いつめて平気でいたろ? もうそんなこと全部忘れたのかい、長生きするよね」とか何とか、言ってしまいそうで、非常に恐い。
わかっています。ちゃんとがんばっている人なら、こんなことは言わないし考えない。私のように中途半端に何かちょっとだけやってる人間がこういうことは考えるんです。

◎さらにしょうもないことを言いますと、私はむしろ、首相が原発廃止を決意し行動したら(どう考えても、そう難しいことじゃない)、小泉氏も言っているように、首相の株はうなぎのぼりで、景気回復はよしだめでも原発廃止をした首相として、その名は歴史に残り人気は不動のものになって、その勢いで憲法改正も集団的自衛権もその他もろもろも、あっという間に好きなように実現できるんではないかとさえ思う。

でも、そうなったとしても私はかまわないと思っているのです。九条が変わり自衛隊が変わり、戦争が起こり、私が苦しみまくって死に、日本が滅び、日本人が滅亡しても、まだしも人類や未来が核のゴミに苦しまなくてもいいのなら、その方がましだと私は思っているのですよ。
もちろん、こういう展開にならないように全力で努力するでしょうが、まったく、そうなる可能性もかなりあると思っていて、それでも、最優先すべきは原発廃止と私は判断している。そういう点での優先順位に私の迷いはありません。

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カツジ猫