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困るよなあ

◎江戸時代の紀行のゲラを校正していると、あまりの内容の面白さにいてもたってもいられなくなる。しかし、とにかく、一日も早く本にしなくては、この面白さが人に伝わらないわけだから、黙って座って作業しつづけるしかない。じりじりする。

ずぼらな私は、できたら世の中の人が皆、昔のくずし字を読めるようになって、原文で読んでくれたら話が早いし、私も助かるのだがと、つい思ってしまう。そうしたら、「あの本は面白いですよ」とだけ言っておけばいいのだがな、と夢想してしまう。

実は先日、大変著名な方にお会いする機会があり、タイプのちがいこそあれ、そういう方のどなたにも共通する大らかで細やかなお人柄が、お話していてとても楽しかったのだが、「こういう文字は、どなたもすぐ読めるようになりますよ」と誘惑したのには、「いやあ、この年になってとても」とか遠慮されて、勧誘に失敗した。(笑)
でも、あとで考えたら、映像や画像に関心の深い方なら、昔の文字はかたちを見てとる作業だから、その方も非常にすぐにマスターされるのではないだろうか。と、未練がましく思ったりしている。

いっそ、馬琴の作品のように、カツジじゃなかった活字にしないまま、原文をそのまま複製して全集にしてしまうって手もあるよなあ。くずし文字のテキストもかねて。

◎ところでさっき、不要なコメントを高速で削除したら、うっかり何人かの方のコメントも消してしまったような悪い予感。すみません!

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カツジ猫