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大丈夫かいなもう。

◇昨日あれからネットで見たら、ネズミを捕まえて山で逃がした人もいるが、どうせカラスや他の動物のエサになるだろうし生態系を乱すから殺すべきだとの意見も多い。飼ってみたいという人に対しては、ネズミは自分も糞も病原菌の巣だから絶対にだめで、市販のものしか飼ってはいけないと回答があった。
学生時代に友人と、捕まえたネズミを水死させたこともあるので、殺すことにそう抵抗があるのでもないが、心地よく片づけた暖かい家で、カツジ猫と食事をしていると、あのネズミは今ごろどうしているのかとふと思う。自分はぴんしゃか生きていられるのに、他の動物や人間を時には死にいたらしめるような病原菌の巣というのも、何だかとても悲しい存在のような気がしてならない。

◇冷蔵庫の中でくたばりかけた野菜を、しゃかりきでいろいろ料理していたら、電話がかかって来た。よくある勧誘電話だったが、ありきたりな保険や屋根の塗装とかじゃなく、災害時のヘリコプターを契約しませんか、ふだんはレジャーにも使えますという、新しい勧誘だった。ペットもいっしょに救助してもらえるのか、だいたい原発を再稼働させまくっていつ事故が起こるかわからん、この現状で、私はもう非常時の心配をするのはやめて、太く短く生きることにしてるんだがとか、いろいろ言ってみたいことがあったけど、料理の途中だったので、すみませんとおとなしく断ってしまうしかなくて、ちょっとつまらなかった。

◇ゼーガースの「死者はいつまでも若い」を、つい読みはじめたら、いきなり、わーっ、あんたそこでもう殺すのかみたいな冒頭で、作者のすごさをあらためて思い知らされたが、昔の小説ってわりとこうだったかもしれない。

◇昨日は毎月の血圧の薬をもらいに病院に行った。祖父の遺した荷物の中から出て来た薬物の処理について相談したら、保健所に届けて下さいとのことで、行方不明の猫をさがしに行ったことがあるので場所は知ってますと言ったら、先生も猫好きで飼っておられるらしく、自分も一度猫がいなくなって二日ほど必死でさがしたと話して下さった。それで、お友だちが「案外猫って、家の中の棚とか引き出しにいることがあるよ」と教えてくれたので、「えー、まさかねえ、こんなとこに」と引き出しをあけたらほんとにそこに丸くなって寝ていたと、診察室の机の引き出しを開けて実演して見せながら説明された。「そ、それは、うれしいけど、ちょっと腹も立ちますね」と私は言った。

◇そんなこんなで世の中の動きとさっぱり無縁な毎日だが、夕刊に「沖縄の小学校のグラウンドに米軍機の部品が落ちた」と報じてあるので、それもう前に読んだよとバカにしながら読んでみたら、この前のは保育園で、それとは別にまた落ちたらしい。もう、いろいろと、あんまりだろ。だから言ってるだろうが、北朝鮮のミサイルより米軍機の方がよっぽど危ないんだって。

別の意味で大丈夫かいなと思ったのが、法政大学総長の田中優子さんがコラムで書いてた、宮中のパーティーか何かに同性の伴侶を同伴するのは、日本の伝統にそぐわないと誰か政府の要人が言ったらしい。田中氏も指摘してるが江戸時代なんか同性愛は大手を振ってまかり通ってたんだから、どこが日本の伝統なんだよ。不勉強とかいう水準の問題じゃないぞ。自分の気にいらないことは「周囲が許さない」「伝統にもとる」「自然の法則にない」と、周囲や過去や自然を勝手に口実にすんなよ、みっともない。

◇まだまだ書きたいことがあるが、今日は一日コマネズミのようにくるくる働いて、眠くなった。風呂に入って寝ちゃうかな。ベッドに行こうとさっきからにゃあにゃあ誘いに来ていたカツジ猫は、今は私の足元の、寄付に出そうかどうしようかと迷っておいてたジャケットとパンツを枕によくおやすみで、さわってもぴくとも動かない。
…と思って今ふと見下ろしたら、いつの間にか頭としっぽが反対方向になっていた。いったいいつ回転したんだよ(笑)。

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カツジ猫