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大捕り物。

◇昨日、何とかかんとか校正を納得いく感じまでしあげて、わからなかった読みの部分もほぼ大丈夫なところまでこぎつけた。やったぜと大急ぎで郵便局に出かける前に、上の家の猫たちのエサやリに行ったら、最近よく庭で寝ていた白黒猫のマキちゃんが、部屋の机の上にある巣箱に寝ているのはいいとして、そのあたりが異様に臭い。見たら、机の下の床にしいた毛布の上に何か所も大量のうんちをしている。
彼女もいよいよぼけたかなと思いながら片づけて、ふと見ると、その部屋に続く物置の窓辺に座った猫の、下げてある袋に隠れて半分だけ見えている半身がどう見ても三毛猫である。マキはいつあんな毛色になったんだととっさに思った次の瞬間、よその猫が入って来ていると気がついた。

物置のドアを開けて、外に出られるようにして、追い出そうとしたけれど、三毛猫もパニックになっているのか、多分そこの金網の破れから入って来た庭の方に逃げたり、マキのいる部屋の方に逃げたりして、なかなか出て行ってくれない。そのへんにあった棒をつかんで脅かして、誘導しようとしたけれど、あっちこっちと逃げ回る。そうこうしている内にマキの姿も見えなくなり、南無三、彼女がドアから戸外に出てしまったかと思いながら、とにかく三毛猫にお引き取り願おうとさんざん追っかけ回した結果、何とか出ていったようだ。出て行く瞬間は見てないが、いなくなったから多分ドアから出たのだろう。

ドアを閉めて鍵をかけ、本当にいなくなったか、部屋や庭をチェックしていたら、庭のエアコンの室外機の後ろに白黒の毛色が見えて、のぞいたらマキが隠れていた。よくそこに避難するので、今回もそうしたらしい。やれやれとほっとして、汚れた毛布やふとんを片づけていたら、裏の崖の工事をしてくれている若い人が来た。彼もマキちゃんをかわいがっていて、様子がおかしいのを心配していたので、報告したら驚いたり納得したり安心したりしながらも、「居たかったなあ」としごく残念そうだった(笑)。

◇最近、ノラ猫にエサをやっていたご近所のおたくが、子猫が増えすぎたりして困っておられたから、エサをやらなくなったらしい。つかまえてくれたら、私が避妊手術しに行きますと言っていたのだが、それ以上は関わろうとしなかった私の責任もないことはない。
その結果、猫たちはエサをさがして、ごみ袋をあさったり近所に出張したりしていた。うちの金網の庭は、カツジ猫のいる新宅の方はまだしっかりしているが、旧宅の方はもう十年以上になって、下の方の木が劣化して金網が破れかけているのを、私が適当にふさいでいた。

三毛猫はときどきそこから侵入してきていたらしい。道理でこのところ、マキのエサの減り方がすごかったし、彼女が庭で寝たりして様子が変だったし、二度ほどは部屋の中にうんちがあったし、別の寝場所のお気に入りのかごがひっくり返っていたり、棚の上の私の本が何度か床に落ちていたりして、マキが死に場所でも探してるのか、ぼけて子育ての場所を見つけてるのかと思ったりしていた。
昨日か一昨日、何でもよく気がつく若い人が、崖の工事の合間に、金網が破れてるのに気がついて、わりとしっかり補修したらしい。三毛猫はその時に中にいて、閉じこめられてしまったのだろう。

◇金網の天井や、部屋の棚の最上段に上ろうとするのを、そこに行かれちゃやっかいと、強くじゃないが棒で突っついたりたたいたりしたので、今も痛くているのじゃないかと思うと気の毒でならない。追いつめられてもはたかれても、三毛猫は、そんなに凶暴にならなかったし、しゃあともふうとも言わなかった。とっさに部屋に行かせないよう立てかけた格子戸の、猫が行き来できないよう狭くしていた格子の間をするっと抜けたから、相当やせてもいたのだろう。
若い彼も猫好きで、仕事の間にノラ猫が物欲しげに寄ってくると、いつも気にしていたので、「かわいそうだけどなあ」「しかたがないなあ」と二人で言いあった。でもその一方、マキもかわいそうに、すごいストレスだったろうし、私たちからはいろいろ誤解されていたし、まあそれはよかった。

毛布はまだ洗濯したら何とかなるかもしれないが、その下にしいていた古い肌布団二枚は、昔キャラメル猫やシナモン猫といっしょに寝ていた思い出の品で、かなりぼろぼろになっても捨てられないでいたのだが、匂いがしみつき汚れているので、捨てるしかなさそうだ。毛布もだめかな。まあこれがあったから、床が汚れないですんだから、最後のお勤めはしてくれたということだろう。窓をしばらく開けておいたら、もう臭いもしなくなった。
とは言え、この大騒動で時間をかなり取られ、命からがら校正刷りをつかんで郵便局にかけつけた。速達なら明日の締め切りに間に合うとのことで一安心し、その後いくつか仕事を片づけたら、死んだように疲れて、家に帰るなり寝てしまった。
夢うつつに、嵐のようなすごい風が吹き、その後どしゃ降りになったのを聞いて、三毛猫や、その他のノラ猫はどうしているのか、気になった。「動物はこういう時は安全な場所をちゃんと見つけているものよ」と、母がよく言っていたのを思い出して自分を慰めた。
今は雨も風も、もうやんだようだ。

◇まだ手帳を確認もしていないが、多分ここ数日はこれと言って予定がない。あ、明日までのエッセイの原稿がひとつあったか。まあそれは何とかなる。
少し余裕がありそうな、この時間を有効に使うぞ。何しろ、もう一年も半分終わったのだから、まるっきり油断はできない。

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カツジ猫