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大蛇と格闘。

◇あまりに一日無為に過ごしたので、これでは人として終わりだと思って、夕食前に上の家の猫たちにエサをやりに行ったついでに、少しだけ片づくかもしれないきざしの見えていた仏間(にしようと思っている元書斎の小部屋)を一気に片づけようとしてみた。実は恥しくて書けなかったが、昨日ナフコで、安いとは言え、妙に気に入ったラグを三枚も買いこんで、思わぬプレミアムサンデーをやってしまっていた。それを一つにまとめてくれるように頼んだものだから、一枚だったらさほどでもないのが、三枚あわさると重さもばかにならないのが、玄関に大蛇のようにのたくっていた。

何しろ奥の部屋も、廊下も、再び散らかった居間も台所も、片づけ途上だから、落っこちたり倒れたりしたら壊れそうなものばかりが山積みで、この中をその大蛇をどうやって解体して敷くのか、我ながら無謀だと思ったが、何事も挑戦だと狭い空間で、あたりにあるものを壊さないようにしながら、何とかラグを一枚ずつひっぱいで、仏間の家具を引きずりながら移動させつつ、作りつけの本棚が飛び出しているため、決して正方形でも長方形でもない床に、三枚のラグをちぐはぐに重ねて敷いたら何かすごく奇妙な空間になったが、私としては満足した。

まだ細かいものを並べる作業が残っているが、おおむね完成したので、居間の壁にかけていた、母の写真を仏間の正面にかけた。祖父母や叔父叔母の遺影も全部かかっているのだが、母のが一番自然なスナップ写真っぽい。浮いているっちゃあ浮いているが、カッコいいと言えばカッコいい。母の笑顔は少し苦笑しているような、はにかんでいるような微妙な表情なので、日によってさまざまな顔に見える。
片づけている時に、私の古い日記が出てきたので、ぱらぱら見たら田舎の新しい家を建てたばかりのころのようで、いろいろと母に対して烈火のごとく怒っている。妙に笑えて、元気が出た。悪口は書いとくもんである(笑)。

◇で、気づいたらこんな時間だった。しょうがないから、今からお茶づけでも食べて、ちょっと原稿でも書くか。例によって、ついてもいないストーブの前で丸くなって寝ていたカツジ猫は、帰ってきた私を見てうれしそうに甘ったれた声で鳴いた。

◇ところでトランプは、気に食わないメディアを会見から閉め出したそうで、ほんとにわが国の首相と同じようなことを次々にやるよなあと感心する。

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カツジ猫