小説「人間襤褸」にはまってて
夏のふとんにしといたら、うすら寒い夜には、ときどきろくでもない夢を見る。だから毛布をかけるようにしておくのだが、ゆうべは忘れていて、また変な夢を見た。車で山道を走っていたら、突然視界がブリザード状にぼやけて進めなくなり、降りてみたら村人は皆防護服を着ていて、近くで核爆発があったらしく、これは私も防護服をもらわないといかんと思ってさがしまわるという、平和大行進に出かける日の夢としては、なかなかタイムリーだった。結局特に人からかっぱらったりしなくても、防護服はもらえた気がする。茶色の麻袋みたいな記事だったけど。
核兵器つながりで書くと、大田洋子の「人間襤褸」にはまって読み返しているのだけど、こんなこと言うたら超ばちあたりだけど、あれは、ホラー小説やパニック小説としても面白く読めるんですよ。ああ、やっぱり、ほんとにばちあたりだけど、本当だからしょうがない。
映画「母と暮せば」のネットでの感想に、「別に原爆でなくてもいい話じゃないか」と批判してる人がいてちょっと笑ったが、それは言いかえると、反戦小説、原爆小説のもろもろは、全部良質で高密度のエンターテインメントとしてもすごく楽しめるってことなんですよ。こんなこと書いても被爆者の方に失礼にはならないと思う。参考までに私のテキスト「食事の前には読めない本」をリンクしておきますね。
大田洋子はもともと通俗的な恋愛小説に近い作品も書くのは上手な人だったから、それがこういう社会派小説になっても活かされていて、ほんと退屈しない。感想をネットでさがしたら皆さんまじめなのしかなくて、図書館で借りた彼女の全集でも、被爆以前の作品は読まなかったと書いてる人がいて、何だかもったいないなあ。私は、こんな体験をした人、それを作品に書いた人が、それ以前はどんなだったか、知りたくて知りたくてしかたがないけどなあ。こういうのもきっと、一種のミーハー精神ではあるんだろうが。
ということで、自分の読みたい感想がなかなかないので、その内に自分で書くか。
フェイスブックのカバー写真をカツジ猫の変な顔に変えたのだけど、かわいそうなので、やっぱりもうちょっと見てくれのいい顔のに戻そうかな。というわけで、今のはその内消えると思うので、皆さまつかの間、お楽しみ下さい。