1. TOP
  2. 岬のたき火
  3. 日記
  4. 崖の上

崖の上

花の土が少し残っていたのを見つけたので、昨日の朝は、一番土の少なかったポットにそれを補充してやりました。そのとたんに雨が降り出して、逃げ帰りました。午後からの雨は天気予報が言ってたほどの暴風雨ではありませんでしたが、たっぷり降ってくれたので、庭にはよかったでしょう。

下の写真のポットの列は、実は隣の土地との境界線です。お隣は昔からの地元の方で、これまた入り組んだ土地のはしっこで、急な斜面になっており、多分使われることはなく、ずっと空き地のままでしょう。

測量はすんでいるし、低いブロック塀でも作ろうかと思っているのですが、そうしたところで、向こう側の雑草や藪はうっとうしいんだよね。勝手に切り払って花でも植えたら怒られるだろうか。持ち主のかたがこっちの端までおいでになることは、多分まずないと思うんですけどね。

手持ちのライトノベルの最後の一冊『スープ屋かまくら来客簿』は、断捨離の発想とも通じる「古いものを大切に使う」発想を、古都鎌倉の付喪神の話に重ねて、なかなか切なくて楽しい出来だった。また少しこの手の軽いものを仕入れとこと思って近くの本屋さんに行ったら、こういう分野もはやりすたりがあるんだろうか、一時は目白押しだった「お店もの」が、すっかり影を潜めて、アドベンチャーとかが全盛っぽかった。まあ適当に軽そうなものを選んで買って来た。ベッドでひっくり返って読むのにいいようなものばかり。

庭仕事の合間に安物のラジオで聞きまくっていた、NHKの放送が(大相撲を聞いていたので、そのまんまになってる)何となく快くて朝から晩までずうっと聞いてる。政治や社会の報道では最近政府の代弁者でしかなくなってると、悪評さくさくのNHKで、事実そうだろうが、他の教養番組やなんかは登場するゲストも解説者も、さすがに質が高いし、内容が豊かで深い。何より、ゲストの作家や知識人も、アナウンサーも専門家もそれぞれに言葉遣いがきれいで味があって、または歯切れがよくて声も通って、耳が洗われる。

まあ時には何を勘違いしているのか、変に浮かれてはっちゃけたトークをする女性アナとかもいて耳障りだが、ほとんどのアナウンサーは節度を持って礼儀正しい。これを聞いたあとで、民放の雑でうるさい出演者の声や言葉なんかとても聞く気になれないのだ。

もうだいぶ前のことだが、疲れてぼやっと深夜の民放テレビを見ていたら、たまたま出ていたタレント数人(男ばっかりだったか女がまじっていたかさえ忘れた)が、トークもつまらんが、そろいもそろって顔がぶっくれてたるんでいて、目もそろって、どよんと死んでて、何の魅力もなく、何で私はこんな汚いものを見てなきゃならん、どんな罰なんだと思いながらチャンネル変える気力もなくながめていたのを思い出す。つるつるかわいいだけの若いイケメンたちの並んだおしゃべりだって、そう目や心の保養になるってわけでもないが、あの醜いという迫力さえない、だらしないむくんだ顔の陳列は、ちょっともう、ひどすぎた。
あそこまで行かなくても、民放の安物っぽさや浅薄さは、こっちの心や頭まで、知らない間に低級にして行きそうだ。

それだけに、NHKの政治や社会に関する方面の報道が(いいものもあるが)、もうちょっとどうにかならんかと惜しまれはする。

Twitter Facebook
カツジ猫