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応援スピーチ。

◇少し前(15日)に、宗像で開かれた福岡4区のしんどめ候補の演説会で、私がしゃべった話です。さすがに責任感じて原稿作って行ったので、そのままアップしておきます。
わかりにくいところ、その後の情報でまちがいがわかったところについては、少し補充訂正しています。何か役に立つようでしたら、どうぞご自由にお使い下さい。

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 むなかた九条の会世話人代表の板坂です。今日ここには社民党や立憲民主党、ひょっとしたら公明党や自民党の支持者の方も見えているかもしれませんが、今日は共産党の演説会なので、共産党とその支持者の皆さんに語りかけることが多くなると思いますので、ご了承下さい。


 新聞やテレビで、自民党がまたも優勢だという報道があります。一方でアベ首相はヤジられるのが恐くて演説会の場所も公表できず、都心をさけて田んぼの中で演説するなど、あまりやる気がなさそうだし、内閣支持率も下がりつづけています。小池都知事の希望の党も明らかに失速気味で、週刊誌は手のひらを返したようにたたき続けています。民進党は分裂して立憲民主党が生まれ、共産党は野党共闘を作るために、社民党や立憲民主党だけでなく、少しでも同じ考えを持つ候補に対しては、自ら進んで70近い選挙区で候補を取り下げました。「見返りは何もいらない、民主主義だけだ」と言い切った志位委員長のことばはネットで絶賛され、カッコいいと評判になっています。


 しかし候補者を減らし、宣伝の機会も奪われたために共産党が苦戦していることに、多くの人が心を痛めています。このため、「比例で共産党に投票して議席を増やそう」ということが、共産党以外でも、多くの人の合言葉になっています。
 テレビ「ホンマでっか!」でおなじみの池田清彦先生は、ツイッターで堂々と共産党に投票すると宣言しました。共産党ぎらいだったという元NHKプロデューサーは共産党の綱領を熟読し、投票と支持を決めたとネットで公表しました。他にも右翼の大物や、あの小林よしのりが、「アベ政治は許せない」と立憲民主党の応援演説をし、それには「いくら何でも」と抗議する野党共闘の人もいるなど、あらゆるところで情勢は混沌としています。



 どんなに混沌とした状況の中でも、共産党は上から下まで、決して絶望しないし、無気力にもならない党です。だからこそ信頼できます。でも、だからかえって、今、国民の多くが味わっている失望や無気力は、共産党の人には理解できないかもしれないと心配なので、私なりに考えてみました。


 国民の多くは、何となくアベにはうんざりしていたので、希望の党が勝って、ようやくアベが滅びてくれるかと、かなり期待していたと思います。それが、希望の党もアベと似たようなものであてにならず、民進党も分裂して、どうなって行くのかわからない中で、失望から絶望へ、そして無気力と無関心になって行き、北朝鮮も恐いし、もうアベでいいと思ってしまう人もいるでしょう。
 特に、アベが最近では週刊誌にもたたかれまくって、何だかぱっとしてなくて、元気がないように見えるので、決していいとは思わないけれど、しばらくは立ち直れなくて、あんまり害もないのではないか、当面現状維持でアベにやらせておいても、大したことはしないのではないかという気分の人もいるでしょう。


 それは油断です。大まちがいです。このことをしっかり皆に言いましょう。今は少々元気がなくて無害に見えても、アベが選挙のときに本音を徹底的にかくして、勝ったとたんに「すべてをまかされた」と全権委任されたように、したい放題やりたいことをする手法は、本当にいつものことです。また、これにひっかかったら、いくら何でも人が好すぎるというものです。
 特に、池田清彦先生など多くの人が大変心配しているのは、アベがねらっている「緊急事態条項」で、非常事態だからすべての権限を総理が握るという、北朝鮮もまっ青な独裁状態を作ることです。そうなったら、もう選挙さえも行われないだろうと言われています。そんな危険が現実にせまっています。人前で演説もできないほど情けなく見えても、アベはそれをやりかねない力と意志をまだ持っています。
 アベを認めることは、決して「現状維持」ではありません。かろうじてまだ保たれている常識と秩序のすべてが失われ、まっさかさまの見えない未来に、日本が落ちこんで行くことです。


 一方で、傷つきながらも野党共闘は前進しています。共産党や社民党が、枝野氏の首班指名の可能性を述べるなど、この短時間に民主的な人々の願う政府は、おぼろながらもしっかりと、その姿を現して来ました。
 アベを認めれば、これ以上の、行き先の見えない、とめどない絶望が待つ。アベを葬れば、その先に希望は必ずある。まかせきりにするのではなく、私たちが作って育てて、批判もしながら支えつつ、見守って行く私たちの政府が、国が、生まれてくる。

 そのことを、無気力と無関心の壁を打破して、人々の胸に届けましょう。


 そして、もうひとつお願いがあります。今全国で共産党が苦戦しているのは、候補を下ろして譲られた立憲民主党その他の人たちが、それに見合った協力を充分にできていないからとも言われています。
 もちろん、うまく行っているところもありますが、こういうことは一朝一夕にひとりでに進むものではありません。そう簡単にうまく行くものではなく、一歩一歩ねばりづよく進めて行くしかありません。

 
 共産党は弾圧と逆風の中で戦ってきた強さはどこにも負けませんが、その分人を頼らないで自分たちだけで、がんばってしまうことがあります。どうか、他の党や他の組織や他の個人に、協力を求め、手をさしのべて頂きたい。その方がつらいこともあるでしょう。裏切られたり傷つくことも多いでしょう。気心の
知れた信頼できる仲間だけでやる方が、つらいけれど、楽なこともあるでしょう。それでも、どうか自分たちだけでなく、少しでも味方になってくれそうな人には助けてもらおうとして下さい。あと一週間、一枚岩でがんばるとともに、他の人の力も受け入れる工夫を、できる限りしてほしいと心からお願いします。



 ホークスの優勝とクライマックスシリーズで博多は盛り上がると思います。先日、河東コミセンでの公開討論会で、自民党候補の人は「明るく元気な国を作ろう」「スポーツを盛んにしよう。わが党はスポーツ振興にはげんでいる」と言われました。
 でも、スポーツと聞いて私が思い出したのは、去年の暮れに98歳で死んだ母がいつも戦争に行って戦死した野球選手の名前を、沢村とか景浦とか、何人も数え上げて「あんなにたくさんの野球選手が死んだというだけでも、私は絶対に戦争を許さない」と言っていたことです。東京大空襲の時に両国橋で焼け死んだという、色が白くて美男子で人気があった松浦潟という力士のことも、母は何度も話しました。
 「二度とスポーツ選手たちを戦争では死なせない」と言って、小さい身体の、おぼつかない足取りで、投票所に向かって歩いて行く、晩年の母の姿を、選挙のたびに私は見ました。


 スポーツを楽しめるのは、平和だからこそです。私たちは戦争に道をひらくどんな動きも決して見逃してはなりません。
 母もさすがに最後の数年は人の名前を覚えられなり、投票に行くのをやめました。最後に行った投票で書いたのは、しんどめさんの名前でした。



 出陣式の日のあいさつで「維新の候補者が毎回出て来ないので、自民党の人と討論会でいつも二人だけで、何だかおなじみになってしまった」と言われ、出発の時「こんないい車に乗るのは初めて」と喜んでおられるしんどめさんを見て、優しすぎるやんと気をもみながらも、何という暖かいいい方なんだと心の底から思いました。この暖かさと優しさこそが、今の政治に求められているものです。ぜひ国会に送り出したいと、あらためて思っています。皆さん、いっしょにがんばりましょう。

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カツジ猫