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新年おめでとうございます。

◇「どですかでん」「白痴」「闇の列車、光の旅」のDVDを一気に見ながら年を越しました。これだけ重苦しいものばかり一気に見ると、かえって何だか爽快で、皆、名作だけあって、じわっと毛穴にしみこんでくるような雰囲気があります。

だいたい前の2作を見る気になったのは、小林信彦の「黒澤明という時代」って文庫本をふらふら買って読んでたら、見たくなったんですけど、どっちもなかなかいけました。まーねー、「白痴」なんか途中で終わったかなーと思ったら、いきなり「第二部」と出たのにゃ、ずっこけましたが。

でも、森雅之の亀田は名演と思うけど、今だったらもう、あの彼と赤間(三船敏郎)の関係は、どう見たってボーイズラブですね。亀田も、いいおっさんで、もちろんゲイでもないはずなのに、「なあに?」などと平気で言ってるけど、たしかに小説や映画で、こういう優しい頼りない男性って登場してたよなあ、と、あらためて思い出す。
どこかロシア文学っぽい(まあ原作がそうだし、意識してやってるんでしょうが)ねっとり重厚な画面がクセになりそうで、楽しめました。

「どですかでん」もたくさんのエピソードを自然に、きれいにまとめていて、とてもよくできてると思う。救いのない話ばっかりだけど、それはそれで。
あの家作り幻想親子なんか、父親に怒り狂う人は多いだろうけど、あのけなげな子どもとか、まあ「白痴」の主人公とか、とことん他人につくす人間のあり方って、やっぱ黒澤監督のテーマとして絶対にあるよなー。

「闇の列車、光の旅」は、前に見た「フローズン・リバー」とも重なって、越境ということの重さが身にしみました。

◇カツジ猫くん。
今年もよろしくね。遊びに行くよー!

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カツジ猫