浮き沈み
此の頃疲れている所為でしょうか、母との温泉行きは楽しかったのですが、気分が一時間おきにくるくる変化するので自分で辛い思いをしました。行き掛けの山道では母が間断無く家族の昔の話をして聞かせるので、いらいらして仕舞いました。私は自分の家族の話は今全く聞きたくないのです。母自身が若い頃は祖先や一族を軽蔑して親戚とも祖父母とも喧嘩して居たのですから何を今更との思いも有ります。
すんでのことに数回、山道の崖から車を谷底に落とそうかと思いました。そうしたら、恐らく事故で済んで誰にも気づかれず母も私も死ねるでしょうから。
それでも夜には二人でテレビを仲良く観て、夜中の三時から明け方までは一緒にワールドカップで日本がデンマークに勝つのを観ました。最初はデンマークばかりがボールを回すので、どうなる事かと思って居ましたが、案外日本は上手いんじゃないかしらと言う感じがして来て居たら本当に勝って仕舞いました。(笑)不思議ですね、選手の動きが良くなって来ると、人数が多い様に見えて来ます。
そして試合後のインタビューでは選手が皆冷静だったのが感じ良かったです。
帰りは雨になりましたが、一面の水田に緑の苗がそよいで涼しげでした。こってりとしたチョコレートのような滑らかな水が何処までも広がって、まるで海か湖の中を走って居るかの様でした。梅雨は鬱陶しい季節の様ですが、これが無くなったら随分淋しい事でしょう。