猛暑が続く
今日はそれこそ、車のボンネットの上でまちがいなく卵焼きができるだろうというような暑さだった。朝、水をまく時に、久しぶりに洗ってやれと思って車にも水をかけてそれきり忘れていて、乾きかけていたのをあわてて洗剤をかけて、拭き上げた。しばらく放っておいたので、うっすら黒い筋があちこちにできて、黄色い車がそのうちにシマウマになると気が気じゃなかったので、全体がちゃんとレモンバターみたいな黄色に戻って、ほっとした。
むちゃくちゃな庭だから、朝の水まきで、いろんな鉢植えにホースで水をやっていると、ときどき何かのはずみでやりそこなう鉢が出る。普通はそれでどうもないけど、ここ数日は、かけそこなった鉢が、昼過ぎにはてきめんにしゅんとしおれる。昨日はハーブの二鉢が、今日は小さい桜と紫陽花がうなだれかけていてあわてた。夕方たっぷり水をやったら、どっちもどうにか持ち直したようだ。
先日さしあげた先で、もう新しい名前をもらってる子猫の元じゅんぺいは、「天井にも昇りそうなほど」走り回って元気にしているらしく、紹介してくれたお店の人は、ものすごいドヤ顔の彼の写真を見せてもらったそうだ。どんな顔か見当がつくのが恐い。
私は先住犬さんをいじめてるのじゃないかと心配していたが、それは誤情報だったようで、もう犬さんは飼っておられないのだそうだ。ということは、わりとにぎやかなご家族の中で、かの子猫はさぞかしお山の大将ぶりを発揮しているのだろう。何という運の強い猫かとちょっと唖然とする。
新しいご家族から、お礼をいただいて、こちらがお礼をしなくてはと思っていたので仰天した。それも、のし紙がついているだけでなく、お菓子とかとちがって立派なお茶だったりして、ものすごく格調の高い縁組をしたかのようで、ひたすら恐縮した。あんな野良の子猫がと、楽しいが悪い冗談のようで、びびってしまう。
彼と言い、もう一方の、これまた広いお庭のある緑の中で、先住猫さんと琴瑟相和して幸福の絶頂にいる、黒い子猫の元みなきちと言い、何となくものおじしない、どこの王族かというような、ゆったりのんびり恐れを知らない性格だった。わが家のびびりで神経質なもふもふ猫のカツジとは正反対だ。
特に、元みなきちは、ちょっと情の深い感じもないことはなかったが、元じゅんぺいは、実力のあるモテ男のような、さばさばとしたクールなところがあった。何を賭けてもいいけれど、二匹とも、特に元じゅんぺいは私のことなど、これっぽっちもなつかしがってはいないだろう。あれだけ遊んで毎晩ミルクを哺乳瓶で飲ませてやっていても、何それ誰あんたという感じだろう。人によってはものたりないかもしれないが、私には、あのさわやかな冷たさが、実に快く、思い出すほど笑えてしまう。
政府が何を言おうが、田舎の書庫に持ち帰りたい本もあるし、お盆の前には一度帰ろうと思っていたのだが、何と私の住む宗像市の、それもすぐ近くの郵便局でコロナの感染者が出てしまった。しかも私はその前日に親戚あての小包を出しに行ったばかりだった。濃厚接触者になってるのではと、別の郵便局で様子を聞いたら、「外回りの職員だったようですから窓口は関係ないのでは」と言われて、一応安心した。しかしよく考えたら外回りのかただったら、それはそれで危ないかもしれない。近所のお宅のご主人は、今朝近くのポストに手紙を出しに行ったら、ポストは閉鎖されていて、そこの回収をしていた職員だったらしいけど、ひょっとしたら、うちに書留届けてくれて署名や押印して応対した人じゃなかったろうかと気にしていた。やれやれまあ、これじゃやっぱり田舎には帰らない方がいいんだろうか。まあ、こっちでも、する仕事は山ほどあるから別にいいんだけど。