秋の月。
◇むしろ冬の月かしらん。
今日、大学の図書館に資料を見に行った帰りに、母のところに寄りました。ものすごく大きなまん丸い月が出ていたので、灯りを消して部屋を暗くして、二人でながめて楽しみました。「もうあんなに高く上がった」「傘をかぶってないから、明日も天気がいいのか」などと、どーでもいいことを言いあっていました。
家に戻る途中の街中でも、通りの真上に月が光っていて、思わず「月天心貧しき町を通りけり」という句を思い出しました。いや別にここ貧しい町じゃないんだけど(笑)。
◇家の近くのよそのお庭から、金木犀の香りがして来て、あー、うちのはこの前思いっきり短く刈り込んだから、ぐれて花も咲かないのか、こんな匂いしないなあと思っていたら、さっき、家に入るときに、かすかな香りが夜気にまじって漂ってきました。少しは咲いてくれるのかな。同じように夏の終わりにばっさばっさ切り倒したカンナも、なぜか勢いよく真っ赤な花をつけているし。
◇今日は大学図書館の前で、九条の会の知り合いにぱったり会って、えっ、こんなところでと驚きながら、宗像と新潟の選挙の結果を喜び合いました。「もー、民進党がみっともなさすぎる」「あれじゃ、いなくても勝てるってわかってしまったようなもん」「とは言っても、やっぱりしっかりはしてもらわないと」などと言い合って、衆院選でも野党協力をしなくてはねということで盛り上がりました。
その後乗ったバスの中で、今度は昔いっしょに江戸の紀行を読んでいた研究会のメンバーの一人と20年以上ぶりにばったり。近くでコーヒー飲みながらあわただしく20年間の情報交換をして、また会おうと言って別れました。何だろうもう、すごい日だった。以前、東京の神田古書店の前の交差点で、大学の恩師の教授とばったり会った時以来の、行きあたりぶりが、しかも一日に二度とはまあ。
◇私のほんとに悪い癖で、何でもやりはじめるといっぺんにいろいろ手を出しはじめるので、書きたい論文だけでも今4つか5つかあって、結果どれも中途半端でまとまらず、資料が見つからない。片岡寛光が晩年狂気になったという、いろんな人名辞書の記事の、もとネタが何かわからないのが、今一番むしゃくしゃする。どうせ国学者伝記集成だろうと思って、ゆうべ見たらちがうようだし、じゃ多分丸山季夫「国学史上の人々」だろうと思ったら、絶対に書庫にあったはずの本がどこをどう探してもない。まさか実家においてるのだろうか。このままでは、やけになって新しく買ってしまいそうで、ちょー恐い。
◇Kumikoさんのツイログで、赤ちゃんの液体ミルクの使用が日本で許可されたことについて、いろんな人が怒っている。そのこと自体は望ましい、というか以前からお母さんたちが要望していたことで、たしか私も署名をしたと思う。問題はそれを、すってのくってのと許可しなかった政府かどっかが、「男性の育児参加を容易にするため」との理由で許可したことで、何なんだそれは、ふざけるなと怒る人たちの気持ちが私は痛切にわかるけど、何で?とぽかんとする人もいるんだろうな。
ずっと以前に「私のために戦うな」という本の中で書いたことだが、女性の処女膜が「膜ではなくて膣の入り口のヒダにすぎないから、タンポンを挿入しても問題ない」という使用説明書で、あっさりと処女膜神話が否定されたとき、若かった私は、レイプされた女性のショックを軽減するためではなく、タンポンを売るためにそうなったということが、震えるほどに許せなかった。それと似た怒りを液体ミルクの許可にも感じる。一番の当事者の苦しみや悩みを最優先で解決しないで、さんざん我慢させといて、他の理由であっさり解消するのって、つくづく人を侮辱している。あ、職場での女性のお茶くみが、人手不足と人件費の削減で自然消滅したのなんかも、それと共通しているよな。
◇首相のあっと驚く発言やら、いろいろ面白い記事が多いので、とりあえずリンクしておきます。
https://twitter.com/chanshimantifa2