掲示板でのおしゃべり2004年10月


[490] お返事ありがとうございます。 投稿者:秋津 投稿日:2004/10/02(Sat) 10:49

>じゅうばこ様
丁寧なお返事ありがとうございます。
リンクの件、迷惑だなんてとんでもないです。が、こちらのサイトをご覧の方々に不快感を与えてしまわないか…と、同人系のサイト運営者として要らぬ心配をしてしまいます。ご覧になったかと思いますが、なにぶん「トロイ」メインというより「指輪」メインですので、訪れた方がガッカリなさらないか…とも思いますが、当サイトの方針はリンクフリーですので、どうぞ気兼ねなく張ってやって下さい。(まだるっこしいですね)
好き、嫌いをはっきりおっしゃられる中で、うちのサイトにお越し頂いて楽しんで頂けたということは、とても嬉しいです。

「トロイ」についての文章の中で、じゅうばこ様が(他の方だったらごめんなさい)スパルタからトロイへ帰る船上で、ヘクトルがパリスに「女の為に戦争など」から続く一連の場面について言及されていたかと思うのですが、あのシーン、個人的には字幕がよくないと思ってしまう次第です。
あの一言は、さもヘクトルが女性(この場合はヘレン)を見下して切り捨ててるように見えてしまいますが、本当はヘクトルは「I don't want to let you start a war for her」と言っていて、「私はおまえに女の為に戦争を始めて欲しくない」(日本語としては些かおかしな文になりますが)という実に弟想いな台詞なのです。もしどなたかが既に指摘されていたら恐縮なのですが。
ですから、その後に続く「おまえは人を殺したことがあるのか」から始まるヘクトルの怒りと言うのは、弟を想うが故に少々乱暴になってしまった言葉なのではないかと思うのです。

実はPCに「トロイ」の脚本があるのですが、映画として撮る時に端折った部分が多いらしく、台詞も少々変わっているようですね。
ますますDVDが欲しくなってきました…。
http://fenrir134.hp.infoseek.co.jp/


[491] ちょっと出かけるのでばたばたと(それはいつもか)。 投稿者:じゅうばこ 投稿日:2004/10/02(Sat) 13:12

◇秋津さん。
リンクの件、ありがとうございます。あの「トロイ」の感想とヘクトルへの感想で、皆さまには充分楽しんでいただけると思いますが(笑)。
同人系云々につきましては私もよくわからないところが多く、かえってご迷惑をかけないかと心配していますが、まあ、そうまちがうことはないと思います。
何しろキャラママ(板坂)などは江戸文学でありますからして演習で男子学生たちと西鶴の「男色大鑑」をやって、「醜い遊女と痔もちの美少年とどっちを買う方がいいのか」などということを真剣に討論したりしているのですから。
今は優秀な先生になっている優等生の清らかな女子学生が「浮世絵」を卒論でとりあげていて、書店で資料を探していてふと気がついたら猥褻な写真集がずらり並んだ棚の前にいた、などという話もザラ。
江戸文学は特にそうですが、文学などを扱った研究をしていると、変態も猥褻もお隣りさん、むしろ添い寝の毎日です。
まあ、リンクに際しては一応配慮みたいな説明は何かしておきます。

ヘクトルのせりふでからんだのも私です(笑)。ご指摘ありがとうございました。ヘクトルのせりふっていろんなところで、きめこまかく弟思いなのが、字幕では(やむを得ないと思いますが)抜けるのですよねー。ただ、ご指摘のこと理解してもやっぱり私はあそこでは彼にからむとは思いますが(笑)。

またゆっくりお返事します。今日はこれで。


[492] なんだか今更なのですが 投稿者:かがり かなで 投稿日:2004/10/02(Sat) 16:44

うちのサイトにこちらのURLを張らせて頂いてもよろしいですか?
「トロイ」に言及するサイトなんてとても貴重なので、私の方しか知らない方がいるようでしたら是非こちらも読んでいただきたいと思っています。

「華氏911」なのですが、私が一番読んで凹んだのは、あの母親のエピソードに対して「お涙頂戴」と言うコメントでした。…なんて酷いことを言うの。

あのような戦闘シーンを観て、わくわくするのは矢張り私も同じことで、当初は私も上陸戦闘シーンでギリシア兵よろしく熱狂していましたし、「グラディエーター」も毎回戦闘シーンはヒートアップしますし。ああいったものはいわゆる「男の子的な夢」なのかなとか思ったりする次第です。しかしなぜか「女の子の夢」な恋愛は駄目なんですが…。

同性愛的表現のコメントを拝見していて、公共レビューの「原典の同性愛的表現を排除していて、そこがアメリカ的な心の狭さを感じる」という意見を思い出しました。この人にはどうしてもそこが重要だったのか…それじゃあこの映画に乗れないのも無理は無いわ、と。
私も二次創作に関してはキャリアが長くて、秋津様のようなサイトを運営するご苦労は一寸だけ存じております。
(実はうちのサイトも裏ページがあるのですよ…今はもう機能していませんが) 「トロイ」ももう一寸"萌え"に走っても良かったと思うんですが、作品自体の評価の低さに愕然として"つべこべ"の方に走ってしまいました…。

今日は池袋でオールナイト上映がありますね。一寸迷いましたが(苦笑)行きませんでした。 行かれる方が羨ましいです。
http://www.bmybox.com/~cinema


[493] 今日もまたまた手短に…すみません。 投稿者:じゅうばこ 投稿日:2004/10/03(Sun) 21:58

◇朝から身の毛がよだって息の根とまって笑いもとまらなくなるようなまちがいをたてつづけにしてしまいまして、もう力尽きました。まあ、結果は何とか無事にすみましたのでいいのですが。 またゆっくり話します。

◇かがり かなでさん。
リンクの件、もちろんして下さい。よろしくお願いいたします。

あれをお涙頂戴という方は、それこそ9.11.の折りにアメリカと日本のテレビで、来る日も来る日も朝から晩まで報道されつづけていた、犠牲者の方々の追悼番組などは、さぞやもう耐えられなかったのでしょうね。偽善で歯が浮いて、お涙頂戴で。お気持ちを考えただけでも同情に耐えません…って、ほらもうどうして私はムーア監督のような節度&品位を持った温かい怒りを発揮できないんだろうかなあ。

私はその批評を読んでいないか忘れてますけど、同性愛的表現の排除?それがアメリカ的心の狭さ?そうかなあ。現代のぴりぴりした同性愛扱った映画の描写(それも嫌いではないけど)に陥らないで、のんびりゆったり、そういう味を自然に出しているところも私はこの映画(「トロイ」)をとても高くかうところなのですけれどねえ。
二次創作や同人系といわれるサイトのいろいろを拝見していて、皆さまに紹介したいものもいくつもあるのですが、ご迷惑と思って遠慮しています。まああせる気持ちはないのですが、いいかたちでのつながりができたらいいがと思っています。

「トロイ」はDVD発売に合わせてか、福岡でも10月の末に短期間ですが映画館で上映されるらしくて、今から楽しみです。大手をふって行けるよう、それまできちんと仕事をしよう(笑)。


[494] あ、そう言えばさっき書き忘れてました。 投稿者:じゅうばこ 投稿日:2004/10/03(Sun) 23:18

◇と言っても決定的にどうでもいいことなのですが。
別の用事でシェイクスピアの「トロイラスとクレシダ」読んでいるのですが、知らなかった、これトロイ戦争をちょこっとかすめてるぐらいと思ってたら、まっこう堂々のトロイものなんですね。映画「トロイ」の、というか「イーリアス」の登場人物総出演。で、アキレス(アキリーズ)はかなりバカ。エイジャックス(アイアス)はもう更にめちゃくちゃバカ。ユリシーズ(オデュセウス)は性格悪い。賢いですけど。へクター(ヘクトル)はまじめで人格者。パリスとヘレンは無責任でお調子者。そ、そうか、昔からこういうイメージだったのね。
特にヘレンは(まだ途中までしか読んでないけど)、もろハリウッドの頭の悪い女優、のようなイメージ。せりふからもう、これだけジコチュ―の感じが伝わるというのもすごい。皆も彼女にうんざりしていて、

「あの女の不貞の血一滴ずつのために
ギリシャ人が一人ずつ死んでいるのです。あの女の
腐れ肉一オンスずつのためにトロイ人が一人ずつ
殺されているのです。だがあの女は口をききはじめて以来、
ギリシャ人やトロイ人がいのちをすてていいような
りっぱなことばを一度も吐いてはいないのです」

なんて言われてます。しかも、ほんとにその通り(りっぱなことばを一度も吐いてない)なのが恐い(笑)。
人格者のヘクトルも含めて、登場人物全員にみごとに魅力がないのが逆にある意味すごいかも。まあ最後まで読んでみます。いろいろ笑えますよ。白水社Uブックス830円ですが、これ、お買い得かもしれません。


[432] いろいろご迷惑をかけましたが、 投稿者:じゅうばこ 投稿日:2004/10/07(Thu) 17:36
◇さしあたり、抜けた掲示板の分については、こうしようと思っています。「トロイ」をはじめ、映画に関係のある部分はどなたのもすべて、「じゅうばこの映画『トロイ』談」に収録します。

それ以外のものについては、こちらの掲示板に再録します(あまりないのですが。笑)。

今、かちかち山のように忙しいので、このことについては数日だけお待ち下さいね。

で、サーバも立派なものに変わって安定もしましたので、皆さまどうぞ安心してどんどん書き込んで下さいませ。お返事はちょっと遅れるかもしれませんが。

「結局大量破壊兵器は見つからなかったのかいおい!!(怒)」とか、書きたいことは私もやまほどあるのですが、何しろ今週特に明日は花見弁当のように朝から晩まで予定がぎっしりつまっていまして…充実していてありがたいけど、死ぬわあもう、こんな毎日が続いたらば。

台風もなんかまた近づいてるんですねー。知らんわもう。

◇秋津さん。
サイトを「トロイ関係一覧」にリンクさせていただきました。何か不適当なとことかあったら、遠慮なくおっしゃって下さいませ。日記を拝見するに少し体調崩されておられたのかな?と心配しましたが、どうぞお大事になさって下さい(人さまのこと心配してる状況でもないが)。

◇それと、他にも「トロイ」関係のことを書いておられるサイトで、リンクしてもよいという方がいらっしゃいましたら、どうぞおっしゃって下さい。

◇かがり かなでさん。
貴サイト、どんどんレビューが増えますね。バイタリティーに脱帽!です。私が見てない映画ばっかしなので、見てから!と思って我慢してるのがクヤシイ。
リンクもありがとうございました。あの「板坂耀子研究所」になってますけど「研究室」です。「研究所」の方が何だかハルク=ブルースがいそうで素敵なので、そのままでもいいけど(笑)。「ハルク」のビデオやっと見ました。うっとうしい父ちゃんに切れかけ、これは私らの世代への批判かも、と思ったりしました(汚い、しつこい、強引、反体制、とくればねえ、もう、何だか)。そもそも、この映画見る気がしなかった原因はJ・コネリーが「ビューティフル・マインド」での「こわれた天才をいたわる、しんの強い聡明な女性」を二番煎じでなく演じることなんて不可能だろうがもう、まったく役選び下手やなあと思ってたからなのですが、その予想もほぼ的中したしなあ。でもエリック・バナはうまいですねやっぱり。ヘクトルとまったくちがった哀れっぽさがちゃんとにじみ出ていて。ただその、この人、「天才」に見えるかというと、そこがどうもなあ。聡明で誠実でしんが強い感じがどこかにあって、あーゆーことになる天才の傲慢さ、狂気、病気、という要素が足りない気がするんだよなあ。だから変に最後の場面は納得したのですが。まあ、この人ならこうなるやろうな、ということで。

ほらまた長くなる。今夜はこれで失礼します!


[433] ものすごい台風でした… 投稿者:亜紀 投稿日:2004/10/10(Sun) 01:13

>じゅうばこ様
激動の中出会い、最後のあの悲劇で締め括られるアキレスとブリセイスの恋の結末が嫌なわけでは全然ないのですが、それとはまた別に、違う結末が見たかったなあとも思ってしまいます。 二人のラリサでの生活なんてもう見たくてしょうがない。ゆりかごを作るアキレス(しかも下手)なんて微笑ましすぎて顔が緩みます(笑)
わがままを言うと、戦火の中ではなく、もっとごく普通の平和な日に出合ってほしかったなあと。もしそうだったとしても、アキレスもブリセイスも互いに惹かれあうような気がします。私は平和の中にいる二人が見たいだけかもしれません(笑)
愛する人と一緒にいることだけが唯一の幸せだとは思わないのですがそれでも、共に生きていくことができればどんなに幸せだったろうにと、今でも思ってしまいます。

「疾走」はもう、全然待ってますので!わたしは物書きは苦手なのでよくわからないのですが、アキレスのような人の内面や気持ちを書くというのはとってもエネルギーがいることだと思います。

>かがり かなで様
漁師なアキレス、想像して笑ってしまいました(笑)
ラリサでの二人の生活や、戦争を回避するためにはどうすればよかったのかなど、「あのときもしこうなってたら」を考えることが楽しい映画だなあなんて思います。
初めて見てからもうだいぶ経つのに、いまだにこんなに好きでいられるのはとても嬉しいのですが、結構疲れるかも(笑)

サイトのほうもお邪魔させていただきました。とても丁寧にレビューを進めておられて、こちらのサイトと同様私のお気に入りです。
映画を見に行くとき、レビューを参考にさせていただいたりもしています。

古い話題でごめんなさい。書き込みさせていただいたのがもうだいぶ前なので、自分でもどんなことを書いてどんなお返事を頂いたのかちょっとちんぷんかんぷんです(笑)
それでは、この辺で失礼させていただきます。


[434] 台風は皆さん大丈夫だったのかなあ? 投稿者:じゅうばこ 投稿日:2004/10/10(Sun) 11:38

◇と気になっていました。
「432」で書きましたように、ここの掲示板で脱落した皆さまの書き込み、映画に関するものだけを「映画トロイ関係一覧」の「じゅうばこ談」の11・12としてアップしました。途中に入れ込む時間の余裕がなくてまとめてしまったので、見にくいですけど、ごらん下さい。とても面白いです、皆さまのお話が。

◇亜紀さん。
ものすごく時間があれば、かがり かなでさんの一言に触発されて二人のラリサでの生活、「かじきまぐろ」(笑)とか題つけて書くのですけど。
でもまずは「疾走」ですよね。
「おれにまかせろ」の今連載してる最後のとこにも、ちらっとアキレスが登場しています。な、なんかそのつもり全然なかったのですけど、気がついたらサービスショットになってたかもしれない。

◇今日はちょっとばたばたしてるので小説の更新はできないかもしれません。
キャラママ(板坂)は、さっき車に山と荷物積んで、「まず分別ごみ出して、その空いたところに文房具屋で注文してたノートの箱を積み込んで、ナフコでテーブルにかけるビニールと歯磨きを買って、行きつけの店でごはん食べて、まっすぐ田舎に帰って実家の冬支度をして」とか「水ももらさぬ計画」をぶつぶつくりかえしながら出かけました。
私は今日はあれこれかたづけものです。こちらも台風の影響かけっこう強い雨がふっています。


[435] お名前修正しました… 投稿者:かがり かなで 投稿日:2004/10/10(Sun) 14:02

じゅうばこ様
すいませんでした(汗)私本当にこの手のミスが多くて未だに昔のレビュー読んで「あ…誤字発見…」ということがままあります。

最近、良いテンポで映画館に通い、テレビでも興味のあった作品が放送されるので観る事にレビューが追いつかなくて必死です(苦笑)しかも一度上げても時々はた、と思い至ることが有ったりしてまた加筆修正をするので三歩歩いて二歩下がる状態です。
そんな訳でじゅうばこ様の「ハルク」のコメントを読んで一寸加えてみました。「だれも知らない」も一般の人はハッピーエンドが好きなのに、あの救いの余りない作品で何故評価が高いのだろう、と考えた時にある結論に行き着いてしまったのでその辺も足したいと思っています。

亜紀様
訪問していただいたようでありがとうございます。
参考になります?ならいいのですが…時々自分の書いている文章が甘口か辛口か分からなくなるんです。
ようやく裏総括も終ったのでそろそろあの二人の恋というか、あの恋の結末についてまとめていきたいと思っています。草案はあるのですがそこからまたまとめるのに時間が掛かるんです。本当にこんなに反芻の出来る素晴らしい作品ではありますが、私も疲れます(苦笑)

◇エーゲ海にカジキマグロがいるかどうかは不明です(笑)単純にでかくて食べられる魚といったらこれしか思い浮かばなかっただけ。
私たちはあの作品から二次創作に行くことが難しいのですが、パリスがチワワちゃん(ファンの方すいません…)だと思い至ったついでに主要キャラが犬だったらどんな犬種だろうと想像しています。
きっとアキレスは秋田の猟犬で一頭で熊を取ってくる程強いけど(他の犬はカモ位しか獲ってこれない)従順じゃないし狂犬だし、熊獲っても毛皮はボロボロにするし肝は食べちゃうし「悔しかったら自分で熊獲ってこいよ。獲れねえんだろ?だったら俺に命令すんな」ってな態度で、主人(アガメムノン)にしてみれば腹の立つ(でも強いから殺すわけにいかない)犬だな、とか(笑)
http://www.bmybox.com/~cinema


[436] 昨日にひきつづき今日もばたばたで、 投稿者:じゅうばこ 投稿日:2004/10/11(Mon) 21:16

◇また更新ができないかも。す、すみません。

◇かがり かなでさん。
もー、ひんしゅくのかいついでに言っちゃいますと、あのかじきまぐろのお話聞いて以来、テントのそばで死体をひきずって行くアキレスの姿が、願望も含めて、獲物のかじきをひきずって行く漁師に見えてしかたがないのです私は(笑)。あれから映画を見る機会はなかったと思うのですが、記憶に残る残像で。

あ、明日は多分きっともうちょっとまともなことを書くだろう。いくら何でも私でも。

私はアキレスはなんだか猫っぽいです。獅子とか自分で言ってるからかもしれませんが。きれいな猫が目を閉じてぺろぺろお化粧しているところなど、ひじょーにイメージが重なるのですね。あ、またしょうもないことを。

訂正ありがとうございます。ほんとにあれでもよかったのですが(笑)。「ハルク」とか「アマデウス」とか「ビューティフル・マインド」とか、どうも私、天才ネタの話にはどっかで違和感感じることが多く、そういう中で「トロイ」のアキレスはかなり共感納得できたのですよね。何でかなあ?


[442] くだまきにつきあっていただいて、すみません。 投稿者:じゅうばこ 投稿日:2004/10/15(Fri) 22:50

◇秋津さん。
どのみち、外国語はすべてだめの私には、比べることもできないのですが、それをいいことに言っちゃいますと、もう日本語でも何でも話の通じない人は絶対に通じないもので、こんな相手よりはヘブライ語しか話せない相手との方がきっと深く心が通じ合う、そのへんのトカゲやトンボの方がまだ、いえ、玄関のドアノブや台所のまないたの方がもっと心が通い合いそうな気がします。

私も何だかトラブルに見舞われつづけで、テレビ、電灯、パソコン、その他もろもろが次々に故障し、忙しいので修理するひまもなく、そういうことが混乱に拍車をかけております。しょうもないことほど消耗しますよねえ。お互い元気でのりきりましょう(笑)。

ところで、これは話が通じないとかいうのではなく、楽しい話題の種になる意見や感覚の相違に属することですが、秋津さんのサイトの「トロイ」感想を何度読んでも楽しくて笑ってるのですが、ヘクトルの妻との別れが他の人(弟とか)と比べて淡々としてるというようなことを書かれていて、そうかーと思いました。他にもそういう感想を持たれた方がおられたようだったし。
私はそもそも、あれだけじっくり皆と別れを告げられるのは、こいつあんまり皆を愛してないのとちがうかと思ったりする屈折した性格なもんで、あの奥さんとの別れが一番胸にこたえて切なくて、もう何年ぶりか何十年ぶりかぐらいで、映画を見てられないほどつらい気持ちというものを味わいました。

あそこで、他の人と同じような心のこもった言葉やしぐさをかわしたら、もうそれだけで彼は気持ちが崩れてしまうのだと思います。そもそも会って「しまった」とさえ思ったのではないかとまで私は思うぐらいです。顔見ないまま行っちゃえたら、それはそれでほっとしたのじゃないかいなと。だから、必死で事務的連絡をして冷静を保つのだとしか見えないのです、あれって。
私も誰かと永遠の別れをする時、大したことない相手なら、何じゃかんじゃとそれらしいこと言い、抱き合いキスするかもしれないけど、ほんとにほんとに好きな大事な離れたくない相手だったら、「あー、ガス代払うの忘れないでね」とか「台所のカギは玄関の下駄箱の中だから」とかしか言わない。言えないでしょう。絶対に。

わ、またずるずるのびそうなので。
DVD発売もうれしいですが、私の近くでは発売のころ再上映をする粋な映画館があるようで、これもありがたいです♪
いろいろと緊張の多い毎日かと存じますが、どうぞお身体に気をつけて下さい。

◇H.A.さん。
キャラママ(板坂)が、「こういう書き込みをいただくと、鳩時計文庫の更新もせねばー!」と騒いでいました。今のこの国で、この時代、あれを書いた日々に立ち戻ることの必要性を私も感じることが多いです。
「華氏911」の映画を見て「ここで言われているようなことが、なぜアメリカ国民にはわからないのか、もどかしく寒々とする」という感想を抱く方が私の回りにも多く、そういう思いを抱く方にけんかはゆめゆめ売りたくないのですけど、大量破壊兵器が見つからなかったことがマスコミで大して話題にもならず、それを理由にイラクに自衛隊派遣したことを今もまちがいではないと言っている首相の支持率も低下しない日本にいる人間が、アメリカ国民を不思議がってる場合じゃないと思うのですが。少なくとも、この国の状況を見ていると、アメリカの状況は私には不思議ではありません。だからといって何のなぐさめにもならないことはもちろんですが。

あは、結局今夜もくだをまいてしまったかもしれないなあ。


[451] 10年前より5年前、5年前より3年前、3年前より今、と忙しくなってる 投稿者:じゅうばこ 投稿日:2004/10/27(Wed) 23:09

◇この私の人生ってもう何なのよー。2年後、20年後が恐いよ。きっと世界一忙しいホームレスになってるんだろう。

◇で、とにかく、できる宿題は少しだけでもやっとこう。

◇風子さん。
なるほど、シャマラン監督の映画の見方がわかったような気がします(笑)。それで「王家の紋章」を思い出したわけですが、あの漫画、20年ほど前、立ち読みしては悶絶していました。バカにしきれないすごさがありました。
で、あの漫画を読んでいて何に一番私が悶絶するかというと、デッサンの狂った絵とか、そんなのではなく、一にも二にも、作者がたとえば、ヒロインを「泣かせたい」とか「苦しめたい」とか「拷問にかけたい」とか「キスさせたい」とか、まあそういう欲求がものすごくみえみえなことで、これが読んでいて死ぬほど恥ずかしかったです。私がなんも恥ずかしがることはなかろうと思っても「あー、やめてー」と、のたうちまわりたくなりました。そういう意味では羞恥心を刺激して神経の運動になり、美容によかったかもしれません。

もうちょっと具体的に言うと、わかりやすい例で言いますと、たとえば主人公が窮地に陥ってしばられたり責められたり、牢屋に入れられたりする時に、もう、ものすごく普通に考えても(「おれにまかせろ」の小説みたいに、しつこいシュミレーションなんかじゃない、もっとずっと簡単なことで)「え、何で、こういう嘘をつかないの?」「は?何でここから逃げないの?」とかいうツッコミがあまりに巨大なマンホール状態でぱかっと口あけてるのですよ、随所に。

それで、結局、あー、これはもう、ヒロインを裸にしたかったわけね、どうでもこうでも、とかいうのが、ものすごく、あからさまで、実はこういうのが私は一番読んでて見ててギャ―と言いたくなり、あえてあえて言うならエロチックな興奮じゃないかと思うぐらい、みだらに、はしたなく思えるんですよ。うー、わかっていただけます?(笑)

「トロイ」の映画関係でいろんな同人誌文学というか、エロティックな作品も読ませていただいてますが、いっそもうわりきって「こういう場面が書きたい!」を鮮明に目的化してる作品には、そういう羞恥心は私は感じません。むしろさわやかだし、いさぎよい。そして、特にそういう作品でも心理描写や経過説明がきっちりされているものは、どんなに激しい性描写とかあっても私は赤くならないんです。まあ、どんなジャンルのどんな芸術でも、それは同じなんでしょうけどね。

ただ、「王家の紋章」のような作品、それはシャマラン監督の映画にも共通する感覚なんですが、「とにかくこういうのがやりたい」が露骨に見えてしまう作品って、私すごくもうぞくぞく寒気がするのです。これが快感か不快感か、もはや自分でわからないほどに。もうマゾヒスティックな快感とでも言おうか。そして自分の中の予想もしなかった病的な部分がどろどろ流れ出すのもわかります。ハーレイ君だっけ、あの子をふんしゃぎたくなったのも、きっとこれと関係があると思います。

はっ、というところで時間切れ。また明日にでも。

◇「おれにまかせろ」の小説はいよいよ終盤のどんでん返しに入ってきてます。私の小説のヘクトルは、なぜかどうしてか、「嘘が嫌いなのに嘘が上手」という、呪われた性質を付与されてまして(これは映画の性格の延長線上で、矛盾はないとも思っていますが)、これがこの小説の全体の伏線になっています…ということに、作者自身が今ごろ気がつきました(笑)。つまり、この小説で彼は読者に微妙にずっと真実をかくしていまして、それが今からわかるしくみ、そういう点では、これまでの中で一番、伏線と構成があるかもしれません、生意気に(笑)。どうぞお楽しみ下さいませ。


[456] こんにちは 投稿者:サヤ 投稿日:2004/10/30(Sat) 20:47

じゅうばこ様。
おれにまかせろ 読ませていただきました。
感想を少し書かせてください。

乞食の言う作戦。そうするしかないのかなあと思いつつも、メネラウスが可哀想だよーと思ってちょっと辛い気持ちだったのですが、ヘクトルとパリスが上手いことやってくれて良かったです。ヘクトルのあれは天然なんですよね?計算じゃなくて。

(6)でのもう弟を愛していないというセリフから続くヘクトルの言葉にはちょっと違和感があったのですが、どうしてヘクトルがそんなこと言ったのか、これからちょっと考えてみます。

そして まさかアキレスが出てくるとは思わなくて驚きました。
というか、森でのアキレスの描写が素敵すぎて、心震えたというか、すごーく嬉しかったです。

幕切れも、皆の去り際が、爽やかで良かったです。
アキレスやパトロクロス、オデュッセウスたちの仲良く楽しげな雰囲気に、
行ったこともないけれど、ギリシャのまぶしい温かい光に包まれているような幸せな気分になれました。

「起こらなかったいくさもあるのさ」 というセリフも印象深かったです。
記されて、伝わることはなくても、そういう話もちゃんとあるのだと思うと。

ヘクトルって、悲観的に考えるの結構好きなのかな?と思えたところも面白かったです。
このお話を読むと、けっこうヘクトルって幸せな子だな、と思えて何だか可愛らしくも嬉しいです。

まとまらずに、訳のわからない感想ですみません。

トロイのDVD、字幕が変わっているとのことで、見たとき違和感、感じないか心配です。
荒馬馴らしのセリフも無くなっているとか。 見てみないと分からないけれど、今は、あまり変えて欲しくなかったなあと思ってます。
小さいとこなのだけど、劇場でトロイやってるようなので、観に行こうと思ってます♪ 楽しみです。


[457] さっそくのご感想、ありがとうございました。 投稿者:じゅうばこ 投稿日:2004/10/31(Sun) 20:40

◇サヤさん。
あんなに長いお話を読んで下さって感謝しています。この小説については(他のもだけど)、小説以上に語ることが多くて、あとがきでも書いたら本編以上になりそうで…ぼちぼち、お話して行きます。

私、前に「もうだめだ、と思ったことでも、けっこう何とか無事にすむことってある」と、パリスを弁護して言ったのですが、そして実際そういう体験もあるし自信もあったのですが、そういう時に考えること、やってきたことを、こうしてあらためて書いてみると、ものすごく長くなるのに自分で驚きました(笑)。ひゃあ、トラブルの解決の時、必死になって1時間ほど考えて対策決めることよくあるけど、それは凝縮して考えてるんで、平たく説明すると、こうなるのかい、我ながらずいぶんエネルギー使ってたんだなあ、とか。思わずどっと疲れたりして(笑)。

ヘクトルは最後切れてますけど、これは私なら普通は、あの直前の成功しかけた方法を出しながら、あの本音もちらつかせるのです。「ほんとはこういうことなのだけど、それをわかった上で、これで呑んでいただけませんか」というかたちで、お願いする。ていうか、この場合はもうそれしかない。

このお話のヘクトルが最後ああしたのは計算ではないと思うけど、無意識の計算はあったのかも。あの父親の子ですから(笑)。これも一度書きたいけど、あのテントでのプリアモスの説得はワザですよ。アキレスがかわいそうなぐらいです。

森の中でも船の上でも、アキレスをお行儀よくさせておくのに骨が折れました。いろんなサイトの漫画や小説で、デフォルメされたとんでもないアキレスが多く、しかもそれが笑い死ぬほど本質をついてるとこもあるので、つられないようにするのがもう大変で(笑)。かがり かなでさんのサイトを拝見しては、映画の本来のアキレスの高貴さや賢さを忘れないようにしていました。天才や英雄って、おちょくりやすいのですけど、その偉大さは忘れちゃいけない。ここのところが難しいなあ(笑)。

ヘクトルは、演じたエリック・バナが映画祭の時に大笑いしてる顔を見てびっくりしたと誰かが書いていたぐらい、映画の中ではいつも悲しそうだったり深刻だったりで、大声で笑ったり、かと言って泣いたりもしてないんですよね。
それを言うなら、トロイ王家はしょっちゅう泣いてそうなプリアモスもパリスも、実は(多分一度も)涙を流していない。アキレスが泣くのは印象に残るけど、エウドロスだってパトロクロスの死んだ時は涙を流してるし、オデュセウスだって涙ぐんでそうな場面があるのに、トロイ王家の面々はほんとしぶとい(笑)。

私も今日、小さい再上映館で見てきたんですが、席は20分前に売り切れてました。いろんな年齢層の人がいて、最後にパリスがアキレスを射た時は「あー、もう、このバカー」みたいなざわめきが一部で起こって、すごくおかしかったです。
ちなみに私は見るたびにアキレスの顔や姿の美しさに目覚めるのですが、同時にどんどんパリスがいとしくなってきます。

でもエウドロスもいいですね。アキレスがヘクトルとの決闘に出かける時、当然のように急いで後ろに乗る様子が、でも連れて行ってもらえないかもしれないとわかっていて、だからこそ、あたりまえのように、さっさと乗ってしまおうとしているようにも見えて、すごく切ないです。

それとアンドロマケの女優さん、他の映画を見てないのですが、しぐさや態度が多分わざと、ちょっと泥臭くてがさつですよね。気取ってなくて、おかみさんのような、たったっというか、どたどたというかの歩き方やしぐさをする、微妙に。多分これは演技なのでしょうが、それが堅実で素朴な主婦っぽい人柄をにじませて、しかもそれでやっぱり品があってりんとして王族らしいのが、ほんとにすごい。ヘクトルがヘクトルらしく見えるのは、この奥さんのせいも大きいと思います。

はあー、私も何だかよくわからない感想を。ご感想いただいたうれしまぎれについ筆だかキーボードだかがすべりました。また、いろいろとお話を聞かせて下さいね。

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