掲示板でのおしゃべり2004年8月


[823] あわわ… 投稿者:じゅうばこ 投稿日:2004/08/01(Sun) 17:58

かがり かなでさん
リュサンドロス関係ではほんとに私、各方面で嘘ばっかり言ってますねえ。この分じゃそのうち本人から夢枕に立たれるかも。怪しげな情報流してすみません!もちょっとゆっくり確認します。こちらではまだ細々と上映してますので。

私のサイトは「文字ばっかりー!」と言われていて、よその掲示板で「長文はウザイ!」という書き込み見るたび、ひぇーっと思わず首をすくめるほど長文だらけ。準備しないで書くと長くなっちゃうんですよー。
「グラディエーター」熱もかれこれ5年続いてますし、そう簡単にさめない、しつこい人間ですので、当分「トロイ」のお話も続けると思いますから、どうぞごゆっくり、おつきあい下さい。

あの脚本はほんとに見事と思うのですが、私はそれを説明する時、つい面白おかしく書いてしまうので、「それはあんたの深読みだよ」と言われてしまって、贔屓の引き倒しになるかもしれない…と最近自嘲じゃなかった自重気味です。まじめに説明する方法を勉強しなくてはなりません(笑)。

かもめさん
でも、プリアモス、ただのイイ人なんですかね。例のアキレスに泣きつく時でも私、「こいつ、相当外交手段にたけとるな」と舌をまいていたのですが。あ、いかん、こういう突拍子もない書き方するから、まじめに受け取ってもらえないんだー(泣)。

ところでアンドロマケなのですけど、私、かもめさんが「もっとキリッとせんかい!」と怒られるたび、「あれはあれでまあいいやん」と思っていたのですけど、この数日、ちょっと考え変わりまして、夫がせっかく国のためにがんばろうとしてるのに、「私の方を向いて」は、もっと疲れさせるよなあ、という発想もちょっと生まれてきました。つまり、かもめさんに近くなった。
ただですね、あれが命令に逆らえない兵士や将軍クラスの夫だったらアンドロマケの言うことは、ただのわがまま、泣き言、愚痴、甘えと言われてもしかたないんだけど、決定権をかなり持ってる王子兼総司令官ですからね。「出て行かないで」「戦わないで」と言ったら、そういう方策を選択できる余地のある相手だから、そういう進言もありかな、という気持ちが私にはあるんだと思います。

いやもう、あの書き込みを笑って下さって、こんなにうれしいことはありません(笑)。 ほんとに私、真剣には書いてるし、嘘やまちがいとは思ってませんが、その一方で、新薬の開発とか外交問題とか命にかかわることとちがって、たかが映画、たかが文学の話だろ!?って気がいつもしていて。
だからどうでもいい、だからいいかげんでいいじゃなくて、だからこそ徹底的に真剣に話すのが面白いし、だから遊べるし冒険もできるし。そうすることで世の中を豊かにできるのが、こういうことの役割なんだし。
ちがう意見があるからこそ、ぶつけあっても楽しいのに、何でそこで皆、自分の見解にこだわって萎縮しちゃうのかなあ、と思います。(あ、そりゃ、おまえのようなおしゃべりに、話し倒されて圧倒されたかたちになるのが閉口なんだ、と言われるのは承知してますし、せいぜい自粛もしますけど。笑)

で、笑っていただいたのに甘えて、ヘクトル・アキレス夜明けのすれちがい説を、もうちょっとだけ補足。
これもどこかの同人誌風のサイトで拝見した漫画で、あの決闘の時アキレスが「何でおまえは、おれとパトロクロスの見分けがつかんのだーっ!」と(つまり恋人として)怒っていて、「結局それかい…」とヘクトルがげんなりしてる、というのがたしかあったんですが、ものすごく図式的抽象的な意味では、これもまた正しいと思う。
つまり、そういう図式で言いますと、
アキレス「私はあなたの発言、生き方に影響されて、戦士ではない平凡な人間として生きる道を選んだ。それなのに、あなたは私とまちがえてあの少年を殺すという、どうしようもない愚かな間違いを犯し、私が復讐をしなくてはならない状況にして、私を平凡な人間として生きさせなくした。あなたと同じ世界にやっと住めると思っていたのに、あなたがそれを許さなかった」
ヘクトル「私はあなたの発言、生き方に影響されて、国や家族のためではなく、一人の戦士としてあなたと戦う喜びに自分を投じた。それなのにあなたは私を迎えてくれず、偽者をよこして私に戦士として大きな侮辱を与えた。これまで以上に戦うことの残虐さ、虚しさを私に思い知らせ、戦士としての充実感も満足もまったく与えてくれなかった。あなたと同じ世界にとびこんだつもりだったのに、あなたはそこにいてくれなかった」
ということになるかと思います。
つまりあれですね、O・ヘンリーの短編にある、愛する夫婦がいて、妻は自分の長い髪を切って売って夫の時計の鎖を買い、夫は時計を売って妻の長い髪のための髪飾りを買った、クリスマスプレゼントのすれちがい話みたいなもので(笑)。こんな例えに喜ぶ方や、いやがる方がどれだけいようと、やっぱりこういうことなんだと思えてしかたがありません。

あ、「キング・アーサー」の女戦士ね。無条件に否定はしませんが、無条件な肯定もできない…ううん、この時代、こういう話での女性の活躍のさせ方はほんとにむずかしいと思います。「存在感」ってことばを乱発するのは好きじゃないけど、今回の彼女の場合、もうちょっとそれがあったら、まだ何とかなったのかなあ、って気持です。このへん、とっても難しい。まだよく気持がまとまりません。
彼女が男性に積極的に迫るのは、むしろ「七人の侍」の影響かなあとも思ったのですが。

わわわ、長くてすみません!


[372] 台風はそれほどでもなく雨がふって涼しかったです。 投稿者:じゅうばこ 投稿日:2004/08/01(Sun) 19:27

◇被害を受けられた方はほんとに大変だったとお察し、お見舞いいたします。こちらは大丈夫でした。

◇ガブリエルさん。
ご感想いただき、すごくうれしいです。またいつでも、いくらでも書いて下さいませ。
「アカデミアにて」は、自分の生活や職場のぼやきととりまぜて書いてたのですが、最近これを書いてないため、生活が気分的に煮詰まっていてよくありません。そろそろ書かねば。

「トロイ」のファンフィクションでは、パリスがとことん無邪気なタイプ(私の小説はこちらですね)と、実は腹黒なタイプと二通りになっているようで、その悪人のパリスは、どうもあの皇帝陛下と重なってしまいます。あのタイプはやはり魅力があるのかと(笑)。私も書いてて楽しいですもの。アガメムノンとどっちだろう。

私はアガメムノン(あの映画の)がほんとに好きで、どうしてもっとファンが増えないのかなあと思っています(笑)。ただ「想定問答」も「疾走」も、ほんとに書き続けられるのかどうか、謎です。がんばってみますが。

この映画の登場人物の誰一人嫌いになれない私としては、ヘクトルを少しでも身近に感じていただいたこと、私の作ったアキレスをガブリエルさんのアキレスと共存させていただけたことに、とても感謝しています。
いろんなサイトで、ヘクトルを好きな故にアキレスを、アキレスを好きな故にパリスを、憎まないではいられない書き込みを拝見すると、笑いながらも楽しみながらも、架空の世界でさえこうなのだから現実の殺し合いの残す傷あとはとても修復できないよなあと思ったりします。
その憎しみから許しへのアキレスの変化を映画と俳優がきちんと見せてくれたのが、とてもうれしいです。

◇かがり かなでさん。
大量の文章にげんなりしないで下さい!と、祈っていたので、ひと安心しています。どうぞ、ゆっくりお考えをまとめられて下さい。すごく楽しみにしています。

これ書くと、またながーくなりそうなので、またにしますが、私も「原作がこう」「作者が言ってる」「役者が言ってる」「歴史的にはこう」「資料だとこう」というのを作品分析の根拠にするのは、どれもそれぞれちがった意味で、とても用心しないといけないと思っています。どれも大変参考にはなることですが、唯一絶対の根拠にはならないと思っています。
たとえば作者や役者の発言は、さまざまな制約もあり事情もあり、作品というものは、作った本人が気づいていないで表現している場合さえある。作られた背景などを簡単に作品と結びつけてしまうのも、すごく危ないと思います。
こんなこと言うの生意気ですが、かがり かなでさんの「トロイ」評は映画を愛したお気持をていねいに客観化されていて、私の騒々しい文章が下品に見えるなあと感じました。
この映画がお好きな方は、どうぞお読みになっていただきたいです。

http://www.bmybox.com/~cinema


意地っ張りの私は      じゅうばこ (2004/08/08-17:55:04) [98]

一度こうと言ったことを変えるのは十年にいっぺんもないのですが、「予告が腹たつから買わない」と決めてたM&CのDVD、仕事に疲れて夜中に明日の朝のためのお漬物と牛乳を買いに入ったコンビニで、棚にあったのを見て、ついふらふらあっと買ってしまいました。

海風さま
私の感想は論理的なんかじゃなくって、悪乗りしてるだけですよー(笑)。「キング・アーサー」、ほんとにちまたで言われてるほど悪いとは思わないんですが。私は大昔見た「ランスロットとギネビア」とかいうきれ~いな多分イギリス映画が頭にあるので(その映画のガウェインが、めっちゃ好きでした)、あれとはまったく色合いのちがった映画だったことが、逆にうれしいのかもしれません。あの映画、何だったのかなあ。きっとビデオにもなってないよなあ。

ここで言う話では全然ないのですが、私は今回のランスロットのキャラも演技も魅力的でしたが、本来だったら、優等生の彼のタイプは、もろ「トロイ」のヘクトルでいいと思っているのです。ああいう完璧な人が不倫と言う最高の罪を犯してしまうところが悲劇的だし面白いわけで。で、ラッセルにアーサーをやってもらって、ヘクトル役の人にランスロットをやってもらって、グィネビアを誰か気品ある絶世の美女(メグ・ライアンとか言ったらぶったたかれますよね。二コール・キッドマンあたりかな)にして、たおやかに、優雅にもともとの通常の伝説でやってくれたら、けっこういい線でまとまりはしないかと…。


[835] うふ… 投稿者:じゅうばこ 投稿日:2004/08/09(Mon) 10:05

じゃ、ハリセンボンを、もっとふくらましちゃおかな…(笑)

かもめさん

アンドロマケとヘクトルについてはね、とてもこの二人が好きなのです。あの最後の厳しさにしてもヘクトルはああいう事務的なせりふを言うことで、逆に自分を支えてるような気までしてしまうの。いや、私が救われてるだけなのだろうか(笑)。この二人についてはまたゆっくり整理して書きます。にしてもサフロン・バロウズはうまいんだろうなあ。

で、前回遠慮した解釈とゆうのはですね。怒らないで聞いて下さい。もうあまりにヘクトルがかわいそうなので、せめて考えついたただの冗談なんだから。
その前にちょっと長話、無駄話。
うちの職場のある部署が、人手不足でもう大変なんです。このままでは絶対その内、大トラブルが起って、職場の全機能が麻痺するぞ!と再三人手や予算や対策を要求してるのですけど、なかなか認めてもらえない。ほんと深刻な状態です。

それが何で認めてもらえないかっつうと、担当者たちが必死で何とか支えてトラブルや大事故を防いでいるから、すっごく問題なく動いているんですよ、システムが一応。で、エライさんやら一般の利用者は「何だかだ言ってちゃんとやれてるじゃん」と安心して、たかをくくってしまってるわけ。
「おのれ~、できることしかほんとにしないで、全機構がたがたにしてやろうか。そうしたら、ここの部署の大切さとか、言ってたことの切実さとか、いくら何でもわかるやろ~」と関係者の会議ではいつも物騒な発言が。

これはまた別の例。ほんとに、比べるのも恐れ多いので、すぐ忘れてほしいのですが、私って何かする時、「今度という今度はもうだめ」「すべてわかってんのよねー、うまく行くはずないんだから」とか言いながらする癖がある。昔、私の指導うけてた若い学生が言いましたもん。「僕は先生が、『あー、多分まちがってるけど』『自信ないけど、こっちかなあ』とか言ってる時は何も心配しません。全面的に信じて安心してついていきます。でも『絶対まちがいない、これしかない!』『ついて来なさい!私は正しい』とか言ったら、大丈夫か?と思って正直ものすごくびびります」って。
先に老母が私の病気を聞かないふりすると言いましたけど、考えてみると、あれも私が年中「足が痛む、帯状疱疹だ」「背中が痛む、肺ガンかも」「血圧が」「糖尿病が」「甲状腺が」と愚痴言っておどかして、そのまま十年も二十年も何とか平気で健康でいるからかも。
だいたい、うちのばあさまという人が三十の頃から死ぬ死ぬと言いつづけて病気がちのまま、九十二まで生きた人なんですよねえ(笑)。

こんな長くていいんでしょうか。不安だから一回切ります。


[836] うさちゃん≒狼少年(ごめん) 投稿者:じゅうばこ 投稿日:2004/08/09(Mon) 10:31

836の続きです。

かもめさん

ふくらまないで、あと少し聞いて下さい(笑)。

プリアモスがあんなに馬鹿みたいにヘクトルの悲観論(正しい分析)を無視するのは、ヘクトルったらこれまで何度も、あの切なげな目で、悲しそうに「今度は勝てません、父上」と言ってたんじゃない?で、父上はびくびくしながら、「でもまあ、ひょっとしたら」とやらせてみたら、いつも見事に勝利しちゃう。「なーんだ、この子、こんな風に言うけど、やらせてみたらできるんじゃないか」という気持ちがどこかにあって…。

あの夜明けの攻撃もパトロクロスのことがなかったら、あるいはあれでもヘクトルがもっと図々しく攻撃をやめなかったら、あの戦い勝利した可能性高いでしょう?トロイが。そしてまた神官がアポロが何とか言って勝ち誇るのよねー。父親は「ほら、ヘクトルはいつも弱気なこと言うが、やらせればちゃんと勝ってくるからのう」とか思ってしまう。

あ、でも、これはこれでかわいそうですよねすごく。自分の職場のことと重ねるとほんと頭に血が上る。負ける、だめだ、と思いながら死に物狂いで努力したら何とかうまくいって、そうしたら回りは「やれるじゃないですかあ!」。くそっ。あ、すみません。

冗談の極致で言っちゃいますと、あの「生前葬」も今まで四回ぐらいはあったんじゃ…そのたび生きて帰ってくるから、皆も「また今度もきっと」とか思っていて。

あー、だめ、なんか笑いながら泣いてしまいそう。

マキシマスの性格を勝手に膨張延長させた妄想で「冬空」って小説を書いた時、私、彼はどんなにつらくても平然と楽々としてるので、運がいいと皆に思われて、その苦しみが理解されない、という悲劇を書いたのだけど、何となく彼にはそういうとこがありそうなのだけど。
これがヘクトルは逆で、「だめです」「負けます」と言って皆を冷や冷やさせながら、でも結局成果を上げるのでこれまた皆が彼の苦しみを過小評価してしまう。それは彼の力を過大評価してるようで、やっぱり過小評価してしまってる、うまく言えないんだけど。

いかん、だんだん妄想モードになってる気がするのでやめますが、要するにがんばる人って、結局どう転んでも周囲には理解されないんですね。ほんとにばてて、消えてしまうまで。
あ、言わなくてもいいことですが、私は今は徹底的にわがままを決め込んで、ふて寝してますから大丈夫です(笑)。

すみませーん、ほんとに冗談ですからねーっ(笑)。


[381] お待たせした割には短いお返事になりそうで、ごめんなさい。 投稿者:じゅうばこ 投稿日:2004/08/07(Sat) 20:38

◇と、言いますのが、夏休みになったら自分の仕事がやっとできるので、やたら忙しくなって、おまけにいつも行く店が夏の間、ごはんを出すのをやめたので、何か月ぶりかに自炊生活。これもなかなか楽しいのですが、それで今、スーパーで買ってきた生物を車に積んだまま。冷房がさめない?内にダッシュして戻らねば…。

◇なのですが、一つお知らせ。
「トロイ」の映画、上映終わってしまいましたが、九州の宗像市のユリックスという文化会館みたいなとこで、9月12日の日曜日、三回上映します。9:30、13:00、16:30で、1200円。席の指定はないけど、満席になったら締め切ると思います。DVD発売前の禁断症状が出る頃かと思うので、お近くの方はどうぞ。音響効果とかはあまりよくないと思いますけどね。

◇ガブリエルさん。
「想定問答」のご感想いただいてありがとうございます。その後また王様がめちゃくちゃ言ってますから、ヘクトルのファンの方を皆敵に回しましたね、多分私は(笑)。でも、一応ざっとは書き上げましたけど、なぜか最後はそこそこハッピーエンドになってるような気がしますので、安心してお読み下さい(無理か)。

この後の展開を読まれても当分は、おまえはサドかと言われそうなのですが、私はこの大王のようなこと、その気になれば誰にでもいくらでもできると思います。もっと私以上にひどいことできる人もいると思いますよ。
でも私は絶対したくありません。多分死ぬまでしないでしょう。
ただ、他人にこういうこと自分がされても大丈夫なための用心に、腕だけは磨いておこうと…(笑)。あ、やっぱり皆さまから引かれそうだ。

でも、くりかえし言いますが、こういう手口使う人いると思うんです世の中に。けっこういくらでも。教育の世界や犯罪の世界やその他もろもろの局面で。
私、自分の回りの若い人たちには特に、そういうのに負けたりだまされたりしてほしくないですね、マジで。そのためには、昔の貴族が毒を少しづつ飲んで毒殺されないよう身体をならしていたとかいうように、この種のテクニックを知っておいてほしい。そのために、この小説を参考にしていただくといいのかも、とちょっとは思ってるかもしれません。


[391] ぼちぼちちびちび小説更新しています。 投稿者:じゅうばこ 投稿日:2004/08/20(Fri) 10:49

◇「想定問答」(「トロイのヘレン」のところに収録。トップページから行けます。しかしいいのか?こんなもの宣伝して。笑)がこんなに早くしあがるとは。いかに私が「トロイ」の映画でアガメムノンが好きだったかをあらためて実感しています。

しかし、オリンピックのおかげか映画のおかげか、トロイア戦争関係の本が書店に並んで、それも特設コーナーかなんかできちゃって、いい時代だよなあ、憲法変えるなんて動きさえなけりゃ。これも「キング・アーサー」の映画のせいか、アーサー王関係の本もどさどさ出ているし。しかし何でもうこんなにいっぺんに出るんだ、金と暇とが追っつかない。

にしても「想定問答」ですが、前に買っていたクイントゥスの「トロイア戦記」など読んでると、こんなもの書いたら私映画や出演者や役柄のファンとか以前に、へクトールやアキレウスの亡霊から殺されそう。

それでもこりずに、今度は一番感情移入しにくい(嫌いじゃないけど)パリスの話でも書こうとしていて、何か書きにくいなあと首をひねっていて、キャラママ(板坂)と話してて、はっと気づいたのですが…「鳩時計文庫」で私たちが書いていた(30年も前です)小説の中で「青い地平線」のサフィアンとか、「A高野球部日誌」の日野弘とか、これはまるっきりパリスの性格でした。あ、もっとひどいかもしれない。
道理で映画見た時に「どこかで見たやつ」と思い、さんざん悪口言われてるのを見て「そんなにひどいか?」と思ってたわけよなあ。

ちなみに二人ともしっかり生きのびます。もう、ああいうキャラはそうなんですよ。何の不思議もなく。古典的に(笑)。
私たち皆パターン人間だから、「鳩時計文庫」の小説って実は古典や児童文学の型を相当きっちり踏襲してます。破格なようで基本的には。上手下手や出来不出来はまったく別として。ということは、あのタイプは古典文学で、文学史で、生き残るようにできてるんですよ、多分きっと。驚いちゃいけない。だから私はあきらめていて、だからあんまり腹がたたなかったのかもなあ。「トロイ」のパリス見て。

でも、そう思ったら、「A高」の田所君と片山君もどこかへクトルやアキレスの面影が。こういう話って似るんでしょうか。キャラママ(板坂)が「授業ノート」の「国文学概論」の「本命・アナ馬・対抗馬」で書いてる図式じゃないけれど。
もしや、鳩時計文庫の前からのファンで作品全部読んでらして、「トロイ」もごらんになった方、「はまるはずだわ」と笑っておられたのかも。
そう言えば「青い地平線」も「吉野の雪」も兄弟の話でもありましたっけ。
アンケートもそこそこいただいてるし、こちらもそろそろ更新しなくてはいけないかなあ。しかし…時間がどこにあるんだ?(笑)


[393] 忙しい忙しいと言いながら。 投稿者:じゅうばこ 投稿日:2004/08/24(Tue) 00:42

◇パリスを描いた小説「守りつづけて」(トップページの「トロイのヘレン」から行けます)を更新してしまいました。いいんですけど、パリスは描けないと言っていた舌の根もかわかない内に、何だか大変ひどいパリスができてしまいつつあります。今日書き込んだ部分なんぞ、ごらんになって激怒される方がたんといらっしゃるのではあるまいか。でもですね、やっぱりどうも、こうとしか考えられないのですよ、私には(笑)。


[396] わあ、レポートは出してくださいよー(笑)。 投稿者:じゅうばこ 投稿日:2004/08/25(Wed) 14:40

◇天空工房さん。
締切厳守の先生と、だいだいこのへんって先生といますから、まちがわないようにね。
あー、でもロックのライブとは、夏らしくていいですね!それはもう音楽の快感はセクシーなものだと思いますよ(笑)。
サイン会でよそよそしかったのは、バンドの人たち演奏できっと燃えつきちゃったのでしょう。

「トロイ」を何度か見たのですが、何ですかオーランド・ブルームとブラッド・ピットがだんだんものすごく演技がうまいのではないかという気がしてきて困りました。あ、困らなくてもいいのですが(笑)。

かがり かなでさんがご自分のサイト↓

http://www.bmybox.com/~cinema/main.html

に、この映画の総括をアップされはじめていて、いちいちうなずくことばかりですが、この映画の脚本はかけねなしによくできていると思う一つがこれなんですよね。エリック・バナについては他の出演作をまだ見る暇がないので比べられないのですが、この映画に関する限り皆さんおっしゃるように最高の演技をしていて、あとの二人も私が見た他の出演作よりもずっといい。これは好みもあるだろうから一概には言えませんが、段違いにうまく役にとけこんで見えます。
主役級の一人ならともかく三人までもがこれだけの演技をしてるっていうのは、よっぽどただならぬ仲のいい関係だったか…という話になるのも無理はないのですが(笑)、これはやはり、脚本がしっかりできていたから俳優がそれだけ役柄をつかめて感情移入がしやすかったんじゃないでしょうか。 とにかくヘクトルはもちろん、アキレスやパリスがどんな瞬間にも、その人物らしい顔しかしてないんですよ。それがすごい。この人たち演じていてきっと自分の役がどういう人間なのか、自分のことみたいにわかっていたとしか思えない。

天空工房さんがヘクトル派とおっしゃるのは、「自分はそっちに近い」なのか「そっちが好き」なのかわかりませんが(笑)、「パリスが絶対憎めない」というのは私もそうなので、よくわかります。でも、それもオーリたん、ですか(笑)彼のあの演技があってこそだと思うので、だんだん後の二人と同じに私、彼もこの先、これ以上の演技ができるか心配になってきた。なに多分とりこし苦労です。

何しろピーター・オトゥールの「アラビアのロレンス」見て以来、何十年も、彼の映画を見るたびに比べちゃいけないと思いつつ、ロレンスの面影から離れられませんでしたからね、今もまだ。これはこれで、けっこうつらいです。

そうそう、ブラッド・ピットのアキレスが「現代風の兄ちゃんに見えてのれなかった」みたいな批判を見るのですが、これもまったく私何が言いたいのかわからないのですよね、あ、この言い方は意地悪なのじゃなく、もともとの意味です。つまり、ほんとに、どういうことが不満だったと言いたいのかが伝わらない。何か、私に理解できる言い方で言ってくれないもんかなあ、と思う。誰でもいいから通訳してよ。

何でこういうこと言うかというと、そもそも話がわかってないので、ずれる反論になると思うけど、「アラビアのロレンス」見ると、オトゥールのロレンスはきれいな金髪をいつも七三にきちっとセットしてて、あれ今見るとちょっと変な感じがする。その昔のエロール・フリンの海賊とかのスタイルもそうだし、西部劇でも「シルバラード」あたりはもう、七十年代以降で正義の味方のガンマンもいやに薄汚いけど、昔はめちゃくちゃこぎれいですよね。

映画ってそういうものでしょ。そもそも3000年前の人の雰囲気だの顔だの誰にわかるもんですか。案外今のアメリカ青年の顔してたかも(笑)。
少なくとも、その当時のそのままの人を再現したら外見でも心理でも、私たちには多分すごくうけいれられにくい。それはそれで面白いかもしれないけど、今作られる多くの映画は過去の再現が目的じゃなく、過去に舞台や設定を借りて、現代に何かをメッセージするものでしょ。それは、いつの時代の文学だってだいたい全部そうじゃないですか。

私は「マスター・アンド・コマンダー」がいかにも当時らしい顔の人集めて、当時そのままの道具や衣装を使って雰囲気を再現したのはすごく好きだし評価する。でも、あの映画はそれを売りにしたんじゃないし、それだけの映画でもない。そうすることで表したいことがあったから、そういう努力や工夫をしたので、だからいいんで、「当時の再現」というのも結局は完全にはできるわけないし、あくまでも何かを表現するためのテクニックの一つにすぎない。だから、それがなきゃだめだとか、それがあればいいということではないと思います。
どんなに当時の再現とか言ったって、結局は「らしさ」でしかない。幻想だし、あくまでも現代の人が作るものは現代のものでしかない。

私は「パイレーツ・オブ・カリビアン」はとことん雑な映画と思ってるし、楽しんでも、はまりはしないのですが、あれでジョニー・デップが演じた海賊はそりゃもう出色でした(笑)。あれは大変現代的なスタイルで、しかも当時の海賊のある面をすごく表現してたと思う。今回のアキレスがバイク飛ばしそうな兄ちゃんに見えても、それと同じで私には全然不自然には感じられない。

だからねえ、多分「現代っぽい」といってブラッド・ピットのアキレスを攻撃する人は、ほんとにそのことじゃなくて、何か別のことを言いたいのじゃないかと思うのですが。そこをわかるように言ってもらえるとなるほどとかも思うのかもしれないけど。

ああ、長くなる長くなる(笑)。

私がこのように、しょせん時代考証なんかしても完璧な再現なんかできないし、文学はその時代時代で言いたいことを人に伝えるのに効果的な程度の雰囲気を出せば充分、などと大ざっぱなこと考えるのは、私にしてもキャラママ(板坂)にしても、自分の専門分野で、古典の注釈つけるのに、食べ物だの乗り物だの住まいだの、山と本や資料をひっくり返して、どれだけどう考証しても結局は完璧にはわからんという限界をひしひしと感じてるからかもしれません。キャラママ(板坂)は何千冊江戸時代の紀行を読んだって、当時の旅とかわかった気がしないと常日頃豪語してますから(笑)。これは私たちの性格や資質もあって、わかられる方もいらっしゃるのだと思います。研究者でも小説家でも。しかし、私たちにはわからない。そして世界や日本の大多数の文学の魅力は私たちは、そういうところの正確さには感じない。これも好みによるのでしょうが。でも、そういうところがまちがっていてもいいかげんでも愛されてきた文学の方が圧倒的に多い気がする。そうじゃない例を見つける方がむずかしいんじゃないでしょうか。

さ、そろそろやめないと仕事が待ってる。
ブラッド・ピットの演技についてももうちょっとほめたかったのですが、またにします。


[400] 台風はぐずぐずしているみたいですね。 投稿者:じゅうばこ 投稿日:2004/08/27(Fri) 17:26

◇少し涼しくなって、おだやかな晴れた空です。
とか言ってたら、ヤフーのニュースにラッセル・クロウがボディガードとけんかして肩にかみついたという報道が。いいよなあ大スターともなると、こんなことでも世界的ニュースになるのか、と皮肉のひとつも言いたくなるぐらい、彼の「野獣」イメージにあう話はメディアは見逃さないのですね。ほんと、ばかばかしい。

私はこの俳優は男性的とか女性的とかでくくれない役者としての幅を持ってくれているのがとても好きなのですが、もう説明してると舌がくたびれるので、「鳩時計文庫コーナー」の「じゅうばこ関連」の「受身の愛」、リンクしてるdaifukuさんのサイトの私の「ラッセル・クロウ論」でもごらんになって下さい。どちらも狂気の沙汰と言われるぐらい長いので、てきとーにツマミ食い、流し読みしていただければ幸いです。

転んでもただは起きたくないので、ちょっとブラッド・ピットの話も。
私はラッセルの「グラディエーター」にはまってた(今もですが)時、知人の一人が「どこがいいのかわからない」と言ったのでむかついて、その方のほめた「ジョー・ブラックをよろしく」は、だから、けっという思いで見てました。やつあたりとは、そんなもんです(笑)。言いたいのはいかに自分の見る目が厳しかったかということで…。

ラッセルという俳優はちょっとやりすぎじゃないかとドキドキしてこっちが恥ずかしくなるほど、表情で語る人で、嫌いな人はそこがいやなのだろうし、好きな人は彼の映画を見たあとは、他の役者さんの顔は皆無表情に見えてくる被害にあいます。私も「グラ」を見まくっていたころ、たしかベン・アフレックの映画を見て(彼は彼で好きなのですが)仮面のように無表情だと思ったものです。
で、ある方がファンサイトで、「トロイ」のブラッド・ピットを見てとても無表情に見えてしまったと書かれているのを見て、やっぱりなあと笑いました。
笑いましたけど、でもブラッド・ピットについては私はこの方の意見とはちがいます。

その「ジョー・ブラックをよろしく」は、先に言った事情で私は冷たい目で見てたのですが、それでもああっと驚いたのは、死神役の時と、最初と最後の人間の青年役の時の明らかな目の色のちがいでした。
まるっきり別人のように使いわけていて、それが演技とも見えないほど自然で、どうしてこういうことができるのかとうなりました。
英国の俳優さんたちも無表情で多くを語りますけど、そういうのともまたちがう。
この人、きれいなのが目についてしまうから、気づかれにくいけどすごい演技をするなあと思いました。私は演技がうまいと言われる俳優さんは実は皆軒並み好きじゃありません。ラッセルが好きなのも、あれは演技がうまいのとは少しちがうと感じています。もっと無器用で、もっと危険なことしてる気がする。
ブラッド・ピットという俳優も、いわゆる演技してるぞ!という暑苦しさではなくて、内面からその人らしさを照らし出す。でも外見のきれいさと重なって、この人これで損するなとも思いました。でもいいの、私が認めてあげるんだから、とも図々しいこと思ったけど。

「トロイ」でもそれを強く感じました。傲慢で、無邪気で、天真爛漫な最初の頃から、ヘクトルとの対決前後の燃え上がる憎しみと絶望の救いのない激しさ、それがプリアモスやブリセイスとの別れの場面では湖のように静かな目になっている。まるでヘクトルの静けさがのりうつったように。
いろんな二次創作もこの間たくさん読ませていただいて、ずいぶん笑いもしたけれど、さまざまな大胆破格なパロディの中に、攻撃的であれ受動的であれ、アキレスのこの性格をどなたもがみごとに捉えておられることに私はほとんど感動しました。初々しい文章、プロとしか思えない練達の描写、いずれでも、書かれる皆さんのアキレスはとても正確と私には思えたし、それはそれだけ俳優の演技がきちんとアキレスという人を表現していたからだと感じます。

◇かがり かなでさん。
上に続けて書きますが(笑)、ラッセルも含めて私がファンになった俳優さんはこれまで、アイドルとかセレブとか言われるような存在じゃなく、だからそういう役者さんやファンの苦労というのはわからなかったのですが…、別のサイトで、「トロイ」がセレブ映画と批判されるのが一番腹が立つ、とおっしゃってたのも、だからすごく新鮮でした(笑)。そんな視点がなかったので。
人それぞれで、私が一番むかつくのは、「思想がない」だの「現代の問題と結びついてない」だの「戦争観や歴史観が不充分」とかいう批判です。だから「グラ」の最初の頃の批評の大半や、「トロイ」の有名雑誌の有名批評家の批評は、したり顔のものほどアホに見えました。自分が見えてないから、ないないと言ってるのは、自分の中の薄っぺらさ、底の無さをさらけ出すことでしかなくて、批評ってほんとに恐いと思いました(だから私は自分が好きじゃなくて感動できなかった映画については、そしてなぜそうなのかがはっきりわかっていなかったら、なかなか語る勇気が持てません。あ、でも…かがりかなでさんの「キング・アーサー」評は批判だけどすっごく面白くて、また映画を見たくなりました。あーゆーのはいいですよねー。笑)。
私自身はどんなアホ映画にも思想や現代との関係や監督の哲学が見えてしまう。そうじゃない映画なんてありません。そういうのが何もない映画を作れたら、それはそれですごいと思う。特に時代ものや歴史もの、戦争ものは、監督の考えが何かないとできないはずで、その考えを批判するのはまだわかるけど、「ない」と批判するのは(「ある」とだけで批判するのも同じだけど)ナマケモノすぎると思う。
えっと、話を戻すと、だから今回ブラッド・ピットの演技がきちんと評価されてないのを見て、そういう人気俳優の苦労を初めて実感しました。ラジー賞なんて言われてますが、私はマジであの演技はオスカーの主演男優賞あげても少しもおかしくないと思っています。

あ、きっとおっしゃりたいこと山ほどおありだとは思いますが、お返事よりも、そちらのサイトの「総括」の方を早くしあげて下さいませ(笑)。楽しみにしていますので。
アンドロマケさんのも、読みました。そうそう!と思いながら。彼女についてはそれでまた私も書きたいことがあるのですが、いくら何でも今日はもう、ここまでにしよう(笑)。


[404] 前言撤回しますので、いつでも気晴らしにおいで下さい。 投稿者:じゅうばこ 投稿日:2004/08/30(Mon) 12:32

◇かがり かなでさん。
「400」みたいなこと書いたあとで、「あー、でもお話が聞きたい、やせがまんしなきゃよかった」ともだえてました(笑)。もちろん、「総括」を進めてほしい気持ちは一番なのですが、そんなに大変なのでしたら、自分の体験からも、気晴らしや気分転換はいいかと思うので(と、理由づけ。笑)、どうぞいつでもいらして下さい。

ラッセルさんの記事ですが、リンクしてるdaifukuさんのファンサイトの掲示板で、「おそらくでっちあげの記事の可能性が強い」と別の方が冷静に書き込まれていました。そういえばそうですね。私も甘いわ。ていうか、私は自分のことでも、微妙あいまいなことで攻撃されると、「やってない」「ちがう」と無実を主張するよりも「やったがどうした」「そのどこがいかん」と言ってしまう方で…ひらきなおるというのかもしれませんが、それとは微妙にちがってるとも思うのですが、なんかそういうことで言いわけしてること自体がすっごく腹が立ってくるのです。あるいはラッセル・クロウという人もそういう傾向があるのかもしれません。で、こういう人間って、もう、たたきたい、ひっかけたい人にはほんとにおいしい餌でしょうねえ。ただ私は彼(知りませんが、多分)よりは性格確実に悪いので、餌にされたら、そいつの胃袋ぐらいは確実にかみ破ってやるのですが(だから誰も食べてものみこんでもくれないのね。しくしく)。

ああ、いかん、今朝もハイだわ。

なんか最近好んで敵を作ってる気がするんですが、言っちゃえ。「デブラ・ウィンガーをさがして」というハリウッドの女優さんたちを大勢インタビューした映画を見たあと、ある批評家の方がシャロン・ストーンが他の女優の名演にすごく嫉妬を感じる、けどすばらしいと降参する、みたいなことを語っているのに対して、本心かしら、これも演技じゃないの?みたいな疑問を言っておられて、私、この方真剣に何か自分の仕事したことあるのかしらとまで思いました、あー、言っちゃった。

あの映画はすべてのドキュメンタリーやルポルタージュがそうであるように、当然一つの目的によって選択構成されてるし、そういう意味では彼女たちの言ってることが、そのまんま真実とは私も思わない。でも、なんかそういう、実もふたもない浅いところで疑いをはさむのは本当に何だかがっくりくる。ちっぽけだなあ、ちんけだなあと思ってしまう。その程度の目で見られてるんじゃ、俳優たちはたまらないなあと同情します。

私は昔ある人から。「あなたの信仰は小説を書くことですね」と言われたことがある。その人がそういうつもりで言ったのかどうか確かめなかったからわからないけど、確かに私がいい人でいよう、立派な生き方をしよう、いやしいことはすまい、自分に嘘はつくまい、などとおのれを規制してるかなり大きな部分は、小説や論文がいやしくなる、みじめったらしくなる、鋭さが消える、ということを恐れるからだと感じます。

音楽でも絵(漫画でも)でも彫刻でも映画でも演技でも、いいものを作ろうと思ったら、自分に嘘はつけません。絶対にそこに自分が反映するから。
だから、それこそブラッド・ピット級の俳優で、演ずる楽しさを知ってる人なら、俳優であることそのものが、最高に自分に厳しく(たとえ世間の常識とちがうことはあっても)道徳的であろうとすることにつながると思う。いいかえれば、そういう人でなかったら、そこまでの存在にはなれません。
私は俳優の私生活にはまったく興味関心はありませんが、そういう点では彼をはじめとした俳優たちの、のどかなほどの立派な人間性は案外本物に近いのだろうと思っています。
いわゆる人格者というのとはまたちょっとちがうのですけどね。

美しさということについてはキャラママ(板坂)が「トロイのヘレン」の授業ノートで書いているように、「恵まれない者」を差別する人や社会は、絶対に「恵まれた者」も差別します。これはもう、60年近く生きてきた私自身が、その割には確信して断言できることがない中で、もう確信して断言できる数少ない方程式です(笑)。

「キング・アーサー」ほんとにていねいに見ておられると感心しました。2ちゃんねるかどこかでどなたかが「考えないで見たら楽しめる。ちょっとでも考えたら負けだ!」と書いておられて思わず吹き出しましたけど、私はそういう点での「勝ち組」だったかと、あれ拝見して反省しているところです。

◇私はこういう感性なので、そもそも同人誌系やらそうでないのやらのサイトの区別もよくつかず、2ちゃんねるもそうですけど、書き込むマナーやルールをまちがって迷惑かけてはいけないと思うのと、今おうかがいしてるサイト以外に書き込みはじめたら領土拡張しすぎてこけたローマや大英帝国の二の舞だと思うのとで、なかなかよそさまのサイトにごあいさつできないでいるのですが、絵でも文章でもほんとに素晴らしい「トロイ」のファンサイトが多く、この方々が私より先に熱がさめてしまわれたらどうしようと、心配で夜も眠れません(笑)。
ここをごらんになっておられる方はそんなにないと思いますが、口づてメールづてにでも、毎日とても楽しく拝見しているし、エールを送りたくてしかたがないのですが、どうかがんばって下さい、ほんとに感謝していますとお伝え下さい。
俳優さんのファンサイトも、それぞれ特色があってとても楽しく、明朗快活率直大胆、華やかお洒落軽やか陽気、落ち着き控えめマイペース余裕、地道玄人熱烈慎重、などなど、さすがといおうかよくもまあ俳優さんたちそれぞれの雰囲気がこうもファンサイトには表れるものかと驚いたり感心したりしています。でも、これも時間がなくてごあいさつはとてもできませんが、すごく楽しませてもらって感謝しています。
まあ私は「グラディエーター」熱もまだ一向にさめておりませんので、「トロイ」熱も当分さめることはないでしょう。まだまだ語りたりておりません。すみません(笑)。

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カツジ猫