掲示板でのおしゃべり2004年11月
[458] スクリーンサイズで鑑賞とは 投稿者:かがり かなで 投稿日:2004/11/02(Tue) 00:11
羨ましいことです。私はぼちぼちと本編をDVDで鑑賞しております。矢張り力を入れて見ているらしく途中で力尽きてギブアップしてしまいました。
字幕本当に変わっていますね。びっくりしました。半分以上変更があるのではないでしょうか。 おおむね吹替え版に近くなっているようです。翻訳的にはかなり分かりやすくなっていますね。
「このセリフ、こっちのキャラに向けての言葉だったの?」とか「こっちの方がしゃれが効いてていいよね」というところもありますが、その代りにキャラ「らしさ」が減ってしまったところも多くがっかりしています。劇場版とDVD版の違いを表にしようかと考えたのですが余りに多いし、いい加減ぬるーく忘れているので放棄しようかと思っています。
アンドロマケのしぐさって、ヘクトルの後をついていくところのことを仰っているのでしょうか?
私はあそこの、服の裾を両手でつまむのではなくて、片手で掴んでいるのが気取っていないというか、いかにも「普通の女性」のような気がしてとても大好きです。
チャット来て頂けるお時間あるでしょうか?あるようでしたらその時間に待機しようかしら、と。今まで書き落としていることが山のようにあるものですから…。(すいません…強引なお誘いをしてしまって。お忙しそうなのに)
さて、うちもようやく「トロイ」の言及も一区切りが着いたので(うそ。DVDが届いたらまた紛糾し始めた)他の作品の感想も上げていきたいと思っています。
「モンスター」良い作品でした。演技的にも、構成的にも。非常に色々考えること得るものが多いです。是非ご覧になって頂いてご意見を聞きたいものです。
http://www.bmybox.com/~cinema
[460] トロイ字幕 投稿者:サヤ 投稿日:2004/11/02(Tue) 12:48
私も劇場版見に行ってきました。
2,3回見ていたにも関らず、セリフは覚えていないんですが、
やっぱり見てて、あれ?字幕もしかして変わってるのかな、って感覚がちょこちょこありました。
でもDVDとも違うようだし、どっちなんだろーと疑問だったんですが やはり変更されてたんですね。
じゅうばこさま セリフ覚えてらっしゃるなんて 良いなーって羨ましいです。
トロイ 長い間見てない間に 自分の中で美化されちゃってるかも、と少しばかり不安だったんですが
やっぱり面白かったのでほっとしました。印象は変わってたりもしましたが。
以前ほど興奮せずに、落ち着いてみることができたと思います。
(でもこの映画って泣けないって思ってたのに、少しばかり泣いちゃったのでびっくりしました。
でも劇場内からも鼻すする音 けっこうそこかしこから聞こえてきて面白かったです。)
アキレスは、夏の公開時には、最強の戦士のイメージで見ていたんですけど、
今回見てみると アキレスはいつも可愛さばかり目について困りました。 パトロクロスやエウドロスに問いかけられたときにちょっと迷って困ったような顔するのとかすごく可愛いです。
そしてエウドロスはおじさんから子犬にイメージ変わりました。
パトロクロスの死を告白しようと佇むときの立ち姿とか、 ヘクトルとの決闘に向かうアキレスのところに、
一緒にいくもん!って感じに乗り込み、わかってはいたけど、ご主人に叱られて ハイ・・て引き下がるとことか ホント可愛い。
アキレスとヘクトルの演説が対比されるシーンで、エウドロスの隣で立ってる兵士さんも、アキレスの演説をすごーく真剣にひきこまれるように聞いてて 可愛くて。
そして今回は、アガメムノンに結構目がいきがちでした。表情とかに目がひかれて。
プリアモスにも以前にはそこまで感じなかった力強さに感心したりの鑑賞でした。
[461] トロイ劇場字幕・記憶に挑戦・第一回 投稿者:じゅうばこ 投稿日:2004/11/02(Tue) 20:23
(1)
今から3200年の昔、幾多の戦いを経てアガメムノンはギリシャの国々を一つにまとめ、残るはテッサリアだけだった。
アガメムノンの弟メネラオスは戦いに疲れ、・・・・・・トロイと和平を結ぼうとしていた。 最強の戦士アキレスはギリシャ軍で戦っていたが、アガメムノンには従順でなく、同盟を脅かす脅威だった。
(2)
「カラスが喜ぶ」
「わしの国から出て行け」
「この国が好きだ。兵士たちも」
「世界を征服はできんぞ。広すぎる。たとえ君にでもだ」
「皆そう言った。アルカディア、メッセニア、今は皆わたしに従ってる」
「もう殺戮は見たくない。互いの最強の戦士を戦わせて決着をつけよう」
「わしの方が勝ったら?」
「テッサリアから撤退する」
「ボアグリアス!」
「アキレス!」
「ボアグリアスが恐いらしい」
「やつをあなどるな」
「王様、アキレスがいません」
「どこだ!」
「探しにやりました」
(3)
「いい夢を見てたのに。とてもいい夢を」
「アガメムノンがあなたを」
「朝になったら話す」
「でも、もう朝です」
「皆が言ってます。あなたの母親は女神だから死なないって」
「だったら盾などいるか」
「あなたの相手は見たこともない大男です。僕なら戦わない」
「それで名を残せるか」
(4)
「遅いな。無礼者め。ムチで打ってやる」
「自分で戦え」
「アキレス。アキレス。彼らを見ろ。・・・・・君の剣でこの戦いを終わらせて、妻子のもとに帰してやれ」
「『王自らは戦わず』。いつもそうだ」
「あらゆる戦士の中であいつが一番きらいだ」
「他に戦う者は?誰かいないのか?」
「何者だ?」
「アキレス。ペレウスの息子」
「覚えておこう。テッサリアの王は、この勺を持つ。おまえの王にゆずる」
「おれの王じゃない」
(5)
「我らは兄弟!」
「友情を!」
「トロイの諸君。今夜が最後の夜だ。ヘレンともども喜んでいる。おたがいに戦いもした。だがスパルタとトロイは堂々と戦った。ヘクトル、パリス、若き王子たちよ。平和を祝って乾杯しよう」
「平和に」
「いけないわ」
「ゆうべもそう言った」
「ゆうべは間違いよ」
「その前の晩も」
「この週は間違いばかり」
「出て行けと?」
「プロポンティス海の真珠だ」
「美しいわ。でもつけられない。夫メネラオスに殺される」
「恐れるな」
「死は恐くない。明日が恐いの。あなたは出帆して、きっともう戻らない。あなたが来るまでの私は亡霊。たとえ歩き、海で泳いでもただの亡霊だった」
「いっしょに行こう」
「からかわないで」
「もし来れば僕らに安らぐ時はない。神々に追われ、人々に呪われる。だが愛してる。この身が燃えつきるまで君を愛する」
(6)
「素晴らしい朝だ。ポセイドンが祝福してる」
「朝には祝福しても昼から荒れることもある」
「僕を愛してる?敵から守ってくれる?」
「おまえが10才の時も父上の馬を盗んでそう言った。今度は何だ?」
「どこだ?神々の父に誓う、言わぬと腹を切り裂くぞ!」
「王様。王妃はトロイ人と逃げました。この漁師が見たと」
「トロイ人?」
「若いパリスです」
「船の用意を」
「帆を下ろせ。スパルタに戻る」
「待ってくれ」
「この愚か者!何ということをした。どれほどこの和平に苦労したか。女を奪って父上の顔にツバをかけた」
「好きなんだ」
「どうせ遊びだろ。商人の妻や神殿の女と恋をして、愛を悟ったと思ってる。祖国への愛は?女のために国を焼く気か?女のために戦争など!」
「聞いてくれ。そうだ。父上にも兄上にも悪いことをした。彼女を国に帰すなら帰せ。でも僕も行く」
「行けば殺される」
「戦って死ぬ」
「まるで英雄きどりだな。戦って死ぬ?人が死ぬのを見たことがあるか?人を殺したことは?おれは殺してる。死ぬ姿も見てる。それは栄光でも詩的でもない。戦って死ぬ?死も知らず愛も知らぬくせに!」
「それでも僕は彼女と行く。助けは求めない」
「もう遅い」
「転針!帆を張れ!トロイへ!」
(7)
「連れ戻す」
「当然だ。美しい女だ」
「連れ戻して、この手でしめ殺す。トロイを焼きつくしてやる」
「おまえが和平を望んだ」
「バカだった」
「平和は女と弱者のものだ。帝国は剣できたえられる」
「兄貴とは常に共に戦ってきた。兄が栄光を得るのは世の習いだ。おれが報酬を求めたことがあるか?」
「ない。おまえは名誉を重んじる」
「おれと戦ってくれ」
「弟の嫁は愚かだと思っていたが、今回はとても役にたってくれた」
「トロイは今まで一度も陥落したことがありません」
「老いぼれプリアモスめ、高い城壁で安心してる。アポロン神に守られていると。トロイが滅びれば私がエーゲ海を支配する」
「ヘクトルの軍は東エーゲ海一です」
「なら、最強の軍隊で攻撃だ。ギリシャ全土に使者を」
「あとひとつ。アキレスと彼の部隊が必要です」
「やつは制御できん。我々に刃を向けるかも」
「ただ解き放てばいいのです。彼は殺すために生まれてきた」
「ああ、天賦の殺し屋だ。だが私のすべてをおびやかす。バラバラだったギリシャの各国をわたしがひとつにまとめあげた。わたしが未来を作ったのだ。アキレスは古い。一匹狼で忠誠を誓う国も持たない」
「彼のおかげでどれだけ勝利を?今度はかつてない大戦争ですぞ。最強の戦士が必要です」
「口説ける男は一人だけだ」
[462] さっきつい思い出してみようとしてみたら、 投稿者:じゅうばこ 投稿日:2004/11/02(Tue) 20:50
◇けっこう忘れてて、自分でショック。しかもあろうことかヘクトルがらみの熱心に見てたとこほど覚えてないのが判明。字幕みないで画面に見とれてたのがばればれ(笑)。
記憶のあいまいなとこは・・・にしてますが、書いた分でもあちこち怪しい。皆さま、訂正補充して下さい。初めての方、これっきりにしたい方、ごあいさつとかなさらなくても「ここはこう!」とだけ書き込んでいただければありがたいです。
1時間ぐらいでちゃっちゃっと仕上がるとたかくくってたら、案外時間がかかるなこれ。今夜中には無理だろか。ひゃああ、仕事は山積みだっちゅうのに。それで、これを仕上げるまでには、記憶が混乱しないようにDVDは見まいとしてる私。バカだなあ、と自分でも唖然とする。
◇かがり かなでさん。
またちょこっとだけ。
アンドロマケ、そこもなんですが、たとえば夫とのキスにしても、ちょっと唇を合わせてあとは頭をぎゅっと抱くとか、鼻をくっつけた後で唇をよせるとか、何というかもう夫の身体をようく知ってる日常性が見えるんですね。秋津さんが二人のキスシーンがちっともエロくないと言われたのは、その点すごく納得いきます。
何でこんな例え思いつくか自分でも罰当たりと思うんですが、田辺聖子さんに「女の長風呂」ってエッセイ集があって、そのタイトルになったエッセイは銭湯で女性がええっとその自分のかくしどころを洗う時、60代とかのおばあさんは「どうちゅうことない」と淡々と洗うし、若い女性は何かやっぱりそそくさと恥ずかしげに、そういうとこに自分で触れるのも恐いという風情がどこかにあるような洗い方をする。で、30、40代の女性は、こう使い慣れた武器を手入れするように、ゆうゆうと落ち着いて堂々とじっくりと洗う、みたいな文章があって、あーもう何を言おうとしてるんだか、それと同じとか似てるとかそんな恐いこと言いませんけど、アンドロマケのラブシーンには何かそういう余裕と熟練と安定が漂うんですよね。もう、この夫婦の夜の生活がありありとわかるような、って実際には何もわからないし想像もできやしないのですけど、まるでわかったような気持ちにさせる、そういう…いかん、何を言おうとどつぼにはまりそうだから、もうやめておこう。とにかく、そういう、いい意味での主婦らしさがあふれていて、私この妻の描写は最高に好きです。(で、どこがちょっとだ)
◇サヤさん。
エウドロスは見るたびよくなります。ヘクトルがアンドロマケで存在感増してるように、アキレスもエウドロスに、ずいぶんイメージ鮮やかにしてもらってますよね。この人自身、とてもきれいな顔しているし、それを目立たせないのもすごい。あらゆる場面で何を感じてるかはっきり伝わってくるし。
おっしゃるように、パトロクロスの死を告げようとアキレスのテントの前に来た時の孤影蕭然とした立ち姿など、ほんとにもう、絵のようです。あそこも、パトロクロスの火葬の場もそうなのですが、打ち寄せてくる白い波がまるで計算されたようで。
[463] 明日は休日 投稿者:キャラママ(板坂) 投稿日:2004/11/02(Tue) 21:16
◎しかも文化の日。思いきり自分の仕事をしようと思っていましたら、またもいろいろ問題が起こりはじめているような。
まあ、ともあれ、明日は仕事をかたづけないと。
この数日、月がきれいで、中のうさぎもよく見えました。
情報セキュリティ委員会も発足し、いろいろと忙しいながら前向きに進んでいるようで、少し安心しています。
しかし、町に出てみると、もうどの店もディスプレイはクリスマス一色。そろそろ年賀状も注文しないと。あわただしいことです。
涼しくなると猫たちも俄然よく食べ始めて、かんづめ代だけで破産しそうな毎日。アメリカでは大統領選が始まり、イラクでは人質の方が殺され、それでもあそこは戦闘地域ではないということで、まったくやりきれない気がします。
[464] トロイ劇場字幕・記憶に挑戦・第二回 投稿者:じゅうばこ 投稿日:2004/11/02(Tue) 22:14
(8)
「恐い?」
「動けまい」
「剣は持ちかえるなと」
「ああ、技を覚えたらあとは好きにしろ」
「この歓迎は伝説になるぞ」
「従弟のパトロクロス。イタケーの王オデュセウスだ」
「パトロクロス、ご両親はよく存じ上げてる。残念だった。今はこいつが世話係か。アキレスから学べるとは。王たちもうらやむ栄誉だ」
「アガメムノンの使いか?」
「少し話そう」
「やつの戦いなら断る」
「やつじゃない、ギリシャのだ」
「皆、戦いに飽きたか」
「トロイと戦う」
「トロイに恨みはない」
「ギリシャを侮辱した」
「女房を寝取られた男などおれに関係ない」
「アガメムノンは・・・」
「やつには誇りがない」
「アキレスは名誉、アガメムノンは権力。どちらをめでたもうかは神々の思し召しだ」
「・・・おれのために戦え。君といると妻が安心する。おれもだ」
「ヘクトルは噂通りの男?」
「トロイ最強の戦士だ。ギリシャ一だという噂も。従弟が来なくても君は来てくれるな?君は腕がたつ」
「従弟を罠にかけるな」
「君は剣、おれは策士。神々のたまものだ。三日でトロイに着く。大船団を繰り出す。この戦いは歴史に残る。加わった者たちの名も」
「使いが来たのね。あなたが生まれる前からわかってた。トロイで戦えと。貝の首飾りを作っていたのよ。昔あなたにも作ったわ」
「母上。今夜決める」
「ラリサにとどまれば、きっと素晴らしい女性にも出会う。子どもにも孫にも愛される。子どもが死に、孫が死ぬと、あなたの名は忘れられる。トロイに行けば栄光が手に入る。あなたの戦いは千年も語り継がれ、あなたの名は歴史に残る。でもトロイに行けば、もう帰っては来ない。あなたの栄光は『死』と・・・・だから。もう会えないわ」
(9)
「息子よ」
「パリス」
「父上。ヘレンです」
「スパルタのか」
「トロイのです」
「美しいと聞いていたが、噂の通りだ。さあ、疲れただろ」
「見せたいものが」
「大きくなった」
「パリス!」
「かわいい従妹、月ごとに美しくなる」
「アポロに仕えてる?」
「ブリセウスが巫女になって、青年たちはがっかりだ」
「父上。ゆゆしき事態を招きまして」
「これも神々の思し召しだ。すべては・・・・・になる。だが、なぜ許した?」
「メネラオスと戦えば弟は死んでます」
「メネラオスに使者を送れ」
「門前でクシ刺しですよ」
「ではどうする?」
「彼女を船で送り返すのです」
「パリスは恋多き若者だが、今回はちがう。何かが変わった。彼女を送り返せば、彼は追って行く」
「ここは私の国です。国民を弟の歓びのために犠牲にはできません。敵はメネラオスだけではない。アガメムノンも来ます。彼は我々をつぶしたがってる」
「何世紀にわたる敵の攻撃にわが城壁は耐えておる」
「父上。今度は勝てません」
「太陽神がついている」
「太陽神に軍隊が?」
「神をあざけるな」
「追ってくるわ。大軍が風に乗って」
「逃げよう。厩に行って二頭の馬でここを出よう。食べ物はシカやウサギを狩る」
「ここはおうちよ」
「君も家を捨てた」
「スパルタに未練はないの。16の時嫁がされたけど、あそこはうちじゃなかった。・・・」
「・・・召使いもいらない・・・僕は土地に詳しい・・・」
「彼を知らないのよ。彼の兄も。トロイ中の家を焼きつくすわ。逃げたなんて信じない。たとえ信じても仕返しのため焼く。・・・」
「じゃ見つかってやる。大声で『彼女は僕のものだ』と」
「あなたは若いわ」
(10)
「テクトン!アポロの守備隊は?」
「門の前で待機してます」
「すぐ行く。リュサンドロス!兵はいつそろう?」
「・・・・・・」
「いつだ?」
「昼です」
「急げ」
「あの黒い帆。アキレスです」
「あのバカが。50人でトロイを襲う気か」
「ご主人さま。皆を待ちますか?」
「戦いに来たんだろ?」
「・・・・・・」
「そうだ。アガメムノンには彼の部下がいる」
「トロイ人!私には一つの信念がある。それは単純だ。神を敬い、妻を愛し、国を守れ。トロイは我々の母だ。母を守れ!」
「パトロクロス!槍をおけ」
「僕も戦う」
「いい腕だ。だがまだ早い」
「あんたに教わった」
「見ろ。あの戦士たちを。互いに血を流してきた。おまえは船を守れ。おまえがいると気になって戦えない。船を守れ」
「ミュルミドン、剣の兄弟たち。おれは大軍よりおまえたちを選ぶ。見ろ、かなたの浜辺にあるものは、永遠の栄光だ。つかめ、その手に!」
「陣形を!」
「まだだ」
「今だ。散れ!」
「あれを見ろ」
「うすのろめ!さっさと漕げ!仲間を死なせるな!」
「あそこを援護しろ。来い」
「ご主人様。ひと言よろしいですか」
「何だ」
「アポロはすべてお見通しです。怒らせない方が」
「皆を呼べ。待て」
「一人とは勇者か、愚か者か。ヘクトルだな。おれの名を?」
「罪のない神官を。戦え!」
「見物人もないのに殺してもつまらん」
「なぜ来た?」
「この戦いは歴史に残る。千年後も語り伝えられる」
「千年後には骨すら残ってない」
「そうだ。だが名は残る」
「帰れ、王子。ワインを飲んで、妻を愛せ。明日、戦いをしよう」
「まるで戦いが遊びだな。どれだけの妻が帰らぬ夫を待ってると思う?」
「弟に慰めさせろ。人妻と寝るのは得意だろ?」
「行かせるのですか?」
「あわてるな。相手は王子だ」
※わー、だめー、もうよれよれ。台詞どころか、場面転換も覚えてないわ。何見てたんだ…今夜はもう帰ります。少し時間かけたらもうちょっと思い出せるかも…無理か?とにかく最後までやってみます。ちがう!と見ててイライラしてる皆さん、つっくづく、ごめんなさい!
[465] トロイ劇場字幕・記憶に挑戦・第三回 投稿者:じゅうばこ 投稿日:2004/11/02(Tue) 23:16
(11)
「アキレス!」
「アイアス」
「神の如く無敵だな。ともに戦えて光栄だ」
「今ごろ現れたか」
「緒戦よりも最後を飾る」
「ご主人様、お見せしたいものが。神殿に隠れてました。この娘を相手にお楽しみを」
「名前は?」
「神官を殺したわね」
「おれは殺してない」
「部下たちが。きっと天罰が下る」
「いつかな?」
「きっと下る」
「神官は殺され巫女は捕まった。神はおれを恐れてる」
「バカな人殺しに神さまのことはわからない」
「神官たちよりも知ってる。この目で見た。王家の者だな。男を見下して話す。間違いない」
「何をしに来たの?王妃のため?」
「男は常に『もっと』を望む。名は?巫女にも名はあるだろ?」
「ブリセウス」
「ブリセウス。恐いか」
「何が?」
「ご主人様。アガメムノンが顔を出せと」
「すぐ行く。今日はよくやった」
「どうも」
「おれを恐れなくていい。トロイで、おまえだけは」
「・・・・・・勝利の贈り物です」
「ありがとう。明日はトロイを真先に歩いてもらう」
「父ナレウスが勝利を祝って作ったツボです」
「・・・・・・明日はトロイの庭で食事をしよう」
「行け」
「戦いは若者が死に、老人が語る。いいな。政治は忘れろ」
「大勝利でしたね」
「わかったか。朝にはプリアモスの浜辺が昼にはわたしのものだ」
「砂に興味はない」
「ああ。おまえは名誉を得るために来た。だが、王たちがひざまずいたのはお前にではない」
「王たちは遠くにいた。戦ったのは兵士だ」
「兵士は歴史には残らない。明日トロイを占領する。国中に記念碑をたててアガメムノンの名を刻んでやる。神殿を掠奪したろ?」
「宝物がほしけりゃやる。あんたの・・・に、どうぞ」
「もうもらった。アファレウス!ヒーモン!略奪品だ」
「彼女を放さなければ無事国に帰れんぞ」
「衛兵!」
「やめて!もう山ほど人が死んだ。殺すしか能がないの?ごめんだわ」
「天下のアキレスが奴隷女に黙らされた。今夜女を風呂に入れ、それから…」
「薄汚い!おれが死ぬ前に、おまえの屍に笑ってやる」
(12)
「・・・・・トロイ最強の兵士と敵の最強の兵士を戦わせよう」
「敵の戦士は我々の二倍だ」
「グラウコス、おまえは40年来の戦友だ。この戦いは勝てるか?」
「城壁は・・・・です。射手隊は世界一、ヘクトルもいます。・・・・」
「今日、二人の農夫に会いました。彼らは鳥が蛇をつかんで飛ぶのを見ました。この戦いは勝利します」
「鳥の合図か。鳥の合図で・・・・を決めるのか」
「ヘクトル。無礼だぞ。神官長は神々のしもべだ」
「私はトロイのしもべです。神々はうやまってます。だが今日、アポロ神殿を・・・敵を神は罰しなかった。神々はこの戦いはしない」
「・・・・・これは国と国の戦いではない。二人の男の戦いだ。僕のせいで民が死ぬなんて」
「パリス」
「明日、メネラオスに挑戦します。勝者が彼女を得る。敗者は夜明け前に焼かれます」
「父上、心配かけてすみません」
「彼女を愛しているのか」
「父上はトロイを愛している。木の葉の一枚、川の石ころまで。僕もヘレンを」
「わしはたくさんの戦いをしてきた。権力や・・・・のために。しかし愛のためのたたかいに勝るものはない。だが戦うのはわしではない」
「トロイの剣」
「・・・・・トロイ人が持つ限り、トロイは滅びぬ。明日はこれを使え」
「神殿で会った男、すごいヤリを投げた。人間のわざではない」
「明日は戦わないで」
「戦うのはパリスだ」
「5万の兵士がただ彼の戦いを見るために海を渡る?」
「将軍になれるな」
「あなたはこれまでずっと戦ってきた。誰かにかわって」
「戦いたくはない。息子の成長を見たい。乙女たちに追われる姿を」
「死んではいや。生きていけないわ」
「パリスと話さねば」
「待て。待て!ヘレン、何してる?」
「火葬を見たの。あんなにたくさん死んで。私のせいよ。そうでしょ?夫をなくした妻たちの悲鳴がまだ聞こえる。私のせいで皆が死んだ。船に戻ります」
「いけない」
「メネラオスのもとへ」
「今さら遅い。なぜアガメムノンが来た?目的は権力だ。愛ではない。あなたはトロイの王女だ。今宵こそ、弟のそばに」
(13)
「ご主人様。進軍がはじまりました」
「我々は行かぬ」
「でも」
「アガメムノンなど知るか」
「わかりました」
「戦う準備はできたか?人を殺す用意は?」
「ああ」
「殺した男たちが夢の中に現れる。黄泉の川の向こうでおれを待ってる。おまえになぜ戦うのか教えてない」
「あんたのために」
「おれが死んだら?兵士は名も知らぬ王に『死ね』と言われて死ぬ」
「命令だから」
「バカの命令では死ぬな」
「ご出陣!」
「どうしても戦うのか?」
「僕のせいだから」
「ヘレン。座りなさい」
「城壁に隠れてないのは感心だな。愚かだが勇敢だ」
「君たちは招いていない。船で帰れ」
「はるばる来た、王子」
「王子?何が王子だ。どこの王子が酒や食事の歓待をうけ、夜中に人妻をさらって逃げる?」
「彼女は昼に去った」
「あいつは上で見てるだろ。死ぬ姿を見せてやる」
「まだだ。見ろ、ヘクトル。ギリシャの全軍が、この浜にいる」
「まだトロイを救える」
「・・・・まずヘレンを弟に返せ。次にトロイはわが国に従い、わたしのもとで戦うのだ」
「この軍勢を見て震えろと?なるほど。5万の兵士が一人の欲のために戦わされるか」
「ことばに気をつけろ。情けにも限りがある」
「情けなどけっこうだ。いいか。トロイの民は他国には従わない」
「ではトロイの民はすべて死ぬ」
「待ってくれ。ヘレンを愛している。あんたもあきらめまい。二人で戦って勝者がヘレンを」
「勇敢だが、それではだめだ」
「やつを殺させろ」
「目当てはおまえの妃じゃない。このトロイを奪うのだ」
「・・・・・やつめ、侮辱しおって。殺させろ。それから国を取ればいい」
「申し出を受けよう。今夜はおまえの骨に乾杯だ」
※えーと、何かがぱっと飛ばしてるような気がするし、だんだん勝手に作ってる気もするし。平にご容赦。その内にもう一度ちゃんと見て直します。最近まったく字幕見ないで聞いてたので、英語の台詞とごっちゃになるし、もう知らない。さて、今度こそ帰ります!
[466] 取り急ぎ 投稿者:かがり かなで 投稿日:2004/11/03(Wed) 03:36
すいません…我侭に答えていただいて…恐縮です。土曜日の夜10時ごろお願いできたら幸いです。
うちの師匠にもお伺いを立てたらとても乗り気なので、週末を楽しみにしたいと思います。
「スパルタに未練はないの。」はひょっとかしたら吹替えで言っていたように思うのですが気のせいだったでしょうか?
ちなみにパリスはDVDでまさしくそのとおりになっていて、がっかりしました。
記憶力に脱帽!です。でも一時間では絶対終わらないですよう(苦笑)
こんなことをして頂いたからにはきちんと形にした方がいいですね…。
ちょこちょこ私の記憶と違うところがあります。自信がないので記憶のすりあわせをしてまとめてみます。
ちなみに冒頭の「人は”永遠”にあこがれる。そこで皆思う。〔我々のしたことを覚えていてくれるだろうか、死んだ後も名が残るだろうか、〕如何に激しく戦い、如何に激しく愛したかを」がまるっとぬけていますよ。〔 〕は自信なし。
メネラウスのプリアモスに対する言及と乾杯の「狼は森に、〔妻は床に〕」がないです。
「転針!帆を張れ!トロイへ!」は「トロイへ!」がヘクトルのセリフで、テクトン?の号令が入っていたと思います。
「彼らは鳥が蛇をつかんで飛ぶのを見ました。」は「彼らは蛇をつかんで鳥が飛ぶのを見ました」です。
…ううまだあるけど今回はこれにて。明日私も書き出してみます。
http://www.bmybox.com/~cinema
[467] あーらまあ、あの名台詞を二つまで抜かすとは(笑)。 投稿者:じゅうばこ 投稿日:2004/11/03(Wed) 18:18
◇かがり かなでさん。
ファンの風上にもおけませんね。
これ、長くなりそうなので、掲示板じゃなく別にページを作ろうかって思ってます。
「スパルタに未練はないの」は文字で見た記憶があるのですよ。それも数回。でも今上映してるのはちがうし、もう確かめようがないなあ。
土曜の夜、ありがとうございます。楽しみです。その時に全力投球できるよう、それまでせいぜい仕事します。
◇サヤさん。(追加です)
プリアモスなんですが、アキレスがブリセイスを何であの時トロイに返すのかは、かがり かなでさんも書いておられるし、私もとても自然に納得いくのですが(最後に救いに行くのも含めて)、映画をまた見てあらためて気づいたのは、あそこの流れはヘクトルを失って悲しむ老王が「死んだと思ってた」と喜ぶ姪を、せめてヘクトルのかわりに持ってってもらう、という気分もありますね。言い方はうまくないけれど。
これも言い方はうまくないのですが、ヘクトルとブリセイスは「二人で一人」「トロイがアキレスに人間として姿をあらわす二つの顔を持った一人」みたいなところがあって、仮に前衛的な演劇とかでやる場合なら、一人の役者が演じてもいい役だと思うくらいです。そういう意味で、あそこではブリセイスはヘクトルでもあるんだと見ていて感じます。これは、やおい文学を書く方々には豊富な材料を提供する発想だろうし(笑)、別にそれでもいいんですが、そういうことと関係なくても、あの二人はアキレスにとって、そういう存在なのだと思います。
[473] その50人に 投稿者:キャラママ(板坂) 投稿日:2004/11/05(Fri) 23:39
◎H.A.さん
私たちが「死ぬまでにしあげる仕事」の中に入れてるのが「散文家たち」と「水の王子」の完成です。どちらも「今なら書ける」と作者は思っているのですが、そういう時は時間がなくて・・・くやしいです、マジで。
米大統領選では、私の周囲のあまりふだんそんなこと話さないまじめな先生方が今日ぼそぼそと「まったくもう」「大量破壊兵器がないとなると、フセインを拘束したのがよかったとか平気で論理をすりかえるのだから」「原理主義どうしの対決というのも困ったものだ」などと眉をひそめて話しておられて、まだちょっと世界にはまともな部分も残っているかと思いました。
ブッシュ再選が決まった直後、ホワイトハウスの前で50人ほどの人たちが抗議の集会をしたというニュースにある衝撃をうけました。自分もそういう人たちのようになりたい、そうでありたいと心から願いました。
鳩時計文庫で書いたこと、書こうとしたことが、今ますます自分たちの中で鮮明になっているのを感じています。今年は無理でも来年の目標の一番は、この全作品のアップでしょうね。じゅうばこが最近書いている小説にも、その流れが続いているのをはっきり感じます。本人はどう思ってるか知りませんが。(笑)
新撰組のドラマ、私はまったく見る暇がなかったのですが、たしかに連合赤軍などと共通する面が多いですね。思想と行動が緊密に結びつく集団は、そうなりがちな危険をいつも持ってるのかもしれません。
これは、じゅうばことも話したことですが、2ちゃんねるの映画の感想の中で、「戦争で戦って人を殺すのも、消防士や警官と同じで仕事を熱心にまじめにするという意味では評価していいのでは」という趣旨の発言があり、大変感無量でした。
じゅうばこは最近、やおいや同人誌と言われるサイトによく立ち入っていて、そこで、(爆)とか(闇笑)などという表記を見つけては、わからないなりに面白がっていたのですが、上記の発言を読んだ時はまさに(闇爆)とでも言ったらこういう時の気分にぴったりなんだろうな、と申しておりました。
この発言をされた方の感覚は簡単に否定したり笑ったりできないところもあり、たとえば「真空地帯」や「神聖喜劇」、あるいは「キャッチ22」などの戦争小説の中の「まじめな優等生の兵士」をどう描くか、という問題にも関わるのですが、それはまたさておくとして、少なくとも、この考え方で行くのなら、殺人犯やレイプ犯も自分の欲望を達成するため必死に努力したという点で評価すべき、とまでは行かないにしても、テロリストは絶対に肯定評価しなくてはならないでしょう。彼らは自分の信念や心情のため、命まで捨てて真剣に目的を達成しようとするのですから。国家という枠ではないにせよ、仲間や組織もきちんとあるのですから。
今日、そのぼそぼそ話していた先生たちとも言ったのですが、大正時代の文学者、いや多くの時代の文学者はテロリストを身近なものとして共感を寄せてさえいます。そういう文化や文学をやはり知った上で伝えた上で、なおかつ私はテロを否定したいし、戦争も否定したい。自分が直接知らない人を何かの理由で殺すことを。
[475] 昨夜はお疲れ様でした。 投稿者:かがり かなで 投稿日:2004/11/07(Sun) 10:34
猫にとびかかられませんでしたでしょうか(笑)
アレからまた一寸電話して「コラテラル」の話をしようとして「トロイ」の話をしましたが寝たらすっかり何を話したか忘れました。
いい加減語ることも無いかと思っていたのですが皆様とお話しすると、いろいろとつべこべのネタが貯まってくるので大変です。
「天才ゆえの傲慢」は大体私はあのような感じで、アキレスはは確かに生まれつき優れた戦闘能力があるという意味では天才なのですが、戦闘能力があるからという理由でおごり高ぶっているわけではないので彼は「天才ゆえの傲慢」ではないと感じるのです。
どちらかと言えば、アガメムノンの方が「権力ゆえの傲慢」でおごり高ぶるので、これに通じるものがあると思います。
「許し」「あきらめ」「期待」「傲慢」「優しさ」の見解は是非じゅうばこ様のご意見を聞きたいところです。「小公女セーラ」は今でも時々読み返す大好きなお話です。傲慢な理屈も、下層の立場から行うと不屈の精神になるのかしら?あ、だからミンチン先生はセーラが嫌いなんですね。アガメムノンとアキレスが互いを嫌いなように。
そうそう、私がパリスについて怒るのはやっぱり「あきらめてないから」です。と言うよりもあの思考回路が過去の自分に似ているからかもしれません。
http://www.bmybox.com/~cinema/
[476] 昨夜はほんとに楽しかったです。 投稿者:じゅうばこ 投稿日:2004/11/07(Sun) 21:15
◇かがり かなでさん。
まったく「たたけばほこりが出る」じゃないけど、語ればいくらでも語れる映画ですね。
ゆうべほど長くは無理ですけど、ちょくちょく定例化してやりたいぐらいです、「朝まで生トロ」(笑)。あ、ではなくて、「ちょっと一口トロイ」か。天才といってもきっと、さまざまなタイプがあるので、ひとつにはくくれないのでしょうが…アキレスは天才と言われる人によくある「屈折」というのがないのが、とても私は心地よいです。そして、それは自然にではなく、彼が心がけて努力している結果のように見えるのがいじらしいです。何でそう思うのかな、これは妄想だろうか。
そう思うひとつは、アガメムノンへの敵対心ですかね。かがり かなでさんのパリスへの思いじゃないけど、アキレスはやはりアガメムノンが「よくわかる」から嫌いなのじゃないかと思う時があります。でも、その一方で「わかってないで(アガメムノンを)傷つけてる」時も多いような気もしますけど(笑)。
あそこで「グラディエーター」の話をしている暇はなかったのですが、私はいつもマキシマスという人の中にはアキレスとヘクトルがどちらもいるなと感じます。そしてコモドゥスという人の人格が、もう「トロイ」の世界にはまったくないのがすごいとも。
と、いう風にまたとまらなくなるので、今夜はこれで。ほんとにお世話になりました。チャットをちゃんとやったの私初めてなので、いろいろご迷惑をかけたかもしれません。でも、とても楽しかったし有益でもありました。参加された皆様、どうもありがとうございました。
あとひとつ、ふたつ。
「小公女セーラ」私も好きです。
それと「トロイ」を見るたびアガメムノンが好きになって、もうとまりません(笑)。俳優さんもうまいけれど、せりふや設定も、この役をただの悪役でなく、ちゃんと彼なりの言い分と立場をがっしり作ってくれているのが、この映画、ほんとに感動します。
それにしても、この映画をきらいな人で、悪口をきちんと言ってくれてるのをなかなか見つけられないので、そろそろ自分で言ってみようかと思い始めているのですが(笑)、それもまた今度に。
[478] 再トロイ 投稿者:サヤ 投稿日:2004/11/08(Mon) 19:35
なんだかアキレスに魅入られています。
夏公開時には、群像劇として見ていたトロイでしたが、改めて見てみるとアキレスの為の映画としか思えませんでした。
それくらいアキレスの印象が強かった。
アキレスって、天才なんだけど、傲慢な所がない。自分が人とは違うってことはちゃんと分かってて、
その能力は無駄にしないように心がけてるところとかエライな、と思います。
そして特別な能力があるがゆえに、無防備にもなれるのか すごく素直で可愛いです。 人に質問されたときにも真面目に答えようとするけど、オデュッセウスに、なんでアガメムノンに従う? なんて、子供みたいに問うところが好きです。
元々回りから浮き立っている感じではあったアキレスが、パトロクロスが死んだあとには本当に本当に孤独なところに行ってしまって、それがいつ見ても悲しいと思わされます。
アガメムノンも前から可愛くて好きでしたが、彼の表情には本当に引き付けられました。以前はお茶目だなあと思っていた顔つきや瞳も、どこか切ない感じを宿してるようにも見えるようになって、色んなことをいっぺんにコレだけ表現できちゃうなんてスゴイと思います。
じゅうばこ様の トロイの悪口 聞きたいです。
[471]の同性愛者の結婚とか中絶とかに反対する勢力とか中絶手術を行う診療所の焼き討ちとかって、やはり宗教がらみなんでしょうか。何を信じるかは自由だろうけど、それによって人を平気で傷つけるとかの結果につながるというのは嫌ですね。今年になってから日本てこんな嫌なところだったとショックをうけるような事が何度かあります。
イラクの人質事件のときにも、アメリカに追従はするけど、自分とこの国の個人は平気で非難するし国民を守ろうともしない政府を批判するのでなく、逆に被害者を責めるような空気がまかり通って許されたりとか。
誰だって何処にでも行く権利あると思います。自分の命なんだから 他人がとやかく言うことではない。
アメリカって(国自体には)単純で傲慢なイメージがありましたが、日本は、奇妙にねじれて訳のわからない反応する所だなーって思いました。
[479] こちらの映画館では「トロイ」は今日が見納めでした。 投稿者:じゅうばこ 投稿日:2004/11/09(Tue) 23:34
◇サヤさん。
数回行ったのですが、今日も含めて何回も20分ぐらい前に「座席完売」になってました。「上映延長したらもうかるよ」とアドバイスしたかったです。でもそうすると私も仕事にさしつかえるしなあ(笑)。
ここの映画館、前に「太陽と月にそむいて」を見た時も、通路にあふれてぎっしりで床に座って見た記憶があるのですが、最近の映画館の流行で、座席完売したら入れないようにしてるみたい。私なら満席だったら「床に座って見るから入れろ」とねばりそうですが。
で、今日の最終回も満員でした。見直すたびに、いろんな意味でうまさにうなります。
私のいちゃもんはね、アキレスの「名を残したい」という情熱、欲望がいまひとつ何だか私の中で整理できないんです。これは私のうけとめ方がたりないんだか、まずいんだかかもしれません。
アキレスには、ものほしげなとこ、いやしいとこがまったくありません。人にこびるとこもないし、体面やなんかにもこだわらない。この人、人にバカにされても、されたことに数日後まで気づかないんじゃないかと思うぐらいです。
その彼が「名を残したい」っていう時、それはどういうものなのかなあと思うのです。これをちゃんとつかんでないと、私、解釈でも小説でもこけるぞ、と(笑)。
何となく、ちゃんと描かれているのに私がわかってないだけのような気もします。誰か説明して(笑)。
名声を求める人って、誰かの気に入られたいとか皆にちやほやされたいっていう、私に言わせりゃはた迷惑な淋しがりやが多いんですが、アキレスはとても淋しい感情を感じる人だし、実際淋しい人だけど、でも淋しがりやではないですね。そこが私はほんとに好きです。
これは誰にでもやさしいヘクトルが、そういう人にありがちな冷たいとか疲れてるとかいうことがまったくと言っていいほどないのと、いい対照で、この映画はそういうところでも、すごく面白い人間造型をしてると思います。安易な型に人をはめてない。俳優たちの力量もむろんあるけど、やはり監督や脚本の力と思う。
サヤさんもおっしゃるように、これはアキレスの映画と思う。あと、しいて言えばパリスの映画(笑)。この二人の成長変化を描くために、他の人たちはすごく見事に配置されて最高の仕事をしてると思います。
何度も見てると、カラスが妙にいいところで飛ぶなあ、あれもCGかしらん、とか、ブリセイスをレイプしようとしてた兵士たちって「スパルタの奴隷になれ」とか言ってるからにはメネラオスの部下だな、それじゃへクトルにあんなことされた後じゃ、トロイの女をこうしたくもなるよな、とか、いろんなことを考えてまた面白かったです。
人質問題関係では、日本人のつつましさと人のよさが最高に悪い方にはたらいてますよね。香田さんを最終的に救うことが仮に難しかったにしても、小泉さんは「自衛隊を撤退させない」と宣言したあの段階で、ほんとは、テロリスト集団に向けて、「日本の自衛隊は決して戦争しに行ってるんじゃない、あなたの国を助けるために行ってるんだ、私の国の若者を返して下さい」と、それこそプリアモスなみに捨て身の説得をするべきじゃなかったのでしょうか。言葉だけでも、それだけでも。
今の若者や子どもは失敗をすごく恐れると言います。私は「トロイ」の映画で、あれだけ敵味方の見てるまん中で大恥かいて、国を滅ぼすほど皆に迷惑をかけてもパリスはちゃんと生きてる、ということを見せてやるだけでも、あの映画は青少年の教育に役立つとキャラママ(板坂)と言い合ってます。あさはかな、おっちょこちょいがいなくなったら人類の発展はありません。
この前亡くなった森村桂さんの旅行記の数々を最近読んで、その無謀ぶりにあらためて感じ入りました。昔、堀江青年がヨットで太平洋横断した時も、子どもだった私はよく覚えているけれど、日本では政府や警察が怒って捕まえようとしてたのが、アメリカでヒーロー扱いされたので、結局評価の方向に変わったのでした。もともと、この国はそういうところがあって、それもいい時があるけれど、小心者のかたぶつが残酷になるとほんとに救いようがないと、つくづく感じさせられることが昨今は多いですね。これじゃ、若者たちに向かって、ひきこもれと言ってるようなものですよ。
キャラママとも笑ってるのですが、私たちが昔書いた「鳩時計文庫」の小説には、実にもろパリスタイプがよく登場し、しかも毎回しっかり生き残って最後に笑ってます。
「おれにまかせろ」のラストに近く、「彼を信じろ、彼を愛することをやめてはおしまいだ」という言葉がありますが、あれはそのまま、私たちが、自分に言いつづけてきた言葉でもあります。自分の中の彼も、自分以外の彼も、私たちはまだ決して否定したことがありません。あきらめているのではありません。信じつづけているのです。
[483] 「先輩!がんばります!」となぜか言いたくなる映画でした。 投稿者:じゅうばこ 投稿日:2004/11/11(Thu) 23:42
◇「モンスター」(笑)。
もちろん多分あの主人公は私より若いんでしょうが(ちがうかな)。
昔よく映画や小説で、自分ととてもよく似た生き方やら愛し方やらする人が、悲惨な最期やみじめな末路をとげることがすっごく多くて、そのたびに、「あなたの死は無駄にはしません。私はもっとうまくやって見せます。勉強になりました。ありがとう!」と一礼して、勢いよく勇ましく、自分の人生に立ち向かって行ってました。
今回も久々に、それ感じました。
あ、ネットカフェで書いてて、油断すると消えそうなので、少しづつ書きます。見苦しくてごめんなさい。書き込みたくなられた方は、遠慮なく間にわりこんで書いて下さいませ。
[484] それで大変力づけられて明るい気分になってます。 投稿者:じゅうばこ 投稿日:2004/11/12(Fri) 00:02
◇あー、また、じゅうばこのあまのじゃくが、おまえは人と同じ感受性を持っとらんのかと言われそうですが。
「モンスター」の映画、シャーリーズ・セロンにほれました。あのでぶでぶの身体、醜い顔、下品なしぐさのひとつひとつが、何とまあ美しくてカッコよかったことか。「G.I.ジェーン」のデミ・ムーアやら、「エイリアン」のシガニー・ウィーバーやら、「ターミネーター」のお母さんやらが、お人形みたいに上品でものたりなく見えました。
演じた役柄の殺人鬼アイリーンにまたほれました。「ボーイズ・ドント・クライ」の彼女もそうだったけど、ただあちらは痛ましすぎたけど、アイリーンもまた決して弱音を吐かず甘えず、愛する相手に「大丈夫」と言いつづける。人生や事柄を投げないで、前向きに生きようとする。
私は彼女は実にまっとうな人に見えます。人殺しも含めて。やってることはちがっても、自分が今していることだって、どこか彼女に似ています。絶望的な状況の中で、戦いつづけているこのありさまは。
「私は自分のしていることがわかっている」という彼女の言葉がものすごくよくわかった。ほんとにそうなのだろうと思いました。
この映画の好きなところは次の予測がつかないこと。その点「トロイ」と似ていました(笑)。これは私が好きな映画の条件ですね、きっと。
次に彼女が、そして相手が何を言うのかどうするのか、予測がつかない。どっちでもい、どういう展開もあり得る。そこがすごくスリリングでリアルです。
彼女の愛する人との関係は、ある意味、愛の王道でしょう。とてもわかりやすく、とても実感できました。愛する人を幸せにする力がない、能力がない、生活を維持しつづけないと愛もすりきれる、みたいなところ。
私はこれが恐くて、これがわかっていて、人を愛さなかったんだな(つまり愛をまっとうしなかったんだな)とあらためて確認したし、でも私のあきらめた愛も、彼女の壊れた愛も、たしかに愛だったし本物だったし、それなりに不幸ではなかったとも思いました。そして、この今でさえ、家族やペットに対して似た心境になっている実感もありました。
[485] 「モンスター」の感想、もうちょっと続けます。 投稿者:じゅうばこ 投稿日:2004/11/12(Fri) 00:17
◇「モーリス」の映画も思い出していたのですが、少しだけ世間の常識からはずれている人は、そういう相手を求めるけれど、相手が真剣に世間を無視して、それにとりくみはじめると、逆に恐れて引いてしまう。
「モーリス」を見ていて痛感したのですが、私が愛する人は結局弱い人で、世間の常識に逆らえない人で、だから私を最初は誘っても私と最後までいっしょにいる勇気はないだろう、でもそこがやっかいなのだけど、その人のそういうところが一番私は好きなのだろうなと思いました。
アイリーンの相手はよくがんばった方と思うけど、仮に彼女ががんばれなかったとしても、アイリーンは彼女を愛すると思う。「それでも」じゃなく「それだから」愛すると思う。
彼女が人を殺したことはどうなんだと言われるでしょうが、我々にとっての日常は彼女にとっての戦場だったのだから、それはしかたないと思う。殺したくない人まで殺さなくてはならなくなるのも戦場の常で。もちろん実際の彼女がどうかはわかりませんが、あの映画で見る限り、私は彼女の感覚も行動も思考もすべて納得できました。ちょっともう、いやになるぐらいに。
あと、つまんないことかもしれないけど、ローレンス・ブロックの小説とか読んでいても感じるけど、売春って互いに相当危険度高い商売だな、とか、だから職業としてきちんと認めて安全性を高めろ、などという話も出るのだなと(私はこれには反対ですが、それでも、その必要性を感じてしまうほど)妙に実感しました。
まだまだ何かあったような気もしますが、とりあえず、こんなとこです。
わー、これでやっと、かがり かなでさんの、この映画のレビューが読める。うれしいです♪(しかし他の映画は皆ちょっと見るひまがありそうにないなあ)。
[487] あー、やっぱりそうだったんですねー。 投稿者:じゅうばこ 投稿日:2004/11/13(Sat) 22:33
◇かがり かなでさん。
そうなんです、私、「モンスター」見てて、「これのどこが異常だ、まっとうな、よくある話じゃん」とつい思ったか感じたかしたのは、「だって『テルマ&ルイーズ』だって、『俺たちには明日はない』だって、『明日に向かって撃て!』だって、(ついでに言うと『ロビン・フッド』だって『水滸伝』だって、おおむね)こんなもんじゃないかよ」という気持ちがあったんだと思います。
かがり かなでさんのレビュー拝見して、笑いながら安心しました。こういうきちんとした批評をして下さる方がいらっしゃるから、私は安心してアバレられるのです(笑)。
それで更に、そちらのまっとうさに甘えて、あの二人を弁護しますと、すごく簡単に二つだけ。
アイリーンの「夢」は実現をめざして努力するものではなく、ただ、現実を生きる支えなのだと思います。それを「逃避」と言ってしまっていいのか、まだよくわからないけれど。
レストランのあの場面だけど、あれも二人にともかくも余裕がないからでしょうね。だからあれでいいとは言わないけど、ああしかできないのはよくわかります。
ううむ、いかん、私は今相当すさんでいるのかも。銀行強盗ぐらいしかねないなあ、その内に。
◇実は今夜、くだまき第二弾で、めちゃくちゃ愚痴を書きまくりそうだったのですが、時間もないし自粛しときます。
と言いつつ、ちらっと書くと、私最近(前からかな)けっこう赤の他人(と思ってる)人たちから、ものすごく私生活に干渉されるのですよ。具体的に言うとスケジュールをめちゃくちゃチェックされる。「あれ?今日はお仕事じゃなかったんですか?」「先週はお買い物に行かれたんですよね?」とか。
いいんですけどね別に。でも私、最近多忙すぎて、自分が何したか何する予定だったかそれをいつ変更したかなぜ変更したか航空管制官なみの判断で綱渡りしてるので、聞かれても覚えてないか答えられないか(複雑すぎて)どっちかで、あえて言おうとすると、すごい微妙な個人的事情まで言わなくちゃならなくて、それ言い出すと何時間もかかりそうで、さりとて適当に返事しとくと、どうしてか皆それを覚えていて「あれ?あの時はこうおっしゃったのに」「予定ではそうではなかったのでは」「いつもはこうですよね」とか言って下さるので、結局私は嘘ついたことになる。知らんわそんなの。自分でも覚えてないのに。
世間の人って、どうしてそんなに他人のことを覚えてられるのかものすごく不思議です。どうして私が先週や昨日と変わらないと思ってられるのかも謎です。最初は笑ってたのですが、最近カリカリしてきまして、いつ、こういう人たちに、「あなたよっぽどヒマなんですか」「そもそも私の何なんですか」「私があなたにお話したり見せてる姿は私のすべてで、他に何もないとか、私のすべてを知ってるとか、ひょっとまさか思ったりしてるんじゃないでしょうね」とか言ってしまいそうで、ものすごく恐い。
自分にも責任があるなと思うのは、私別に好きでもないし信頼もしてないし親しくもない(と言って別に嫌いでもない)他人に、めちゃくちゃ何でもあけすけにしゃべりますからね自分のことを。でも、これは私の特技その4かその6ぐらいで、高校生の頃、それこそアイリーンとセルビーもどきに親友だった女の子が「あなたって、皆の前で何でもしゃべってるようで、実は何にもしゃべってないね」と笑ったように(だから彼女が好きでした)、肝心なことは話してないのですよ何も。
そんなの別に私だけじゃなくて、たとえば数人の大学の先生が酔っ払って入学試験にまつわるバカ話をべらべらべらべら数時間しゃべっていて、どんなに暴露話してるように見えても、言ってはいけないことは誰も絶対しゃべってない、なんてことはよくあります。私の生活の半分は人事の予算の入試の、などという機密事項で成り立っていて、相当きわどい部分までばらしても、ばらしてるように見えても、必ずきっちり配慮はしてる。言い換えれば私がやってる仕事の半分近くは、しているということすら人には言えない。私だけじゃなく、たくさんの人がそうですよ。
で、「昨日は何をなさったんですか?」「あー、何してたっけ?一日ぼうっとしてたかなあ。勉強できなかったなあ、また」とか、でれっとした顔で言うしかない場合が多い。そうしたら、「わあいいですねえ」とかうらやましがられる。そういうことが積もり積もると、だんだん私も今切れかけてる。
いっきなりアキレスの話になりますけどね、彼に限らず天才ってだらしなくてわがままで怠け者で気まぐれで、ってよく言われるんだよね。物忘れひどいし、話題飛ぶし、とか。
私はゆめゆめ天才じゃないし、今のこの状況はむしろ私が、かけねなしにバカなことから生じてますが、その結果起こる、こういう状況を味わってると、天才も結局こういうことなんじゃないかと思えてしかたがありません。人に説明できないこと、説明しようもないことに立ち向かっていて、消耗していて、でもそういう経験のない、そういう世界を知らない人から見たら、そういうのってただの欠陥人間、ただのバカに見えるんじゃなかろうかって。
でもって言うんだよね、「あんなに偉大な人と言われてますが、身近で見てるとすごく抜けてて、子どもみたいで」とか何とか。
天才がえらいのは、そういうことに気づかないか、気にしないかで、しかし私はしつこく言うけど天才ではないのだから、こういうことにすごく腹たちます。
キャラママ(板坂)はよく、授業や論文で「わかりやすく説明して喜ばれるたびに、これってどっか嘘だろなあと反省する」と言います。研究でも実人生でも、ほんとは複雑で難解で、ついでに言うなら暗くて汚く苦々しい。すっきりわかって割り切れたり、面白くて楽しかったりしたら、それはそういう「まとめ」や「演出」してるからです、語り手が。
それも必要です。でないと多くの人には、真実に近いかたちさえもが伝わらない。人生が楽しくなく生きて行く勇気も元気も出ない。
だから私が自分の体験や苦労を人に話す時は、問題の本質をとらえた上で、要約し脚色して楽しく話します。だから、「あなたの故郷って面白い人が多いのね」「大学って楽しそう」「あなたの生活は充実してそう」とか、最悪で「あなたって面白い人ね」と言われる。はっきり言って私これ、侮辱だと思ってるんですけどマジで。
だから、まだ解決してないことは話しません。苦しんでることも迷ってることも。聞きたい情報を得ようと質問することはありますよ。そのための資料として状況を話すことも。でも、死ぬほど頭を悩ましてせっぱつまって、死にたいとか人を殺したいとか思ってる今現在、そんなこと人に垂れ流しますか。そうしなきゃ死ぬか殺すかにでもならない限り。
これって、普通と思うんですけどね私は。だから、同じこと考えてる人は、きっとこれ読んで「このバカ、何をあたりまえのこと言ってるんだ」と思うんでしょうけど。
でも、世の中にはどうやらそうでない人も多くて、少なくとも最近私の回りには、私が話す私の暮らしや生活を丸ごとそれきり私と思って私を知りつくした気でいる方々がけっこう多くなってる気がする。
何とかしてよ。
しかし何だかこういうのって昔からだったような気もしないではない。
そして、書いてて気づいたけど、私が映画俳優とか皇族とか、見せてる部分の私生活や素顔だけで、もうすべてその人を知ったような気になるファンにとりまかれ、抗議しても聞いてもらえない人たちに、妙に同情共感することがあるのは、きっとこのせいなんだろう。
あ、最後に誤解のないように。
こうやって書き散らしてると、これが私の本音で、なりふりかまわずぶちきれて書いてると思って、私の素顔を見たと思われる方がいらっしゃるといけないので念のために申しますと、こう書いていても、書かないでいることはいっぱいありますし、これが私のすべての本音でもありません。それなりの配慮と計算もあります。あーもう、我ながら過敏になりすぎてるなあ私。「あなたのことは、私よく知ってる」症候群の人たちに。
って、結局くだまきまくってしまったではないの。まあいいけどさ(笑)。
[488] またもトロイのことですみません。 投稿者:サヤ 投稿日:2004/11/13(Sat) 23:13
トロイの字幕
劇場で見てきても、じゅうばこ様ご記憶の夏の字億と比べてみると やっぱり いろいろ違っていたりしてました。
DVDとも違うので、ちょっと混乱してしまう(苦笑)。
私が今回見た上映館では最初と最期の字幕はこんな感じでした。人間は永遠に憧れる
そこで皆思う
[この行為は何百年も語りつがれるか]
死んだ後も 世に残るだろうか
皆覚えているだろうか
いかに勇敢に戦っていかに激しく愛したかを
僕も戦う
ダメだ
あんたに教わった
いい生徒だ だがまだ早い
奴らを見ろあの勇猛な戦士たち(を?)
互いに血を流してきた 船を守れ
これは戦争だ
おまえが気になって戦えない 船を守れ
私には大事な誓いがある
それは単純だ
[神々をうやまい妻を愛し 国を守れ・・・]
トロイはわれわれの母だ 母を守れ
ミュルミドン 剣の兄弟たちよ
おれは大軍よりお前たちを選ぶ
脅威を教えてやれ 俺たちは獅子だ
見ろあの浜辺のむこうに待つものは
不朽の名声だ つかめ その手に
安らかに 兄弟よ
私の物語を語るなら こう言おう
つわものたちと歩んだと
彼らは冬小麦のように散ったが
その名は永遠に残る
荒馬馴らしヘクトルの時代に私は生きた
アキレスの時代に私はいきた
アキレスって私には なんとなく醒めた人だなって印象があって、
アキレスの名を残したいという願望は、彼が、自分がこの世に確かに存在したとそれで実感できるんじゃないかと期待していたのかなあ って思ってました。(映画中でそういう性格描写はされてないにしても、こんな願望をもつってことは 芯のところでは アキレスは さっぱりした性格してるくせして 寂しがりやさんなのかもしれません。)
彼は一瞬の美しさってことに重きを置く人だけど、アキレスにとっては刹那も永遠も一緒のことで、永遠=名を残す ってことにつながる美意識みたいなものとして こだわりがあるのかと。
勿論人間の側にいるんだけど、アキレスって人は どうしても神の存在と人間ってものを意識せざるをえなかったんじゃないかなあ。
それとも単に目立ちたがりやさんだからでしょうか。 お母さんから聞いた話とかで 変な風に刷り込まれちゃったとか。
[490] やっぱし字幕のページ作ってしまおかな(笑)。 投稿者:じゅうばこ 投稿日:2004/11/14(Sun) 19:58
◇サヤさん。
ありがとうございます!これはきっと、サヤさんの方が正しいですよ。で、こうなったら、字幕のページ作って、皆さんの記憶のつぎあわせで完成させようかな、と本気で思ってます。乞うご期待。 ですけど、自分が小説書く時のことを考えると、最終的にチェックして直した字幕が最高の決定版なわけでしょうから字幕担当の方は、こういうの、おいやかもなあ、とちょっと申し訳なく思うのですが、やはりいったん世間に流れたからには、それを愛する人たちがいるのはいたしかたないしな、と割り切らせていただきます。
とか言っておいて、いつになることやら。そうこうする内、私の記憶も薄らいでるし。サヤさん、他にも覚えてらっしゃる部分がおありなら、どんどん書き込まれて下さいね。
アキレスの「名を残す」だけど、考えてみると自然なんですよね。人殺しが好きなタイプではないし、何かを守るとか得たいとかいうこともないし、結局彼の動機としては、そういうことしかないだろうというのはわかるんです。それは「戦う」動機というよりかは、もはや「生きてる」動機なんだろうなあ。
かがり かなでさんも書いてらしたけど、この人は運動神経やらそういうのがよくて、戦いがうまくて人にほめられて、それでうれしくなって、でも人殺しは別にそう好きってほどではなくて、だから強い敵ならいいんだけど、手ごたえのない相手をどんどん殺していると、つまんないし退屈だし、気持ちよくもないんじゃないですかねえ。
かと言って、「人殺すのはいけない、家族が悲しむ、命って大事」という感覚はこの人あまりないんでしょうね。プリアモスに言われるまで考えてもなかったようだし。
戦いの途中でむなーしくなるのは、人の命を奪う罪悪感とかよりも、すごく技術の高いコックさんが、カレーライス(それもインスタント)を百皿作らなきゃならなくなった時のむなしさとか、大芸術家が塀のペンキ塗りしてる時の腹立ちとか、そんなものに近いのじゃないかしらん。
だから、ヘクトルやアイアス級の人と戦うのは、すごくうれしいのだと思うのですよ、もう理屈ぬきで。アイアスが倒されてがっかりして背を向けて去るのは、彼の死を悼むというより、「あーもう、二人だけで面白い遊びして」のように見えますし。
ヘクトル相手の時は、憎しみという邪念が入ってるから、これはこれで彼としては不本意なんじゃないでしょうか。「何かのために」戦うというのは、本来彼の辞書にはないんでしょうから。
そしてこの人、パトロクロスを殺されて烈火のごとく怒って、それをヘクトルにぶつけても、やつあたりってことが薄々わかってるから、じゃなくて、そもそも、人を愛すると同様、憎み方もあまりよくわかってないんじゃないでしょうか。
ところで彼、ヘクトルの耳をそいだんですかね?
そうらしくも見えますし、最初はそう思って書いてたんですが、だんだん、どうも、そういうことしそうにないなという気がしてきました。あれは、メネラオスの部下でもがやったことに私としてはしておきたい(笑)。
戦って殺して、ひきずって、まではやっても、何だかあの映画のアキレスは、それ以上に憎悪を持続できるほど、そういう人間的感情を持てない気がするんです。
ブラッド・ピットがうまいなあと思うのは、ヘクトルの死体をひきずってテントの外に放り出して、中に入って行く前後で、せりふなくても吹き出しだかネームだかで、はっきり私、彼の頭の上に文字が見えるんですがね。あるいは泣きそうな声が聞こえる。「何か、ちっとも楽しくない!」って(笑)。「こんなことしても全然面白くないし、つまらないよ!」って。少しは気が晴れるか何とかなるか、快い気分転換ぐらいにはなるかと思ってたのに、ますます気が重くなっただけで、「なぜ?」「誰か何とかしてくれないかな。してくれるわけないけど」みたいな、もうどうしていいのかわからなくなったみたいな。
「ばかだねえ」と万感の思いをこめてしみじみ言いたくなるのは私だけではないでしょう。
いっぱい女を抱いてても、恋愛したことはない。山ほど人を殺していても相手を憎んだことはない。こういう人ってもうまったく。
わ!また時間がなくなりました。今夜はここで。
[491] 時間がないと言いながら追加です。 投稿者:じゅうばこ 投稿日:2004/11/14(Sun) 20:37
◇かがり かなでさん。ゆうべ書き忘れたのですが、チャットの件、またぜひ私もお願いしたいです。すぐお返事がもらえるのは実に、かゆいところに手がとどく感じでいいですね。
ただ、今度の土日はちょっと多忙で、ええっと、月曜と火曜はOKです。と、こっちは勝手に申してますが(笑)。そちらのご予定をいつかお知らせいただけましたら、幸いです。
「モンスター」、2チャンネルをのぞきましたら、セルビーこそがモンスターと言っておられる人も多くて、明らかにアイリーンに殺人を要求しとるやないか!と、あきれてる方も多いのですね。
でも私、あの感覚は珍しくないと思っています。
キャラママ(板坂)が今でも怒りますが、彼女が体調悪くて精密検査受けなくてはならなくなった時、彼女を頼りにしてる人たちは(肉親です)、あるいは聞かないふりをし、あるいは「検査なんか受けなくてもいいじゃない」と言い張ったそうです。「あー、この人たち、私を死ぬまで使いつぶす気ね。現実を見ようとしないで」と彼女は思ったそうです。
その人たちが彼女を愛してなかったのではないでしょう。むしろ大変愛していて、失うかもしれない現実を拒否したかったのでしょう。でも、私は(キャラママも多分)こういう人たちの感覚は、セルビーのああいう態度と、そんなに遠くにあるとは思えない。人殺しはちがうと言っても、そんなにかけはなれてると思えないです。
別の知人の、とても愛し合ってたご夫婦も、一方がガンにかかってものすごく疲れておられても、もう一方の方は頼りきりで、その方が病気であること、衰えて行かれてることを、どうしても認めようとしておられないとしか見えませんでした。そして、病気になられた方も、死ぬまでそういう期待に応えてがんばっておられました。これも私はセルビーやアイリーンの愛とものすごく重なって見えます。法律には触れません。犯罪にはなりません。でも、残酷さも冷たさも悲しさも、あの映画とまったく同じに私には見える。こういう愛のかたちって、けっこうそんじょそこらに、ごろごろしてるんではありません?そして私は別にそれが悪いともやめろとも言いませんが、ただ、愛というものは基本的には恐ろしいものだと思い、できれば死ぬまで関わりたくないと考えています…そう言いつつ、しょっちゅう、ひっかかってますけれど(笑)。
[494] だいぶ前に「トロイラスとクレシダ」の話を書いたのですが。 投稿者:じゅうばこ 投稿日:2004/11/17(Wed) 20:56
◇シェイクスピアの戯曲の。トロイ戦争を舞台とした甘い恋愛ものの小品かとなーんとなく思っていたら、これがもう大間違い。恋愛の方がむしろツマで、堂々のトロイ戦争物でした。でしたが、なんとも殺伐としていて後味も前味も悪い、さめた、どぎつい雰囲気。「イーリアス」とかには出ない、サーサイティーズという口の悪い奴隷が出てくるんですが、かわいさものどかさもなく、毒が充満していて、まるきりビートたけしです(私は彼が好きではないのですが、古典的に昔から存在する人物なのだということはわかりました。これ読んで。笑)。
この劇の中ですらヘクトルは聡明な人格者。でも、その彼も何だかざらざらすさんでいて、やはり、この劇の中の人物。シェイクスピアってすごいなあ、それなりに。
この劇は昔はあまり評価されなかったけど、近年人気があるそうな。わかるよ、なんだか。ここに漂う、狂気のロマンさえない、しらけたがさつな荒れた感じは、とても今の日本に似ている。
それにしても、シェイクスピアの時代考証無視はあいかわらずで、「ビスケット」だの「本の目次」だの「布告を読んだか」などと、もうつっこみどころ満載なのですが、「そんなものには一ペニーも払わんぞ」にいたって、もうあきらめ、へクトルが弟たちをたしなめて「アリストテレスのことばにもあるが」と言ってる時点ではもう平伏してしまいました。負けた。作家は度胸だ(笑)。
ところで、キャラママ(板坂)が授業ノートの「本命・アナ馬・対抗馬」で、群像劇のような文学における役割分担を考察していて、そういうグループの中には必ず一人、「高潔、清潔、否の打ち所のない優等生」がいるとして、芭蕉の弟子なら去来、孔子の弟子なら顔回、円卓の騎士ならランスロットなどとやっていて、これは「トロイ」ではむろんヘクトルなんでしょうが、彼女と今日話していて、「このタイプは(『鳴神』の鳴神上人、『尺には尺を』のアンジェロはその典型)、完全無欠なのに、時々そのすべてを補っておつりが来るような、ものすごい破戒行為をしてしまう。そして、そこが魅力にもなる。ランスロットの場合はグィネヴィアとの浮気だし」とか言ってて、そう言えばヘクトルも高潔な人物にあるまじき大ルール違反を一回だけするな、やっぱりあれは、そのタイプか、と納得しました(笑)。
ただ、鳴神やアンジェロのように、このタイプ、いったん崩れたら、まじめなだけにとことんまっさかさまに堕落することが多く(思えばサタンだって何だかそういうのではないの?)(ランスロットはどうなのか、ちょっとよくわかりませんが)、それはなまじ彼らがまじめだからか、とも思うのですが、ヘクトルはそういうことしても、なかったみたいに立ち直ってしれっとまた優等生してますね。そこがえらいのか、たのもしいのか、けなげなのか、弟と共通するしたたかさなのか、微妙なとこですが。
などと言ってる暇はない。お茶でも飲んで、仕事に戻ろう。
◇かがり かなでさん。
週末の土日は時間がとれるかもしれません。1、2時間でしたらば。ご都合がつけば、お教え下さい。でも、ご無理はなさいませんように。
[504] お久し振りです。 投稿者:秋津 投稿日:2004/11/27(Sat) 16:14
>じゅうばこ様
ずいぶんとご無沙汰しております、秋津です。
お仕事お忙しいご様子、お身体は大丈夫でしょうか。
どうぞご自愛くださいね。
横レスで恐縮なのですが、私もずいぶん前にモーターサイクル・ダイアリーズを観ました。
英語の字幕だったので頭がくらくらしましたが、日本での大学時代、ゼミの男の子がチェ・ゲバラを論文の材料にしていて、発表のたび彼のレポートを聞いていたのがよかったのでしょうか、バッググラウンドなどがわかって少しは理解の足しになったかと思います。
観終わったあとはすがすがしく、どこか寂しい味のする映画でした。個人的にはマチュピチュの映像に鳥肌が立ち、映画の一番最後は1番ぐっときました。観ていらっしゃらない方にはネタバレになってしまうので言えませんが…。
あと、トロイをようやくDVDで観ることができました。
英語だけで聴くと、日本語字幕は覚えているのですが英語が聴き取れないところなどは少し悔しく感じたり…。
しかしやはりヘクトルの最期は素晴らしく感じました。あれ、ヘクトルが死んでから、プリアモスがギリシャ陣営に忍び込んで、アキレスがヘクトルの遺体にすがって泣いて初めて、私の中で「ヘクトルは死んだんだ」という事実を受け止められたと言おうか、彼の死になんとか折り合いを付けられたと言おうか。多分あれでヘクトルがアキレスに引っ張られて連れ去られず、あのままトロイですんなりと葬られていたら、この満足感は生まれなかったんだろうなぁと思いました。ヘクトルが死んで満足っておかしいですが、私はあの勝負、ヘクトルの勝ちだと思うのですよね…命を奪ったのはアキレスですが。
久し振りに観て、またトロイ熱が上がってしまいました。
今日はこのへんで。
http://fenrir134.hp.infoseek.co.jp/
[505] 先週はありがとうございました。 投稿者:かがり かなで 投稿日:2004/11/27(Sat) 17:16
本当に楽しくて時間があっという間でした。
またお時間に余裕があるときがあれば教えてくださると幸いです。
私のほうは大体あの時間帯ならたいてい何時でも空いていると思っていただいて結構です。休前日ならもう少し夜更かしでも大丈夫です。師匠の方は毎回聞いてみないと判りませんが、やっぱりお話したりないらしくて「次何時やるの?」と聞いてきます。(苦笑)
「モーターサイクル」は未見ですのでお話が理解できなくて残念です。マイナー系上映の映画館がもっと近くにあるといいのですが、車で30分以内に3館あるので文句を言ってはいけないでしょうね。
最近のヒットは「オールドボーイ」です。韓国はついに世界を驚嘆させる作品をつくるレベルに達しました。日本は(アニメ以外で)何時になったら追いつくことが出来るのか…日本人として嫉妬を感じます。
http://www.bmybox.com/~cinema/
[506] うっく、書けば長くなるのがわかっているのですけど。 投稿者:じゅうばこ 投稿日:2004/11/27(Sat) 23:46
◇かがり かなでさん、秋津さん、ペコさん。(いっしょにしてごめんなさいっ!)。
お返事書いてしまいます(笑)。
「モーターサイクルダイアリーズ」は、楽しいのにもの悲しく、笑えるのに泣けるんですよ。それには、いろんな要素があって、何か一口に言うと「そう、若者ってこういうんだったなあ」みたいなことを思ってしまう。まじめで、まともで、無器用で、正義感が強くて、大胆で、恐いもの知らずで、感じやすくて。
「フリーダ」の時も感じたんですけど、平気でトロツキーが登場し(「フリーダ」でね)、主人公たちが革命や政治を熱っぽく語る。そういうのがいつの時代もわりと若者の特徴だったんだなあと思います。
私は自分が70年代の政治的と言われる時代に生きてたのですが、その時代ももうすでに政治の季節ではなかった気がするのです。高校までまったくそういうことを知らなかった、大学に来ても興味なかった若者たちがいきなり政治にはまったもので、すごく土壌がなかったという感じがします。 思えばもうあの頃から、若者は政治に関わらなくなりはじめていたのではないかしら。学園紛争のまっただ中で、もうすでに。
ただ、お国柄みたいなものがあって、これがロシアならイギリスなら、もっと重厚な別の色合いになるんだろうけど、「フリーダ」も「モーターサイクル」も何だかラテン系の陽気でちゃらんぽらんなノリが政治も正義感も社会も重っ苦しくしない。そしてだいたいが政治というのは、こういう軽いノリでこそ行うものだと私はいつも思うのですが。その点は小泉首相や石原都知事の方が正しいセンスしてますね。ただ為政者があれでは困るだけで(つまり根本的に困るのよ)。
今の日本の最大しょうもないのは、庶民や若者に良識や高い判断や慎重な姿勢が要求されて、最高権力を持つ政治家はガキでいいってことになってるところです。誰がいいと言ったのか知らないけど。少なくとも私ではないつもりだけど。これって普通逆でしょうが。庶民や老人や若者はガキでわがままで、権力を持つ為政者はじっと耐えて大人であるべきなんでしょうが。
国のトップがそれだから、身近な自治体や組織や会社や学校、大学でも皆それに習って、目上の方が幼児化し、下積みの者ほど老成してしまってる。こんなんで国の活力がわくはずもなかろーが。私でさえわかるこんな簡単なことが、どうして偉い人にわからんのか。あー、幼児化してるから無理ないか。
ほらやっぱりまた長くなる。
「モーターサイクル」についてはまだあるんですが、またにします。
昨日、大学時代の恩師のご夫婦と、他の学生数人と食事しておしゃべりしたのですが、映画好きな先生なので、映画の話で盛り上がりました。「ハウル」のこと、「父帰る」のこと、あとまだ何かあったかなあ。あっ、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」だ(笑)。で、これも長くなるのでまた。
ひとつだけ。この前、かがり かなでさんとこでチャットやった時、「ギルバート・グレイプ」でジョニ―・デップのお兄ちゃんが「絶妙のタイミングでため息つく」とおっしゃってた話をしたら、恩師の教授は即、呼応して、「あの俳優はあの映画に限らず、どの映画でもため息が絶妙にうまい」と言っていました。「あれは多分、そういう、ため息をつく設定になるように脚本に関与してるはずだ」とまで言い切ってました(笑)。
あ、チャット、私もしたくて、今夜も実はうずうずしてたんですが、別の仕事の方も進んでしまって…キリキリしてます。その内にきっと時間を見つけます。
「トロイ」なんですが、ヘクトルとブリセイスが無意識の連携プレーでアキレス攻略するのは何となく感じてたのですが、もしかしたらそれにプリアモスも加えるべきかもしれない。あ、パリスもか。最後のあたりは。
ヘクトルって生前周囲に何の要求もしなかった分、死んだ後で皆が必死で何かしてあげなくちゃという気分になるんでしょうね。ひょっとしたらアキレスも含めて。遅いっちゅうねん。と言うのは簡単ですが、それだけ、この映画の全体に彼の存在を感じてしまいます。でも、葬儀以後、それがふうっと消えますね。そう感じるのは私だけなのかしら。
うまく言えないけど、トロイの町が滅びる時、「ああ、彼が悲しんでるだろうなあ」となぜか思えないんですね。つらいから思わないようにしてるだけかもしれないけど。これは何なんでしょうか。 ヘクトルは死んでからも霊魂となって都を守ってたとか、そういう風に思えないんですよ。何だかこう、執念がない、固執することがない人のようなので。秋津さんが満足感とおっしゃるのとどこかでつながる気もしますけど。
彼の魂は都が滅びるのを見ても涙さえ流さなかったような気がしてなりません。冷たいというのではないし、悲しまなかったのではないけれど。
もしかしたら、この映画を好きになれない人は、このへんもいやなのかな?私は嫌いじゃないのですけどね、この感覚は。
みたいなことを、また話したいですね、チャットでもして(笑)。
「ホワイト・ライズ」もぜひ見たいです!何だかローズ・バーンが熱演らしいですね。楽しみです。
[508] なかなか映画を見るひまもないのですが。 投稿者:じゅうばこ 投稿日:2004/11/28(Sun) 23:11
◇ペコさんのサイトをいつものぞいて情報をいただいています。
「モーターサイクル」は東京ではすごい人気のようですね。
あの映画、伏線かなと思っていると、そのままになっちゃうような、小さく「予測を裏切る」ところが随所にあるんですね。でも、それは下手なのじゃなく、それも計算…でもないのかなあ、とにかく「旅行記」らしさがよく出るんですよ。小説みたいな、かっしりした構成じゃなくて。
日本の映画だったら、若者は田舎に行って「癒されて」帰ってくるのが普通で、それも悪くはないけど、ほんとに癒されるっていうのは、人や世界のために自分がするべきことを見つけたことで、そして更に、それをどうやってするかまでをさぐりあてて決意することで、そういう、知性と感情と意志が音をたててかみあって行くような喜びとおごそかさが、この映画にはありますね。
でも私、連合赤軍もオウム真理教もね、すごくグロテスクな戯画、ゆがんだ異様な姿だけど、この図式にどこか共通すると思ってます。何かをつかみたい、何かをしたい、世の中を変えたいと思って行動しようとしたという点では。なのに結果はああだった。どこで狂気になり、どこで健全になるのか、その境界ってほんとに見えない。
◇「鳩時計文庫」の諸作品の更新を始めました。
最新で希望のあった「A高」を中心に、来年のNHKドラマ「義経」を見込んで(笑)、「吉野の雪」を、それと実物の本が残部僅少になってる「青い地平線」あたりを主にやっていきます。
これまでに更新希望を寄せて下さったまま、お応えできずにいた皆さまもいらっしゃるので、他の作品も少しづつやっていきます(って、結局全部やないかい)。
でも更新しててキャラママ(板坂)や、その他の同人と笑っちゃうのですが、30年も前に書いたにしては私たち今を見越してるなあ。何とは言いませんが。
それに映画「トロイ」のパリスを見捨てられなかったわけがわかるよ。「A高」の日野とか、「青い地平線」のサフィアンとか、要するにこのタイプだものなあ、どう考えても。で、他の人物も皆誰や彼やと重なるし、まあ、こういう小説って、基本的なパターンは変わらないのかもしれません。古今東西。巧拙は別として(笑)。
ただ、この時代、この国で、今、これを読み直していると、何か過去の私たちから問いつめられているようで、心がおののくところもあります。
私の「トロイ」小説、「グラディエーター」小説を読んでいただいた方には、ぜひ、こちらも読んでみていただきたいです。基本的には少し味わいのちがいはあるのですが、でも、こちらの方が好きと思われる方も多いのではないでしょうか。
その内、他の同人の声も紹介したいと思っています。
特に「青い地平線」は、今の時点で第一部が終わるのですが、この後、第二部からは怒涛の展開で、文字どおり目が離せなくなるはずです(笑)。なので、ぜひ今の内にここまで読んでおいてしまわれた方が、この後楽しめるのではないかと。
あー、まだまだ話はあるのですが、もう帰らないと。おやすみなさい。