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たぬきとすいか

ここ数日雨が降って寒く、私も何だか疲れて風邪のひきかけで、カツジ猫は昼寝していた机からどたっと落ちて、後足をひきずって歩く始末で、私は大慌てで獣医さんに電話したら「7日まで休診です」との留守電で、いろいろもうどうしようかとパニクった。

カツジ猫の「後足が動かなくなる」症状をネットで調べたら、心臓疾患とか脳梗塞とかいろんな病名が出て来るし、足に血液が行ってなくて冷たくなってたら危険とかいうので、フウギャアと怒られながら後足をさわってみたら、どっちもぬくぬくしてたので、まあいいかと様子を見ていたら、半日もしない内に普通に戻ったのでほっとした。半身不随になって車椅子生活になったらどうしようかと思っていた。

机から落ちたあと、騒々しく這い回るので、私はネズミかクモでも追っかけてるのかと最初思ったが、本人?としては後足が動かないのであわててしまって、とにかくどこかへ移動して逃げようと考えたらしい。本当に大したことなくてよかった。こね回してみても痛がるでもなく、骨にも支障はない模様。
でも、こいつ根本的に、手足がどっかもろいし、身体の動きがぶきっちょなんだよな。今回は無事でもまたその内に何かしでかしそうでならない。今は、かつぶしのおやつを食べて満足して、廊下のかごで、ぐうすら寝ている。

今日は朝からうって変わって暖かく、五月晴れのいい天気で、朝からせっせと家の片づけに精を出した。上の家(伽羅館)の二階がすっかり快適になり、窓から見える新緑も大変美しい。階下の居間や書庫はまだ散らかっているが、それもだんだん何とか見られる状態になって来た。夏までには、お客を呼べる状態になるといいのだがなあ。

気まぐれの休憩に、椅子やソファに座って、そのへんからとって読む本が、プロレタリア文学の「渦巻ける烏の群」だの、原爆を描いた長編小説「人間襤褸」とか、どれもすごく面白いのだが、登場人物がいろいろ、あまりに不幸なので、自分がそこそこ快適に暮らせているのが、とんでもなく運がいい珍しいことのように思えて来てしまう。

今朝は團伊玖磨の「九つの空」をのんびり読んでいて、コモドオオトカゲを探しに行く旅が豪勢でいいなあと思っていたら、ちらっと出てきた思い出の話が、作者が19歳で戦争に行く直前に動物園で見た、寒さで死にかけているコモドオオトカゲと目が合ったというもので、どーん、ずしーんと胸がつまって、暑い明るい熱帯の島が一気に冷凍されたような気分になった。

そして、このコモド島付近だけでオオトカゲが生息できたのは、島の人々の「人間とトカゲは兄弟」という美しい伝承によるものだとわかるのも、あわせて胸をしんとさせる。

令和の初めの新聞記事を読んでいても、思いがけず「平和が続けば」「平和でなければ」という発言が多くて驚く。毎日新聞の歌壇では、吉村良夫さんという方の、

亡き父の「昭和」の戦禍「平成」後「令和」に繰り返させてたまるか

という歌が紹介されていたらしい。社説で知った。

隣家のご主人が庭を耕して苗を植える支度をしておられた。すいかを作るとのことで、「ああ、毎年、見ていてもかわいいですもんねえ」と言うと、「でも、知り合いで作った人は皆、タヌキやハクビシンに食われてしまって、苦労した甲斐がないとがっかりして、もう作らないと言っている。ちょっとかじって行くだけだけど、それでもだめになるのは同じだから」と言われた。タヌキって、すいかなんか食べるのか。甘党なんだな。

「この前、大学のキャンパスで、真っ昼間に、でかいタヌキが歩いてましたから、けっこういるんでしょうね。タヌキは皮膚病に弱いらしくて、はげちょろけになってる、かわいそうなのもよくいるらしいけど、そのタヌキは健康そうで、しっぽまで、もうふかふかのふっさふさで、えりまきにしたらよかろうと思うぐらいでした」と私が言うと、ご主人は「そう言えば昔はタヌキのえりまきとか、あったもんねえ。顔までちゃんとついてたもんねえ」と思い出しておられた。

そんなこんなで、今日はわりと仕事が進む。
明日は、朝の九時半から、宗像市の河東コミセンで、むなかた九条の会主催の平和集会。私もあいさつしなくちゃならない。けっこういろんな団体の方が参加して挨拶されるようなので、五分かできれば三分で、短く話を切り上げなくちゃ。

お近くの方、そろそろ大連休も折り返し地点。お時間が許せば集会に参加して、令和初の平和への決意を共有しませんか。お天気も良さそうですし。11時ぐらいまではやってるだろうと思います。その後、サンリブあたりまで、ちょっとパレードもします。

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カツジ猫