ぼくの、へやができた（カツジ猫）

みなさん、おはようございます

でもまだ、そとは、くらいです。
かいぬしは、ろうかと、へやのあいだにある、がらすどを、
このごろ、みぎがわに、よせています。
ろうかに、つるしている、ふくが、ひやけしないように、
みぎがわの、かーてんはしめているので、
かーてんと、がらすどのあいだの、せまいろうかが、くぎられたみらいで、
そこのいすに、ねると、ぼくのへやが、できたようなかんじです。
がらすどごしに、かいぬしの、すがたもみえるし、
てれびのおとも、うるさくないから、さいこうです。

ここにいて、かいぬしが、だいどころにいくのをみると、
ぼくは、とびおりて、なにかもらいに、いきます。
かいぬしは、「ひとがつかれて、ひとやすみしようとしたときに、
いままで、ぐうぐうねてたおまえが、そうやってくると、
ひじょうに、むかついたりする」といいながら、
れいぞうこをあけて、なにかだしてくれます。

あたらしいくるまが、くるまで、
みずがもれている、いまのくるまに、のらなくてはいけないので、
かいぬしは、「かいものにいくのも、ひかえたいのに、
おまえの、おさしみがあるからねえ。
かいだめも、できないしさ」と、
ぼくのかおをみながら、ゆううつそうにいっています。

「いっそ、このきかいに、あるいて、かいものに、いくように、
せいかつを、かえてみようか。
だいえっとにもなるしさ」といっていました。
ほんとうに、やるきかな。

きのうは、なくなった、おかあさんの、たんじょうびだったので、
かいぬしは「われながら、ばかみたい。
でも、かーねーしょんが、きれいだったし」といいながら、
いろんないろの、かーねーしょんをかってきて、かざりました。
ぼくは、さっそく、かおをこすりつけて、
いちにほん、おりました。
「はいはい、ごきょうりょくありがとね」と、かいぬしはいって、
みじかくなったかーねーしょんを、かびんにいれて、
おかあさんのいはいのまえに、かざっていました。

このしゃしんは、もうずいぶん、むかしのです。
いまは、このだいのうえに、おいしいものはないとしってるから、
こんなことはしません。
かいぬしは、これを、はがきにしたけど、
もうなくなったか、みつからないそうです。
「また、つくろうかな。
でも、くるまもかうし、おかねがないのよね」と、
かいぬしは、まよっています。

「このしゃしんを、ひとにみせると、だれもが、
『あら、あしがみじかい』というのよ。
そういえば、そうかもね。
おまえ、『まんちかん』のごせんぞもいるのかい」と、
かいぬしは、ぼくにききました。
そんなの、しるわけないじゃんと、
ぼくはだまって、あしをなめています。