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授業と確定申告

国文学史の授業のあとの小レポート、学生が正直かつ熱心にいろいろ書いて来てくれるので、どこが足りなかったかわかるのが、超助かる。
前回は芭蕉だったが、「『軽み』というのがよくわからなかった」と複数の学生が書いていた。それはまあ、こんなのがいっぺんによくわかったらすごすぎるが、たとえいいかげんでも、わかった気持ちになるぐらいの説明はしなくてはいけないから、もう一回しゃべっておくか。

それよりも問題なのは、毎年どんなに注意していても、「連句」を「連歌」と書いて来る者、さらに今回は、「句」を「歌」と書いている者が相当数いて、ぶるぶるぶる。しかもこれは私は相当しつこく言っているので、なおかつこう間違えられたら、正直もうどうしていいかわからない。
まあ、自動車学校や医学部とちがって、アクセルやブレーキ、胆嚢と膵臓をまちがえるのじゃないから、人や自分が死ぬ気遣いはないわけだし、そう必死にならなくてもいいか、とつい弱気にどうでもよくなるのが、我ながらいけない。

私は今ろくな収入とてないし、医療費も幸いそんなにかかってはいないから、大して準備もしなくていいのだが、やはり年末で一区切りになるから、確定申告の準備ぐらいはしておくかと、所定の引き出しに投げこんでいた領収書を紙袋にまとめた。

しかし、整理しようと思っても、連日、国のトップが巨額の金の領収書がないだの、関係書類を質問されそうな日にシュレッダーで処分したの、という話が耳に入ってくると、私だけではないだろうが、こんな手続きをして時間を費やしている自分が、愚かを通り越して狂人めいて見えてくる。

在任期間最長とか言っている首相だが、その間に財政も外交も破綻させたのはまあ目をつぶるとして(笑)、知性や言語感覚を破壊したのが最大の罪悪だと思っている。しかし、それと同じくらいに、法やモラルも破壊したよな、この男は、明らかに。

今日は一日お休みなので、ずっとベッドでごろごろしていた。猫のカツジはすっかり喜んで、ずっと私にくっついていた。彼は最近冬毛になって、アメショーもどきの縞模様が、はっきり横腹に浮かび上がってきている。

白黒猫のマキは帰って来る様子がない。とりあえず、必要なときは閉めておける、新しい猫の出入り口を、今の出入り自由な入り口に代えて設置する計画は実施することにした。五万円ほどかかるかもしれなくて、痛手だけれど、そうしておいた方が、彼女がひょっと帰って来た時も、そうならなかった時も、結局は都合がいいだろう。

それと、決して仲良くはなかったが、残った灰色猫のグレイスが、このままだと、ずっと一匹で毎日上の家にいることになって、それも何だかかわいそうである。どうせ上の家の片づけもあるし、ホテルにでも泊まるつもりで、ときどきそちらで過ごすように、もっと時間を確保するようにした方がよさそうだ。うーむ、また生活を見直さなければならないか。まあ、いい方に転ばすとしよう。

写真は、猫小屋の解体中のときのもの。この時はまだマキがガラス戸の向こうにいたのだよな。

 

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カツジ猫