ほんとだわ
新車を買う前に、黄色にするかどうか迷って、ネットで調べていたときに、欠点として「花の色と同じだから、虫が寄ってくる」というのがあった。
それは洗えばいいじゃんと思って気にしなかったし、買ってからも、それほどでもないと思っていたが、確かにここ数日、朝見ると、小さい羽虫がボンネットや屋根の上にいつも数匹とまっている。
つぶしたら汚れるので払い落とすのだけど、しばらくすると、またとまっている。今朝なんか、フロントガラスに赤いかわいいテントウムシがとまってた。思わず写真にとろうとしてカメラを持って戻って来たら、もういなかった。いいけどさ。
白黒猫のマキは、まだ帰って来ない。心配だし淋しいし、帰って来てほしいのだが、その一方で一匹減っただけで、トイレや餌の世話がすごく楽になり、寝床の毛布も、もうこんなにいらないだろうから、どこかに寄付してしまおうかなとか、つい思ってしまうのが困る。それにしても、すごく食いしん坊の猫だったのに、もう三日、どこで食料を調達しているのだろう。何となく、閉じ込められているのがいやだったような気がするから、案外自由を満喫しているのかもしれない。
年末に予定があった講演の一つは何とか無事に終わった。若い先生と二人の講演だったのだが、その人が大変緊張して準備して、うまく話せるか苦にしていたのを見て、自分のいいかげんさが逆に気になりはじめている。
その先生は、もちろんその分野での最先端の実力者なので、きっちり資料をそろえて、立派なわかりやすい講演をした。私も、自分のこれまでの貯金を引っ張り出して、まあ皆さんに伝えたいこともいろいろあったし、失敗したとは思わない。
ただ、本当に、その若い先生とはちがった意味で、準備はもっとしたかったし、最後の段階ではぎりぎりだった。地に足がつかないような不安にもかられた。講演も授業も論文も、いつもこれで安心とか余裕たっぷりとかいうことは、ひとつもない。それなりに全力投球だし、へとへとになる。
今回は特に、私自身が、チラシを書いたり会議に出たり、専門の勉強とは関係ないいろんな仕事に時間を割いてしまったので、その分、予定が厳しくて、ものすごく消耗した。自分の力を過信していたこともあったと思うが、もう当分は、いや二度と、こんなせっぱつまった思いはしたくない。つくづくと、そう思うし、決意する。私はそんなに器用ではない。英雄ではないし、天才でもない。できるだけのことしかしないと決めていたつもりだが、そのできることは自分で考えていたよりも、ずっと少ないと思い知った。誰ももう注意してくれる人はいないのだから、私が自分で管理するしかない。そうすることが結局は、すべてをうまく行かせることになるはずだ。そのことを、肝に銘じておかなくてはならない。