紳士の見解。
◇昨日今日と天気は悪いとの予報でしたが、そうでもなく、昨夜は月が雲にかくれたり現れたりしながら、きれいに光っていました。母に「月がきれいよ」と言って、電灯を消してカーテンを開けると、「うわあ、きれいねえ」と言って喜んでいました。
母は今月が誕生祝ということで、ホームからかわいいフリースのひざ掛けをもらっていました。
◇ネットプリントしたポスターをラミネートするのが高くつくので、思いきってラミネートの機械を買いました。そんなに高くなかったし。でも、高熱を発するので、何やら焼ける匂いがして、どことなく剣呑な感じです。そして、ひとつまちがえると、ラミネートはしわしわになって失敗するので、ものすごく貴重な一点ものは、かなり決意がいるだろうなあ。まあ、幸い、どのポスターも一枚ずつ無事にラミネートできました。「アベ政治を許さにゃい」は、さっそく窓に張りました。
そう言えば、今朝私が、家の前の掲示板を張り替えていたら、スポーツバッグをかついだ立派な紳士が通りかかって、足を止めて掲示板を見ていて、「こんなところに掲示板があるとは知らなかった。いつからあるんですか」と聞きました。
「もうひと月ぐらいかな。私の私設掲示板ですよ」と教えて、「何しろ張りたいニュースが多すぎて」と言うと、紳士は「とにかく次の参院選で、何とかしなくちゃいけない。数が多いから何をしてもいいと思っているんだから、ルールも何もあったもんじゃないし、あれはもう、選挙で落とさなくては話にならない」と、力説していました。
「それまで皆で忘れないようにしなくちゃいけないですけどね」と私も賛成すると、紳士は掲示板を見て、「宗像にも九条の会があるんですね」と言うので、「毎月定例の集まりをして、いろんな行事もしていますよ。入会金100円と連絡先をいただければ、ニュースを郵送しますから、もし気が向かれたら、そこの私の家のポストに入れておいて下さい」と、申し上げておきました。
なるべく人に見てもらえるように、しょっちゅういろんなニュースを張り替え、余白には絵葉書なども貼って、せいぜい目を楽しませていただけるように工夫もしているのですが、案外見ていて下さる人もいるのかな。
◇ちょっと軽いものが読みたくなって、唯川恵の文庫本「霧町ロマンティカ」を買って来た。私はこの作家は、同じような何人かの作家の中では一番大衆的な感じで、バカにしていたわけじゃないが、ちょっとなめてた。しかし一度、そういう女性作家たちの文庫本をドカ買いして、全部ななめ読みしたとき、この人の小説は一見一番親しみやすくて軽いようで、いっそ他の人たちよりも、なかなか深いし鋭いし、いろいろうならされたものだった。
この作品も篠田節子の「銀婚式」とか、どうかしたら漫画の「黄昏流星群」とか、テレビの海外ドラマなどを連想するが、それはそういう作品のいいところが似ているので、そういうのにはないものも、いろいろと、ちゃんとある。気分よく楽しめた。
でも、これ「週刊新潮」に連載されてたのか。読者はどういう感じで読んでいたのかな。いかにも昔ながらの男性が好みそうな設定をちりばめながら、気づいたらものすごく、そういう人たちには受け入れられないような要素も、するすると混ぜているのがずるいっちゃあずるい。多分自然にやってるのだろうが、知能犯の確信犯かもしれない(笑)。