1. TOP
  2. 岬のたき火
  3. きゃらめる通信
  4. らくだが通る針の穴

らくだが通る針の穴

忙しいのとふてくされてるのとで、昨日の新聞もまだ読んでないのですけどね。
聖書でたしかイエスが「富んでいる者が天国に入るのは、らくだが針の穴を通るほど難しい」とか言ったんですよね、たしか。

お釈迦様なら象とか言うんだろうけど、中東の人だかららくだが出るんだなさすがーなどということはともかくとして。

最近の新聞の論調を見ると、現実にはともかく理屈というか口先だけなら、安倍晋三とその支持者は、らくだでも針の穴を通ってしまうんじゃないかと思い始めました。「針の大きさは決められていない」とか言うてですねー、らくだも象も通れるような巨大な針を建設したりするとかしてですよ。

人間とちがってコロナはごまかしは効きませんからね。今流行してるわけですよ。それで私ら皆、程度や種類の差こそあれ、大変苦しんでるわけですよ。いやしくもそのトップにいる者なら、国民(外国から来てとりあえず住んでる人とかももちろん皆含めて)を一人でも死なせちゃいけない、病気でも貧乏でも自殺でも、絶対に一人だって死神の手には渡さない、そのためには親の仇とでも手を組む、悪魔にでも頭を下げる、そういう気持ちしかないはずでしょ、あってはならないはずでしょう?
私どこかまちがってますかね?

そのこと以外にエネルギーをさく仕事は、一ミリでもしたくないはずじゃないですか。それをわざわざ、野党を敵にまわし、国会がもめ、国民も悩んで意見が別れて団結も協力も阻害されるような検察庁法がどうたらいう案件で、長々時間をとるわけですよ。夏休みの宿題放っといてパズルやってるとか、家が燃えてるのに押し入れの片づけしてるとか、そんなレベルの狂気の沙汰ですよ。

あれに反対した人たちって、中身もだけど、それ以上に「今やってることか、それ!」っていう違和感と拒否感が大きかったと思うんですよ何よりも。結局その案件がそれで否決されて、そもそもその骨子だった「余人をもって代えがたい」すぐれてるはずの人が、即刻クビにしなきゃいけないクズだったことまでわかって、どう考えてももう詰んでるじゃないですか安倍政権は。

私はコロナ流行の最初から、最大の「急」で「要」な対策は、安倍晋三がやめることしかないと言い続けて来ました。今そう思ってる人はさぞかし増えてることでしょうが、しかしですよ、私はきゃりーぱみゅぱみゅさんのどこが悪いと思うほど、意見も態度も変えていいと思ってますからね、ここで安倍晋三の支持派に一億歩も譲って、まあ今退陣はしなくていいとしてもですよ、今回の件で責任を感じて反省するなら、今からするべきことはそりゃあなた、ただもうひとつ、いらんことには手をつけないで、ひたすらコロナ対策に専念し、国民も政党も、対立したり分裂したりする案件は、すべてもうこの際一度棚上げにしておこう、とそうすることじゃないんですかね?
私まちがってます? もう自信がないわ。

ところがそこで政府が言い出したのが国論を二分する最大の火種の憲法問題に関わる国民投票法案を今国会で通すということですよ。正気ですか本当に。家が燃えてる時に離婚の手続きか遺産相続の手続きかしはじめる以上の狂気の沙汰じゃないですか。

でもさ、いいの。私の要求水準はもうどんどん下がってるから、与党や政府にノミの金玉ほどの常識ももう期待はしてないの。でもね、せめて新聞やテレビは、そこのおかしさ一言ぐらい指摘しなさいよ。寿司食わされてても賭け麻雀しててもいいから(要求水準だだ下がりなもんで)言うことは言いなさいよ、言う時には。

毎日新聞の報道見たら、腹立つからもうよく覚えていないけど、政府が今さらこの時に国民投票法案持ち出して来たのは、「検察庁法案を撤回(先延ばし)して、野党に恩を売った(貸しを作っただっけ)から、今が審議するチャンスだ」とか思ってるんだそうだ。
そして、野党がそれに反対したり抵抗したりするのが難しいのは、検察庁法案が当面なくなって「静かな環境」が保障されてしまったから、審議に応じない理由がなくなったんだそうだ。

あのなーーーーーーーーーーーっ!!(激怒激怒激怒)

どこが静かな環境だよ。コロナは世界中でまだまだ荒れ狂って、倒産不況が目の前かまっただなかなんだぞ。文化も生活も学問も危機にひんして死にかけてるんだぞ。それに全力集中し、皆が協力しなくてはならない時に、ゆたゆた憲法問題などやってる暇がどこにあるんだ。

与党や政府はそう言うたかもしれんよ。あの神経で、あのアホだからな。だけど、それをそのまんま流して何も言わんのかい。ぼけとるんか新聞は。
つくづくもう、わかっとらんな。検察庁法案に皆があれだけ激怒したのは「今そういうことやってる時か!」だったんだっていうことを。種苗だろうが国民投票だろうが、今持ち出すようなことじゃないってことは、まったく同じだっていうことを。

私は高校野球もオリンピックも嫌いじゃないけど、選手たちに涙を流して同情するほど肩入れはしてませんはっきり言って。だけどやっぱり、そういう選手たちのこと思うと、大変なことが中止されて、たくさんの人の運命が狂って、それでも皆「こんな時だから」ってがまんするしかない悲しみやつらさぐらいはわかります。
それを政府は言えんのか。考えられんのか。種苗法も国民投票法も、「こんな時だから」やめとこう、やめるしかない、ってことを。大同団結も大政翼賛も一致団結も私は好きなことばじゃないが、一番そういうこと言いたがる安倍晋三応援団が、なぜそういう団結や協力に水をさして、真っ二つに割るようなことをわざわざ次々にする。新聞もテレビもなぜそこに怒らない。今日毎日新聞がいつものまとめて二万円の集金に来たけど、いっそもう購読やめたろかいと思ったわ。わりとまともと思ってる毎日新聞がこれだから、私の怒りも大きいわけよ。

そう言えば、わりとまともなワイドショーも今日か昨日か検察庁法改正案の話をしてたけど、定年延長そのものには野党は反対してなくて、むしろ早く黒川問題と切り離して審議して決めろと言ってることを、わざとか知らんか黙殺して、野党が法案全体つまり公務員の定年延長に反対してるような嘘八百を長々しゃべってたけど、ありゃ何だ。いいよわかったよ、芸能人をバカにするまでもなく、あんたら法案の中身や審議の中身ろくに知らないんだな、コメンテーターらしき人も含めて。
いいよ、そうだろうよ、責めないよ。それでも反対してるようなこと言ってたのは、やっぱり、「今そんな時か?」ってのが大きかったんだろうから。そういうことにしとくから、だったら、性懲りもなく次々変なこと持ち出してくる安倍晋三らをもっと叱れよ。情けない。

らくだの話に戻るけど、安倍晋三とその取り巻きは、黒川が犯罪行為をしてたのにおざなりな訓告ですませて、莫大な退職金を持たせてやる一方で、責任をとって検察のトップを辞任させ、河合夫妻の告訴を免れようとしてるらしいとか。本当に、自分の首がしまりそうな事態になると、ぬけっとずるっと、それを他人をおとしめて自分を救う理由と手段にすりかえる、この鉄面皮には底がないな。それを指摘も追求もできないんだったら、私は新聞もテレビも関係者は皆黒川と賭け麻雀やってたんだと思うことにするからな。
はああ、毒を吐きまくったら疲れたわ。アイスキャンデーでも食べて寝よ。

Twitter Facebook
カツジ猫