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平成は守った

あと一時間半で、平成が終わる。
日本全国で、「平成とはどんな時代だったか」ということが語られているのだろう。
だが、おそらく、誰もが言わない、もしかしたら気づいてさえいないことがある。

平成とは、どんな時代だったのか。
日本が、戦争をしなかった時代である(まあいろいろと、きわどいところはあるにせよ。)
それは、とりもなおさず、平和憲法が守られた時代である。

平和憲法によって日本が守られた時代とは、なぜか感じない。
それよりも自分が平和憲法を守り抜いた時代だと、強く思う。

平和憲法も私も、生まれたのは昭和だ。
しかし昭和は、その前の時代がある。
若者たちが特攻隊という名の自爆テロで命を絶った時代がある。
他国の人々を苦しめ殺した時代がある。
原爆や空襲による業火の中で多くの生き物がほろびた時代がある。

平成とは、平和憲法と私が、初めて、最初から最後までを見届けた時代だ。
明日になれば、それはもう、誰も手をつけられない過去になって、保存される。
平和が守られた時代、憲法が変えられなかった時代として。

私は天皇制は嫌いだし認めない。
しかし、今の天皇皇后とは、平和と憲法を守る点でいつも一致していた。
それらを脅かすものと、いつも戦ってきた。
私たちは、ともに、平成という時代を守り抜いた。

平和も憲法も自分たちの利益のためならふみにじって何とも思わない支配者がいる。
自分たちの欲望の妨げになるからと、それらを憎みつづける指導者がいる。
彼らは、しらじらしく、上滑りなことばで、愛してもいない国や時代を語る。
まるで自分たちの平成であるかのように。

しかし、私は知っている。
勝利したのは、私たちだ。
憲法と平和が守られた時代として、平成の名は、歴史に残る。

おそらく私は、令和を最後まで見届けられない。
おそらく責任を持って、最後まで見守ることはできない。

だが少なくとも、平成は守った。
誇りと安堵、そしてひそかな愛とともに、
私はそれを見送ろう、そして明日を迎えよう。
新しい時代を最後まで見つめられる、
次の世代の人々とともに。

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カツジ猫