私たちしかいない、いつだってそうだったように
昨日、いやもう一昨日か、朝なにげなく水まきに外に出たら、何だか頭の上にのしかかっていた大きな黒い雲がなくなったような、さわやかな気持ちがした。そして、庭のあちこちに、紅白か虹色か、そんな明るい派手な色の旗がいくつも日光に輝いてはためいているような、そんな幻が目に見えるような気がした。
思いきり息ができる。本当にそう感じた。
オールむなかたの仲間から皆にあてたメールが来ていた。思わず長文の返事を書いたら、浮かれすぎていたからか、うまく送れなかったようなので、ここにそのまま、転載しておく。
K様、皆様
本当に気分がいいです。
それにしても、テレビ報道のみっともなさには、ここまでマスメディアは食い荒らされていたのかと、シロアリの被害を見る思いでした。
何が「ご苦労さま」ですか。それはこっちがあの首相から言ってもらいたいせりふです。
「消えちまえ恥知らず」以外には、私にはあの男にかける言葉はありません。
勝手に「悲願」とかぬかして首相の地位を私物化し、
改憲をやるために、あらゆる禁じ手を使いつづけた愚か者のために、
ぐちゃぐちゃになった世の中を、どこから立て直せばいいのか、
私にはわかりません。
ただひとつ、わかっているのは、そうは言っても、それをするのは、
私たちしかいないだろうということです。
たくさんのものを失いながら、壊されながら、
それでも、私たちは改憲を許しませんんでした。
そのことを今は何よりも、皆でたしかめあいたいです。
15年前、むなかた九条の会を作ったとき、
私は九条を守れると、正直思っていませんでした。
きっと憲法は変えられる、日本は戦争できる国になると思っていました。
ただ、何もしないでいるのでは、あまりに安らかに死ねない気がして、
何かをしたというアリバイづくりのためだけにでもと、
九条の会の活動に加わりました。
こんなに長く、九条を守ることができて、
たくさんの方とのつながりができて、
今もまだ、憲法が無傷ということは、まったく予想もできなかったことです。
私自身が誰よりも、人間の力を、なめていたと反省しています。
当時の代表菰口治先生を初め、
多くのメンバーが、今は亡くなられました。
日本がどうなるか最後まで心配しながら亡くなられた、
まだ私より十歳ほど若い方もいました。
その方々に、伝えたいです。
これからどうなるかは、まだわからないけれど、
あれだけ執拗に、戦後民主主義の息の根をとめようとした、
安倍政権下での改憲は多分もうなくなっただろうと。
コロナも暑さも、猛威をふるう中、
あらためて、自分にも、皆さまにも、
「生き延びて、見届けよう」と呼びかけたいです。
今の状況が、どんなに腐って、崩れて、混乱していても、
よりよい世界が生まれることを、信じている者がいる限り、
希望は決して、なくなりません。(板坂耀子)
ネットで見ると、ラ・サール石井氏が自分のツイッターで、首相の辞任会見が番記者とのお別れ会のようななまぬるさだったというような、私に言わせればとても穏やかな批判をしたのに対し、現職の国会議員がワイドショーで、「総理をつとめた人間の苦しみを知らないで何を言うか」のような怒りを口にしたとか。あらゆる点で何という勘違い、何という気味の悪さ。いつから自民党は、こんな怪しげな新興宗教まがいの集団になったのだ。
そして、世論調査では首相の支持率は急上昇して55%になったらしい。まさか、これでひるがえって続投を宣言しはしないだろうが、NHKをはじめとしたテレビ番組の追悼番組もどきの非常識な報道ぶりの反映にはちがいない。手もなくそれに影響される方も他愛がなさすぎる。2ちゃんねるで誰かが「辞任したのを支持してるんだろ」とコメントしていたのには笑ったけれど。
この状況を見るにつけ、だからこそ、あえてこのメールも転載しておこうという気になった。いくらでも拡散して下さい。出どころもしっかり書いて下さってかまいません。