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物語を!(1)

今日いやもう昨日かの、むなかた九条の会の定例会で、「なぜ今、安倍内閣の支持率が7割にまで上がったのか」という話が出ました。
組織されてない、主体性のない市民が大多数を占める社会形態の生み出すものだ(こんな解釈でいいのか)とか、首相が辞めたことに対する支持率ではないのかとか、日本人は病気などには同情するからその結果ではないのかとか、いろんな意見が出ていて、私もつい、口をはさんだら、とまらなくなりました。

しゃべったことは以下の通り。仲間内という気軽さもあって、かなり表現は乱暴ですのでお許しを。

「まず何はさておき、はっきりさせておかなくてはならないのは、首相がやめざるを得なくなったというのは、やろうとした、ろくでもないことの数々がどれもできなくなって、せっぱつまって行き詰まって、そうするしかなくなったからです。そうさせたのは私たちです。これは私たちの勝利で、彼らの敗北です」

「それを認めさせまい、はっきりさせてはいけないというので、首相と、それを利用してしたいことをしていた連中は、徹底的にその事実を隠し、自分たちに都合のいい物語を作り上げようとしています。辞任会見とそれ以後のテレビのワイドショーは目をおおうばかりのひどさでした。首相に寿司をごちそうになるから田崎スシローと呼ばれているコメンテーターとか、それ以上にひどい、平井なんとかとか、橋下とか、そういう連中がこぞって、ご苦労様だのよくがんばっただのと言った、きれいごとで話を流し、安倍政権について何の検証もしなかった」

「私が呆れ果てたのは、今では皇室でもあまり使わないような敬語で、首相の病院行きや会見を、おいでになるだのお話しになるだのと、普通のアナウンサーが口にしていたことです。北朝鮮じゃあるまいし、正気の沙汰ではありません。そうやって中身のない雰囲気だけの、お疲れ様ムードを演出しまくった。批判したり揶揄したりするのさえ、はばかられるような空気を作り上げた」

これは言い忘れたのですが、そもそもせいぜいの批判が「長期政権からくるゆるみ」みたいな言い方をするのも、とんでもない。長期政権だって多分立派な政権はいくらでもある。少々ひどくなったって、これほどひどいルール無視、弱者無視の政権にはならない。これは「長期政権の弊害」なんかじゃない。「安倍政権の害毒」です。

「そして二言目には、野党がだらしない、民主党政権がひどかった、とバカのひとつ覚えみたいなリフレインを大合唱していた。言ってる司会者やコメンテーターが、野党の提案や活動や民主党政権の実態の何を知っているのか。絶対にほとんど知らないし調べもしないままで、お題目のように口にしている。その二つを誰かが口にしたら、今後は徹底的に突っこんで、黙らせなくてはならない。詳しい説明も資料もいらない。そんなことはない、と、こっちもくり返すだけでいい」

「新聞はテレビに比べればまだましだが、それでも毎日新聞など見ていても、首相の改憲は悲願とか、有終の美を飾ろうとしている、とか、用語がいちいちものすごく、よりそった身内感覚だ。一方で野党の活動については、躍起になっているとか、辞書引いて調べて出直して来いと言いたいぐらい距離をおいた言葉を使う。こうやって、知らずしらずの内に、国民に首相や内閣を家族のように感じさせ、怪しげな身内感覚を作り上げた。これが意図的でないなら、記者たちの症状は重症だと思う」

「だいたい悲願の改憲と言うが、首相はこれまで一度だって一口だって、憲法について語ったことがあったか。議論をしたいのはこっちだ。少なくとも私は天皇制に反対だし、今の憲法を変えなくてもいいとは思っていない。討論するなら、いくらでも国の仕組みや防衛について語りたい。しかし首相の口から一度も、憲法がこれでは国のここが困るからこうしたいといった、ちゃんとした説得や訴えを聞いた記憶がない。いつも手続きを簡単にしようとか、裏口の姑息なところからこそこそと何かをやろうとする。選挙の時には徹底して改憲を隠して無投票を誘って議席を増やして数で押し切ろうとする。あげくのはてには、この条文を変えても何も変わりませんからと言って変えようとする。こんなに憲法について語ろうとしない、議論を避ける首相を私は見たことがない」

はああ。やっぱり一回じゃ終わらんわ。明日にでもまた、続きを書きます。(つづく)

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カツジ猫