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「水の王子」通信(16)

明日あたりには、「村に」の電子書籍の校正ができてくる予定なんですが、それに加えて、知りあいの何人かの方が、装丁というか挿絵というか、そういうのを描いて下さることになっていて、もう普段から私が尊敬し信頼している、一流の方ばっかりなんで、恐れ多くてありがたくて、うれしいけれど恐縮しまくっています。まだどなたのも拝見していないので、楽しみなのです。

そんなだから、自分で下手なイラストなんか絶対描かないつもりだったんですが、ちょっといろいろありまして、ついまた、一枚描いてしまいました。人の顔なんか描く自信ないので、顔の見えない絵にしました。「村に」の一場面です。

でもねー、これ、最初、空の色が薄くて、雲が見えなかったんで、塗り直したのね。そしたら見えるようにはなったけど、何だか、前の方がすっきりしていて、素敵な気がする。でももう塗ってしまったから元には戻せないし、雑にプリントしたから、最初のは、ずれちゃってるし。

どうしようもなかったけど、もったいなかったなあ。
まあ、でも、この場面、どっちかつうと重苦しい状況なんで、このくらい上部に圧迫感があってもいいか、なんて自分をなぐさめています。でもやっぱり何かごちゃごちゃしてるんだよねえ。くやしいったらない。

事情があってというのはね、実は四十年前に第四部までを書いたあとで、すぐ第五部も書く予定で、つい、それまでのまとめみたいにして「限りなくつづくあとがき」っていう、けっこう長い文章をノートに書いたのね。それで、この「通信」で紹介しつつ、今の時点でのコメントをつけたら、ばっちりじゃん!と浮かれていたらあなた、そのノートが見つからないんですよ!

まあまさか使うなんて思ってなかったから、この四十年間ほとんど読んでないのです。だから、どういうノートに書いたのかさえ思い出せない。覚えているのは、「縦書き」だったということだけ。

もちろん捨てたはずはないし、田舎の家に置いていたとも思えない。そもそも「水の王子」の古い四部までの原稿も見つからないから、どっかにはあるんでしょうが、一応創作関係をまとめておいている棚にはないのよ。

そうなると、あちこちの上の方の棚を探すしかないんだけど、これまた実は私、一年ぶりぐらいに、ここ数日ものすごい目まいに襲われて、疲れすぎるとこうなるんで、薬も持ってるので、それ飲んで何とかしのいでるんですが、少なくとも、この状況で、高いところに登って作業するなんて、いくら何でも自殺行為。

そして、あっちこっちからいろいろ引っ張り出したあげく、上の家は今もうめちゃくちゃ散らかって、汚部屋と言われてもしかたがない。目まいがするし体調悪いのに、汚い部屋にいるなんて、あーもう厳しすぎる。

こうなったら、手の届くところにあるノート類だけでも、この機会に整理して、捨てるものと残すものを選ぶ作業をするかなあ、とか、ただでは起きないことを考えているわけで。

だめもとで、雲を小さくしてみたら、少しよくなったかな。これで行くことにします。タイトルも入れとこ。

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カツジ猫