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商売っ気がなさすぎる

庭のジンジャーの香りが今年はいまいちと思っている間に、気がつけば、キンモクセイが咲き出していた。さわやかな香りが漂って来るので気づいたのだが、これもまた、もしかしたら例年に比べて、あまり香りが強くないかもしれない。

冷蔵庫にたまっていた、古いお醤油のパックがそろそろなくなって来て、今日は、下の方からいつの昔か、ピザについてきたレッドペッパーのパックが出て来たので、面白半分、チキンにかけて焼いてみた。そうしたら案外強烈で、口の中が火事になるほど刺激的な味になった。失敗したかと思いつつ、キャベツとまぜて冷蔵庫に放り込んでおいたら、どうにか食べられるようになって、まあ味は悪くない。

日本シリーズは、ホークスが王手をかけて、今日は甲子園の最終戦だ。阪神が2点リードしている。毎回どうなるか、どっちに転ぶかわからない試合なので、今日も最後はわからない。
 ただ、毎回、連続してホークスが勝っても勝利した小久保監督のインタビューが放映されないとか、パ・リーグの扱われ方の粗末さが、そろそろネットで話題になってる。「阪神びいきがひどすぎる」とか「その状態で(ホークスが)勝つのが、気分がいい」とか、いろんな声がネットにあふれている。
 少しというか、かなり前までは、巨人がこういう風な一方的なえこひいき報道がテレビでも何でもあたりまえで、おかげでもともと、そう嫌いでもなかった巨人が、私も母もすっかり嫌いになったのだけど、今回も別に阪神が嫌いじゃなかったのに、これだけいろいろ報道が肩入れすると、なーんとなくいやになりそうで困っている。

柳田のホームランで同点になった。これだけ熱戦が続いているのだから、もうちょっと両チームに公平に肩入れして盛り上げてほしいのにな。実況でもニュースでも、アナウンサーや解説者が、パ・リーグのことを選手もチームも、あまり知らないようなのに、何だか白けてしまうことがたしかに多い。日ハムの新庄監督が、あれだけ派手に話題作りにはげんでいたのも、もっともだと、つい考えてしまいそうだ。

だいたい、欲がなさすぎると思うのよね。テレビ局だか、日本プロ野球だか、どこかしらんけど。私はセ・リーグには詳しくないから、阪神にここまでどんなドラマがあったかは知らない。しかし、今年のホークスは、最終的にはどうなるかは知らないが、シーズン当初から故障者があいつぎ、最下位に沈むほどの状態から、あれこれあって、リーグ優勝、もつれまくったCS勝利、漫画でもないような展開のドラマつづきの一年だった。まあ、あまりそれでべたべたのお涙ちょうだいドラマにして、くり返し語られるのもいやだけど、話題にしてとりあげるのには、ことかかない、、おいしい材料がざくざくじゃないか。

それこそ漫画でもありえないような、死球つづきで負傷続きで、満身創痍を文字通りに体現しながら、決して笑顔を失わなかった選手会長やら、大ベテランでありながら、代打専門に使われて文句も言わずに役目を果たし続けたベテランやら、伝説の名捕手が移籍していなくなった後、その後を務めるのに必死で苦労した若手の後輩やら、最初は二軍スタートでも嫌な顔もせず悲劇的にさえなりもせず、打撃の中心になって首位打者争いをした「話の面白くない」選手やら、じわじわと守備と打撃をみがいて再三チームの危機を救ったほのぼののどかな選手やら、負けん気と意地とですぐれたユーティリティの才能を発揮し育成初の首位打者になった中堅選手やら、さまざまな過去を背負って時にはネットの中傷にもさらされながら自分の仕事を果たし続けた投手たちやら、不振にあえぎつつ、練習にはげんで、ホームランでチームの危機を救った選手やら、その他ベテラン中堅新人と入り乱れてそれぞれの役割を果たし続けたホークスのメンバーは、それぞれに個性にあふれ、語り尽くせないほどの過去を持っている。これだけおいしい題材や逸話が満載のチームに注目して、それを活かした報道をしないでどうする。興行的にも、もったいなさすぎるだろうがと、見ていて実にイライラする(笑)。

大谷選手もきらいじゃないし、メジャーリーグに注目するのも悪くはなかろう。でもせっかく日本で、それなりの魅力あるチームや選手や対戦がたくさん存在しているのに、もうちょっと調べて、伝えて、盛り上げた方が、経済的にもいろいろいいんじゃないでしょうか。
 コメの増産はどうやら方針転換になりそうで、それもどうかと私は思っているけれど、もっと国内の、足元の財産を有効活用することを考えたっていいのじゃないの。それも、そこそこ人気があるいくつかのチームにばっかり群がるんじゃなく、いろんなチームのそれぞれの特徴や魅力をもっと、ていねいに、こまめに探って行く努力も報道関係やスポーツ産業関係は、もっと考えてもいいんじゃないの。

そんなことを考えている間にも、試合は大詰めになってきているようで、1点差をホークスが守るか阪神がねばって逆転するか、ぎりぎりの攻防がいよいよ最後になってきている。
 そんな中、ふと、こんな時に戦力外を通告された選手たちが、どんな気持ちでこれを見ているのかと、思ってしまう。
 ホークスで言うと、板東投手も戦力外になった。きれいな顔で知られるが、まじめな性格と何より猫が好きということで、親しみを感じていたので、残念だ。

あ、ホークスが勝って優勝。さすがに今日は監督のインタビューもしっかり流れた。柳田選手に、漫画を読まずに本を読めと言っただけあって(笑)、小久保監督の話は、整っていて無駄がなかった。
 かなり寒そうだが、ビールかけなどやるのかしら。

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カツジ猫