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簡単に(でもないか)

昨日予告した、私の周東選手の評価について簡単に。
とことん上から目線というより横から目線の単に素人の印象です。

いきなり変な話から入りますが、俊足が魅力の選手というのは、基本的に追われて刺されてしとめられる要素が大きく、どんなに華やかでカッコよくても、どこか悲劇的な痛ましい魅力があります。周東選手は外見や雰囲気が、そのイメージによく合っていて、ファンや仲間や首脳陣にも愛される。一度華やかに活躍してその後不振に苦しむ選手には、それでも決して離れない根強い熱烈なファンがいるものですが、彼にもそれはすでに多いし、チームにとってもプロ野球界にとっても、興行的にその存在は貴重でしょう。一方で、そのイメージを好まない人にとっては生理的に不愉快な存在でしょう。そういった激しい好悪をぶつけられる周囲の反応にどう対応して行くかは、ストレスも大きいでしょうが、求めても得られない、恵まれた課題でもあります。

彼の存在によって、俊足の選手が注目され、その対策も含めてプロ野球全体が変わろうとしています。昔からそういう名選手はいたし、その伝統は引き継がれていましたが、最近のその変化は彼の活躍の影響が見逃せません。その点での彼の功績は大きいし、昔とはさまざまに異なる新しい状況の中で、その最初の存在として道を切り開いて行く重圧もあります。彼自身がその役割を知っていて、その課題から逃げないで、果たそうとしている。去年の契約更改での保留と発言もその責任を自覚したものでした。

口はばったい言い方で恐縮ですが、個人的には彼の長所は「くり返さない」ということだと思っています。打撃、守備、あるいはレギュラーとして出場しつづけること、などなど、常に新しい課題を与えられ、それを克服して行っている。模索と工夫と努力を怠らない。疲労や力不足もあって、失敗や足踏みもあるでしょうが、そういう時の反応も、去年と同じではなく、ちがった姿を見せる。常に自分を甘やかさない、強い意志を感じます。

自分で再三、人見知りと言っているように、コミュニケーションは得意でないはずなのに、ライバルも含めた先輩後輩と常によい関係を保とうとし、プレー中でも意思疎通に積極的で、投手をはげますなど、チームの一員としての役割を意識しているのがわかります。チームや周囲から教えられることもあるでしょうが、昔から意識的に自分の立場に求められることを理解して、それをめざすのでしょう。そういったことも、負担や疲労を生むでしょう。

最近の失敗の多さは、彼の責任ではない場合まで、誤解されている部分もあり、もともと紙一重のプレーが多い分野で、急速な成長に対しての相手の対策の強化が主な原因で、ひとつひとつを見ると、劣化も退歩も特に感じられません。ただ、新しい状況にまだ対応できていない面があり、それを今後どのように克服して成長するかは、首脳陣と本人の考えることで、私にはわかりません。
 彼に限ったことではありませんが、指導する監督やコーチの方針と自分の考えのちがう場合もあり、彼は自分で納得しなければ無条件に指導に従うことはないでしょうから、そういった悩みや停滞もあるかもしれません。しかし、彼の何よりの武器は、野球の技術も性格も含めて、自分を分析し理解する力だと思うから、そこは充分にそれを活かすしかないでしょう。

他の選手と比較していないから、どの程度皆がこうかはわかりませんが、彼の内面は複雑で多彩な要素を持っています。気を許した人には見せる激しさや暗さもあり、そのことを自分でも知っているでしょう。しかし、それらの危険な面もありながら、一貫して私が彼に感じるのは、人間として選手としての「志の高さ」です。それを失わない限り、何も心配はないはずです。

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カツジ猫