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発表資料(6)

にしんさん

〇博多座での観劇記

 

11月18日水曜日、大学の講義を経て、博多座で公演中の『市川海老蔵 特別講演』

午後の部を観劇した。博多座は、博多駅から歩いて約20分で着く距離にあった。

 

夜の部では、15時30分から開演、①羽衣(約20分)②茶壺(約40分)③ご挨拶(約30分)④お祭り(約20分)の4つの演目があった。

 

【羽衣について】

 『羽衣』は、「羽衣伝説」を題材にしたもの(※諸説あり)で、室町時代から上演される人気演目の1つ。登場人物は、漁師の伯竜と天女の2人、舞台は三保の松原。

松の木にかかった美しい衣を見つけた伯竜は、家宝にしようと持ち帰ろうとする。そこに天女が現れ、羽衣を返してほしいと頼むが、伯竜はこれを拒む。しかし、羽衣がなければ天に帰れないと嘆く天女の姿を見て、伯竜は羽衣を返すと申し出る。天女は、返してもらった羽衣を身にまとい、舞を始める。次々と舞いながら天界へと戻っていくところで幕が下りる。

 

【茶壺について】

 1921年に帝国劇場で初演が行われた、岡村柿紅(しこう)さんによる作品。

登場人物は、田舎者の麻胡六、盗人の熊鷹太郎、目代某の3人。

茶好きの主人の令で都に仕入れに来た麻胡六は帰り道、酔って道端で寝てしまう。そこへやってきた盗人の熊鷹太郎は、麻胡六の持つ茶壺に目を付けてこれを持ち去ろうとする。麻胡六が目を覚まして騒ぎになり、そこへ目代が現れ、仲裁に入ろうとする。

お互いの話に耳を傾ける目代だが、麻胡六の話を盗み聞きして、熊鷹太郎が同じことを申すので、目代は混乱する。しかし麻胡六は、盗み聞きされているもとに気付き、ささやき声で話をすることを提案。これにより熊鷹太郎は誤魔化しがきかなくなり、観念して茶壺を奪って逃げだし、麻胡六と目代が追いかけるところで幕が下りる。

 

【お祭りについて】

 江戸時代、江戸城の鎮守と言われていた赤坂の日枝神社と平将門を祀る神田明神は、崇敬を受けていた。この2つの神社の祭りは1年交代に行われ、「天下祭」と呼ばれ、江戸の庶民の大きな楽しみであった。この祭礼を題材にした舞踊が、『お祭り』という通称で人気舞踊として上演されている。

 

 

 歌舞伎を観るのは人生で初めてで、始まるまでパンフレットのあらすじを読んで話についていけるようにと必死になった。思ったことは、とにかく女形がきれい。本当に男の人が演じているのか疑いたくなるほど、所作がきれいだった。挨拶の時間では質問コーナーがあり、準備にどのくらい時間がかかるのか、という質問があった。15~20分で、お化粧も衣装の着替えも済ませてしまうらしい。慣れってすごいな、と思った。私がしたら1時間あっても終わらないだろうな、と思った。個人的には茶壺がとても面白かった。調べてみると約100年前に作られた作品と知って、人々の笑いは昔から継承されているものなのだなと思った。3階席で舞台からかなり距離があったのに、動きを見ているだけで表情も伝わってきて、すごいなと思った。

 

世の中がこんな状況になって、今まで出来ていたことが当たり前には出来なくなった中、役者の方もいろんな思いを背負って舞台に立っていることがとても伝わってきた。

マスクなしで鑑賞が出来て、席も前後左右空けずに詰めて座れるような日が、1日でも早く来たらいいな、と感じた。

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カツジ猫