「ローラーガールズ・ダイアリー」感想(つづき)。
(こんなスマートで愛すべき小品の映画に、ふたつにわけなきゃならんような、だらだら長い感想書くなよーと、自分で自分に文句いいながら、つづけます。)
だから、それもあって、主人公とその人たちとの関係がどうなるか、まるで予想がつかない。最初に言ったようにおおかたの筋は絶対予想がつくし、その通りなのだが、細かい点はもうまったく予断を許さない。まるで現実そのもののように。実際、はあ?っと驚いたことも、いくつかあった。最近の恋人は大変なんだなー、女性も強くなってるなーと(不愉快じゃなく、むしろ自分の古さに気づきながら)思わされたりして。
案外、予想通りとか普通の展開とか思うのは、すべてがていねいにきちんと描かれているから、そう思うだけで、しかもしつこくなく、さらっと描かれているから、気づかないだけで、けっこう意外な展開で、思いがけない結末なのかもしれない、これ、いろんな意味で。
スポーツもの、親子もの、青春もの、友情もの、いろんな要素がありながら、どれも無理にからめたっていう感じがしない。すごく良質の、実は高級品の映画だ。全編、あたりまえのことしか言ってないのに、くりかえすが、一瞬も退屈しない。
あ、新鮮な驚きと言えば、主人公と友人がバイトしてるファミレスの屋根にくっついてる、きもちわーるいブタの商標も、彼女たちが着せられてるブタの顔のついたエプロン(しかも、微妙にくたびれて、耳がくたっと折れたりしてるの)も、何かもう、ものすごい現実感と既視感で、私はアメリカにもアメリカの田舎町にも行ったこともないのに、「そう! そう! あそこってこうよ!」と心の底から叫びたくなったのは、いったいどーゆーマジックだろうか(笑)。
要するに、そういう映画である。
追記・気持ちの悪いブタは、ここ↓で見られます。