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あ、そうか…

「インセプション」、今思い出してて気づいたけど、あれは人の脳内に侵入するのじゃなくて、自分の脳内に人を誘いこむのか。もしくは、どっちでもなくて、自分の脳が作り出した世界に相手の脳を合体させるのか。
だから、それって、小説書いたり映画作ったりすることと同じなのか。自分の作った世界に人を誘いこんで、自分の考えを植えつけるんだから。

でも、そこもふくめて、そこも感じて、私はやっぱり「そんなことするもんじゃないなあ」と思ったんだよなー、多分。

私は小説書いたらもう、その世界からはさっさと逃げ出すことにしてるからなあ。そこに読者が入りこんで、どうしようと勝手だけど、そこに自分がまだ残って、読者といっしょに何かしようとは決して、絶対思わない。
作る時には、人に知られないように作るし、作ってしまったら、そこからは離れる。残ってたら、そこを突破口にして、自分の中に侵入されるから危険だ。

(以下ちょっとネタばれか?)強力な鎮静剤だか睡眠薬だかを使うにしても使わないにしても、あの夢の世界を作って、そこに入るには眠らなきゃならない。
そこに私は一番びびった。でも、それは事実そうなので、何かを作り出す時って、排泄時(ある意味排泄だわな)と同様、もうまったく無防備で、攻撃されたらおしまいだ。
何の予防策もとらずに、それやるから、ひやひやした。自分ならあれだけは絶対やらんと思った。
作る時はしかたがないけど、だから、その時も人は近づけない。そして、作ってしまったら、もう、大急ぎで、そこから離れる、書いた時の自分と他人になる。新しい自分を見いだす。私の小説や書いたもの読んで、私を理解した気分になってる人には、「もうあれは昔のことで」と言ってしまう。

でも、今考えたら、歌手の人なんかは、そうはいかないのか。自分をさらけ出し、他人と世界を共有しなきゃしようがないのか。そっ、そっ、それは恐いよなあ。
うーん、もっといろいろ考えられそうだな、これは。

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カツジ猫