1. TOP
  2. 岬のたき火
  3. 日記
  4. あれま。

あれま。

◇車を車検に出しているので、今日は家にこもろうと思い、ずっとパソコンをたたいていました。
上の家の片づけもしたかったけど、まあ明日でもいいやと思っていたら、なななな何と明日からまた寒くなるそうで、週の半ばに行くはずだった温泉も、予定をとりやめ、あわててホテルをキャンセルしました。
まだまだ服が多すぎるので、明日は上の家の洋服を第二次の大幅整理で片づける予定だったのですが、寒いんじゃなあ。やめとくか。

◇仕事はぼちぼち進んでいますが、趣味で書いてる小説も、いやに順調なので時間をとられて困ります(笑)。ただ困るのが、今に始まったこっちゃないけど、登場人物に弱い女性というのがまるでいない、可憐な少女というのもまるでいない。まあ今どきそんなもん、ハリウッドの映画にでもおらんわいと言えばそれまでなんですが。
何しろ主人公二人が少年ですからね。腐女子の方でいわゆるショタ趣味の方は喜ばれるかもしれないけど、例によってめちゃくちゃ取り越し苦労する私は、将来もしもこの小説が映画化やアニメ化される時には、バカな制作者が一方を女の子に変えてしまうのではないかと思ったりして、そう思っただけで怒髪天をついたりしているから、つっくづく不幸な性格だわあ。そう言えば昔、私「この小説をもし映画化するのなら、初めて映画に出る俳優だけを使い、撮影が終わったら皆殺すという条件のみで、許可する」とか、うそぶいておったわいなあ。

それと、一応何とかうまく行っていた共同体が、一人の愚かなやつのために崩壊する、みたいな展開があるんですが、こいつのモデルが、「弱者みたいな顔しつつ強者になって行く」みたいな存在すべてで、どこぞの大学の学長とかどこかの国の首相とかが、どうしてもかぶって来るわけです。
で、そうなると、そういう勘違いな指導者の本質や特徴は何か、ということを分析することになってしまい、いろんな人とメールでやりとりとかしているんですが、なかなか難しい…内はいいんですが、面白くなって来て、あげくのはてには、そういう政治や運営のひどさみっともなさを、「あ、いい材料になる、参考になる」と歓迎しそうになるのが、これまた超恐い。

ある人からのメールで参考になったのが、「彼らは決して愚かなわけではなく、やっていることのひどさに、うすうすは気がついている」というものでした。あくまで「うすうす」なのですが。だから、恫喝し開き直りもするのだと。
わかる気がする。そして同情なんかしてる場合じゃさらさらないけど、それはとてもとても不幸な状態のような気がする。
私はこれまで人生で二度ほど、かなり長期にわたって、本意でない信念にもとる生き方を続けた時期があって、その時の感覚と言うのは、過去とも未来とも世界ともつながれない、自分の心をのぞきこめない、あらゆる文学や芸術や思想に共感し味わうことができない、というもので、これはかなりの地獄でした。
そういう感動を持つ喜びを一度でも知った人なら、それが許されない人生には耐えられません。
首相が以前に「レ・ミゼラブル」に感激しなかったというのを聞いて私はそりゃそうだろうと思いましたが、たしかその時「サッチャー」の映画には感激したと言ってましたね、彼は。
でも今は、「サッチャー」にさえ感激できるのかな。私はあの映画きらいだし、サッチャー本人も好きじゃないですけど、彼女は曲がりなりにも自分の信念を貫いて、正面から国民を説得しようとし、傷つくことも恐れずに本音を語った政治家でしょ。あの映画にもそれは描かれていました。
今首相がしていること、というよりしていないことというのは、サッチャーとは何の共通点もないですよ。もはや、あの映画を見ても共感できる要素はないと思います。いくら何でも。
それは、私の体験で推測する限り、人間としてかなりつらい、ひどい人生だと思いますけどね。

◇ところで最近、私の生活で娯楽としてはこれしかない状態のドラマ「ナポレオン・ソロ」のDVDは、いよいよ泥沼の第三シーズンに突入します。楽しみだわ。
まあ第二シーズンでも最後の方は多分人気上昇中のイリヤ君ことデビッド・マッカラムを、たいがいもて遊んでいましたから、これがエスカレートするんだろうと予想はつきますけど。この前の回では闘牛士やってたし(笑)。

でも、どことなくやり口が洒落ているので笑っても不愉快にはならないのが、センスの良さなんでしょうかね。どの回だったかで、敵の本拠地があるビルに行ったイリヤがエレベーターに乗ったら、途中の階でものすごく大きな男が三人乗って来て、ぐるりと彼を取り囲み、小柄な彼は三人の胸の高さに顔がある状態で、そのまま問題の階に着いたら、敵の女ボスが拳銃を構えて待っていて「降りなさい」と言って、あっさり捕まるのですが、男たちはそのままエレベーターで上に行ってしまい、「彼らは君たちの仲間か」とイリヤが聞くと女ボスは「いえ、下の階の会社の人たち」とか答えるのなんか、妙に笑える。またその時にイリヤというかマッカラムが、三人の大男の中で気まずそうな不安そうな微妙な顔をして見せているのが、電車の中で痴漢を警戒してる女性(は実際にはそんな顔を表だってはしないけど)の心境をそのまま絵に描いたような表情で、なまじな色っぽい場面以上にある意味危険でした(笑)。
ソロはソロで、敵の新薬で幼児退行したふりをしてる場面で、そりゃもう楽しそうに「クッキーとシナモントーストほちい、あー、ガラスびんがきれえ」とか嬉々として舌足らずに言ってるのが、実にうれしそうで、役にはまりすぎてるし。しかし、それを見て、この様子をイリヤ君が演技と知らないで見た場合、さぞかしショックを受けるのではあるまいかと心配になった私も、しっかり制作陣の計画にはまってしまっているのかもしれない。

Twitter Facebook
カツジ猫