あんたが言うかい
私があんまり、だらだらちびちび読んでいるので、ふてくされたのか、夏目漱石の「明暗」の文庫本が、どこかに見えなくなってしまった。面白いから楽しんでたのに。えーん、出てきてよー。
しょうがないから、やはりちょっと読みかけてた同じ漱石の「坑夫」を読んでる。これがまたね、面白いのよ。小林多喜二の「蟹工船」かいみたいな感じもするし、そういうプロレタリア文学やら自然主義やらの泥臭さや汚さもちゃんと無理なく現れていて、しかもすっきりさわやかで品がいいのよ、ものすごく。そういうジャンルとか何かを飛び越えて、すぐれた作家はどんな世界でも、ものにしちゃうんだなーって、よくわかる。まあしばらくは、これで時間つぶしと気分転換をしよう。
今朝は横庭の草取りをしたついでに、思い切って、鉢に植えていた柿の小さな木を、そろっと一本地植えした。数年前から適当に食べた柿の種を、そのへんの鉢に突っ込んでいたら、どれもみごとに根付いて、五六本がけっこうなしっかりした若木になっている。全部地植えしてやりたいが、そしたら横庭が柿林になってしまって、お隣りの家も迷惑かもしれないしなあ。奥庭の奥の荒れ地の境界に植えてもいいが、あそこはもう、サルスベリの、これも勝手に芽が出て育った若木が二本あるしなあ。
などと、とつおいつ悩みながら奥庭に行った。昨日しっかり雨が降ったから、今朝は水まきはしない予定で、ただ様子を見に行った。そうしたら豪華なバラが一株、二本の枝が満開になって、藤の花みたいに地面に垂れ下がっているではないか。もう選択の余地はなく、とりあえず切ってきて水差しにさした。これは私が一番初めに、要領がわからず金に糸目をつけずに(笑)買った数株の高級なやつのひとつで、もう花の大きさも豪華さも他と格がちがう。見ているだけで、こっちが食われそうで恐い。
日本の与党もたいがいだが、プーチンとネタニヤフもまったく言うことすること、すっとぼけるなと言いたいことばかり。昨日の市政報告会で久々に会った社民党の三島さんとしゃべり、「あいつらより早くは死ねない」とか、「日本で、国のために血を流せ、みたいなことを平気で言うやつが出て来たのも不愉快」「しかも言ってるのがメダルかじりの市長だとか」「言うわけも絶対ないが、たとえば中村哲さんがそういうことを言ったのなら、ちょっとは考えてもいいけど、よりによって、そういうことを口にするメンツがあれじゃ」などと言ったことだが、まったくもう、あんたにだけは言われたくないというやつに限って、口にするんだよね、こういうことを。