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いちごをめぐる攻防。

◇上の家(伽羅館)の門柱のそばには、雑草にまじって毎年いちごが赤い実をつけます。今年も花が散ったので、そろそろかなと思っていたら、もういくつか実がついていました。
ただし、すぐに虫が食べるので、熟れたと思ったらすぐもぎとって食べないといけません。
今年は先日一個食べました。小さい実ですがスーパーで売っている立派ないちごと比べて、清々しい野生の味がして、なかなかいけました。でも二個目に熟れたのは、しっかり虫にかじられていました。
三個目が半分ほど赤くなりかけていたから、明日の朝が勝負だな(笑)。

◇行きつけの花屋さんに夕方立ち寄ったら、明日が母の日ということで戦場のような騒ぎでした。私も老人ホームの母に持って行くカーネーションを買うことにして、ピンクやオレンジ、真紅や緑、絞りのようないろいろのを、一本ずつまとめて、お菓子のようなかわいい花束にしてもらいました。
その途中で、灰色がかった黄色のような、ふしぎな色のカーネーションがあるのに気づき、風変わりで素敵だなあと見とれました。「これに濃い赤を混ぜると、お洒落ですよー」と言われて、事実そうなのですが、母はやっぱり単純に華やかなのを喜ぶだろうなあと思い、でもそのふしぎな色のも魅力的で捨て難く、とうとう、「いいわ、両方もらう。かわいいのは母に持って行って、そのお洒落なのは、カツジ猫が私にくれたことにする」と言ったら、花屋のオーナーは死ぬほど笑って、「カツジはもう、どんだけ愛されてるんですかね」と言いながら、二つの花束を作ってくれました。

母のは、今夜のうちに持って行きました。プレゼントは買ってあるので、明日ケーキといっしょに持って行きます。「カツジがくれたことにする」分は、ちょうど、うちの台所の花瓶にさしていたナデシコが枯れたところだったので、それを捨てて、代わりに入れました。なかなかいいです。
花屋のオーナーは、花束を作りながら、「でもカツジは、人間だったら絶対、とてもセンスのいい芸術家の青年っぽいから、きっとこういう色の取り合わせの花束を作って持ってきそうですね」と言っていました。まあねえ、たしかに、普通に素直にピンクや赤のカーネーションをくれるタイプじゃないような気がする。あいつが人間だったとしたら。

◇ちらちら見続けている海外ドラマの「LOST」は、ハッチが爆発してホッキョクグマにさらわれたエコーさんを、ロックが助けに行ったりしてるが、このあたりの話も見たはずなのに、何一つ覚えてない私もすごいな。同じ海外ドラマの「キャッスル」で、記憶喪失になっちゃった青年をキャッスルがなぐさめて、「いいじゃないか、ポオの『アモンティリヤード』を最初からまたどきどきしながら結末知らずに読めるなんてうらやましい」と言ってたけど、ほんとに、これだけ何もかも忘れていたら、何だか得をした気分だよ。

ただ、このあたり、私はベンやジュリエットが最初見たとき、本当にすみからすみまで大嫌いで、そこはよく覚えているのだよな。別にジャックやケイトやソーヤーの主人公側がそうものすごく好きってことでもないので、彼らがいたぶられてるのに腹が立つというのとも、ちょっとちがう。ただもうあの、何か変に余裕かましていて、そのくせほんとは悪人でもないという、妙な中途半端さが、ひたすらものすごく不愉快である。いかにも普通の人っぽいのが、また神経を逆なでする。スタッフがこういう効果を全部計算して作ってるとしたら、それなりに大したものである。

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カツジ猫