いつもながらお見事。
◇毎日新聞、松尾貴史さんの「ちょっと違和感」。選挙違反になりそうな、具体的なことばは何一つ使わずに、はっきりとアベ政権を継続させることの危険を述べた、みごとなテクニックに、ほれぼれしました。ことばの「芸」としても秀逸です。
https://mainichi.jp/articles/20171015/ddv/010/070/003000c
◇同じ毎日新聞のコラムの中森明夫さんの、少し前の文章も、いつものサブカルチャーやオタク風の情報ではなくて、まるで襟を正して正座したような迫力で、ヒットラーの独裁に断固抗議しつづけたトーマス・マンの文章について書いていて、何か、ある覚悟が吹きつけてくるようでした。感動するとともに、ああ、それほどに、こういう人たちまでが危機感を感じているのだと、背中がぞくっとしたものです。
https://mainichi.jp/articles/20170919/dde/018/070/003000c
◇この二つの文章、とりわけ、若い皆さんはぜひ読んでみて下さい。ここには、「教養」と「知性」をさまざまなかたちで守り育てて、引き継いできた人たちの、深く真剣な洞察と、おののきがあります。