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いやな渡世だなあ

大相撲を聞いてるんだけど、あらまあ、高安が負けちゃったのか。解説者たちが口をそろえて優勝させてやりたいと応援していたから、何となく悪い予感はしてたんだけど。

このところの横綱や大関がぼろぼろの戦国時代で、誰が優勝するかもわからない状況って、私はそんなに嫌いじゃない。むしろいい意味で目移りがして面白い。皆も何となく、そんな気になってるんじゃないのかな。
高安は見た目がごっつくて、毛ガニみたいなのが今風でないのが面白くてかわいくて、印象に残ってた。これで優勝しなかったらさぞかし悲劇のヒーローみたいに扱われてしまうだろうし、そういう意味では優勝して、変なドラマを作らせないよう、めでたく決着つけてほしいけど、そううまく行くもんだろうか。

例の共産党の人がサッカーで「日本が勝って残念」とツイートして炎上した件に関して、

日本人なんだから、日本チームを国民が一丸となって応援するのは自然なこと。それを怖いとか、バラバラが良いとか思うのは、日本共産党員か、よほどの変わり者だけではないか。(てつや)

みたいなツイートが平気で書かれまくってるのを見ると、これが共産党嫌いの人がここぞとばかりに書いてるのならまだいいけど、ほんとに素直にそう思い、感じている人が多いのだったら、ちょっともう、真剣に私は生きてていいんでしょうかとびびる。私は大相撲でも何となくひいきにしてしまうのは、日本以外の出身の力士なんだよねえ。だから朝青龍も白鵬もちっとも嫌いになれなかった。琴欧洲が好きだったのは好きな俳優のラッセル・クロウに似てたって要素もあるけどさ(笑)。白鵬は最近解説をしているのを聞くと、その話の深さや広さに驚いて、あの成績も当然だったのかと実感する。

海の彼方から来た人には親切にしなきゃ、って精神がいつもあるのよ。母なんか、オリンピックでも何でも、「よそから来た人たちに勝たせてあげるのが礼儀ってもんじゃないの」なんて言ってたからね。もっとも晩年にはサッカーでもラグビーでもバレーでもせっせと日本を応援してたから、一人の人間の中でも、こういうことは変わるのだろうけど。

そもそも、私の一家は長崎出身で、だから駅伝が近くの道路を通って、村中が旗振って「大分がんばれー」と応援してる中、母や祖母と「長崎がんばれー」と声をはりあげてたもんね。一度人のよさそうな長崎の選手がへらへら笑いながらのんきに走っていて、私らの応援の声にびっくりして、ちょっと振り向いてから走りつづけて行ったこともあったっけ。

基本的には私は地元や地域で一団になって応援するのは好きじゃない。だからプロ野球でも地元のチームのホークスの情報に詳しくなって、つい選手のひとりひとりに親近感を持って応援したくなるのは少々自分で困っている。しかし、これは理由もあって、そうやっていろんな情報を見ている限り、ホークスにはあまり目上や年上がいばっていたり、監督やコーチが選手を過度に厳しく指導したり、ふまじめやみだらという要素がなく、オーナーの姿勢も正しいと見えるから、好意を抱いても大丈夫って気があるからだ。多分これが今後のプロ野球を含めたスポーツのあり方が進む方向だろうし、そうであってほしいと願っているからだ。

つまり、いろいろあるけれど、無条件にひっくるめて、地元を皆で応援しなければいけない、そうでなければ楽しめないという主張は、あまりにも乱暴だしいろんな事実を無視している。人にはいろんな事情があるのよ。それを想像もできないで、地元ならいっしょに応援できるなんて、無茶過ぎる。

あー、それで思い出したけど、私別にサッカーの日本チームは嫌いじゃないし、負けろとも思わないけど、人権問題への抗議の姿勢とかでもドイツチームは好きだったし、今日の対戦相手のコスタリカはもっと大好きなんだよね。あそこは軍隊を持ってない国というので、「むなかた九条の会」の代表してたころ、ちょっと資料を調べたこともあって、すごく親近感があるの。勝っても負けても好きだけど、勝ったらきっと嬉しいと思う。何でもう日本チームは、こんなに私の好きなチームと対戦してしまうかなあ。せめてロシアかアメリカかイランかカタールとでも対戦してくれりゃいいものを。

あらー、決定戦でも高安負けちゃった。しかも足を痛めたみたいで、三つ巴戦やれるのかな。何だかんだで、これはまた、いろいろとんでもないことだよ。

そして阿炎が優勝しちゃったじゃないか。何と何と。

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カツジ猫