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いやはや。

リンクしてるラッセル・クロウのファンサイトで、私がプレシャスの母親だのコモドゥスだのロッツォだの、他人にひどいことするのも無理がない、かわいそうな悪人のワルクチをごまんと書いたら、そりゃもうぜひ、「告白」を見るべきですと推薦してくれた人がいらっしゃいました。で、さっそく見てきました。時間があったので、ついでに「ソルト」も見てきました。

ええもう、ほんとに「告白」の感想は、あの「弱い悪人」への悪口雑言がそのまんま使えそうで、いろいろ、胸がすっとしました。
胸がすっとはしましたが、こんな映画ができるのも、そしてけっこうロングランということは共感する人が多いのかもしれないのも、要するに私と似たことを感じたり考えたりする人が、そこそこいるってことかと思うと、ちょっと、かなり、不安ですね。時代に追いつかれてきてるような、あせりを感じます(笑)。
私の言うことや、ひそかに考えてることなんか、他の人は想像もつかないで、言ってもぽかんとされるだけで、とことん少数派でしかない、という状況にずっと慣れてて、それで気分が安定してるので、人と同じ意見になったり、メジャーになったりすると、つい、わー、あとがないと思ってしまう。

でもとにかく、「告白」の緊張感と充実感はすごくて、「ソルト」が昔なつかしい、ひなびて明るいチャップリンかエロール・フリンの活劇みたいに見えました。まあ、楽しめましたけどね。
どっちも、感想はまたゆっくり書きます。

キャラママさん。
「アデン・アラビア」は、ラストがけっこういいですよ、たしか。私の記憶では。

今、ヤスミナ・カドラの「昼が夜に負うもの」を読んでます。アルジェリアかどっかそこらの話です。主人公の少年が語り手でもあるので、この子は天使のように美しいのですが、自分でそう言うわけはないし、わかってもいないから、そのことがわかるのはずっと後で、ちょっとイライラします。だって、裏表紙の紹介に「青い目で天使のような顔」の少年、って書いてあるんですよー。でも最初から読んでると、そんなこと全然わからない。まあ、「私は美しい少年だった」とか書くのもどうかとは思うけど、せっかく回想なんだから、書いてもいいような気はする。

この人のお父さんが、イスラムの人だからか「オトコってバカだから」かどうかは知りませんが、誇り高くて家族を守ろうとして、人に頭は下げないし、仕事がうまくいきそうになったらすぐ舞い上がるし、読んでてもう、苦しくなって心臓に悪いです(笑)。あー、どうせまたうまく行くわけないと思って。

もうあまりにも予測できるから、ネタばれにもなんないと思って書いちゃうと、冒頭、収穫前の畑が火事になるときは「3時10分、決断のとき」の父親を思い出し、その後の貧困の中で仕事をさがすくだりは「シンデレラマン」みたいだし、頭にターバン巻いてようが西部のオトコだろうが現代だろうが、父親って皆こんなんかしらん。「3時10分」や「シンデレラマン」の父親たちも、立派でけなげなようだけど、見方によっちゃ、この小説のお父さんと紙一重の危なさがあるよなあ、などと気づいたりして。

ゆきうさぎさん。
それって、つまり、欠けたお皿を普通に食器棚に並べるってことですか? うーん、それはやっぱり、問題かも。
「猫の食器」と書いたかごか箱を作って、入れておいたらどうでしょうね。あ、もう遅いけど。

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カツジ猫