「ソルト」感想。
わりと簡単にすみそうな方から先に書く(笑)。
アンジェリーナ・ジョリーってタフな感じだから、なぐられても蹴られても、あまり悲惨に見えないのがいいなあ。同じ強い女を演じてもジョディ・フォスターだと、どっかはかなくてもろくて、そこがいいんだけど、見ていてつらくなることがある。
「チェンジリング」なんか見ていても、うまい女優さんというのはよくわかるけど、どんな窮地に追いこまれても見てる方ではなんとなく「まあ彼女ならなんとかするだろう」と安心してしまうのは、ちょっと問題かもしれないけど。
これは派手なアクションを楽しませる映画だけど、その根底には「敵国に潜入して何十年も普通の人として暮らしていて、そのまま終わることもあるけど、ひょっと祖国や組織から指令がきたら家族も友人もすべてうらぎって、その任務を最優先する」という任務をはたすスパイの悲劇がある。
そういう仕事って、もちろん大変だし、今風の感覚で考えると多分すごく陰惨で悲しい。
で、この映画にも、そこはかとなく、そういう陰惨な重苦しさは出ていたし、それはアンジェリーナはきっちり演じていたと思う。
でも、どこかすきっとしないし、かちっとはまらない感じがする。つまり、このテーマ、そういう仕事をする人に対する評価を監督も観客も、はっきりさせられないままに映画が進んで行く。
うわー、やっぱり泥沼にふみこみそうで、かつ超長くなりそな、やな予感。今夜はここでやめておきます。