1. TOP
  2. 岬のたき火
  3. 日記
  4. えっ、マジですか?

えっ、マジですか?

袴田さんに無罪判決?(遅いよね、気づくのが。)
 もちろんうれしいが、五十八年間、無実の人を死刑囚扱いしていたことの重さと恐ろしさで何と言っていいのかわからない。
 真犯人だって、もう死んでいるのかもしれない。
 事件で殺された人たちだって、浮かばれないだろう。決めつけたり、偽の証拠を作ったりしないでちゃんと捜査していれば、何とかなったかもしれないものを。
 真犯人にとっても、自分を隠したまま整理できないまま生き続けた人生が幸福だったとも思えないし、その人だって、自分の罪や人生と向き合う機会をなくしたままだったのだから、被害者の一人だとさえ言える。

その後で、ちょっと詳しいニュースを見たら、何とまあ裁判長が、有罪の証拠は検察の捏造と明確に述べたばかりか、袴田さんとご家族に、司法のまちがいを深く詫びているのに、驚いて口が開いた。もちろん裁判長は立派である。聞いていて救われた。しかし、いったい検察は、これでまだ控訴とかするのだろうか。もうそれって、正気の沙汰とは思えない。

そして、この裁判長のそれこそ血を吐くような反省とお詫びのことばが、長い獄中生活で心を破壊された当の袴田さんには届かないし理解できないということが、悲しすぎるし、つらすぎる。
 せめて、生きていて下さってよかった。元気でお散歩できるだけの健康も保っておられてよかった。せめて、弟のために戦い続けたお姉さんがしゃっきりとお元気でよかった。ふっと、原爆の「黒い雨」訴訟で戦い続けておられる方々の、高齢女性の代表の方の姿も重なって思い出したりする。

「虎に翼」の最終回に近く、こういう裁判官の姿と声を見聞きできたことは、何か感動という以上の感懐がある。

何となく風邪気味で熱っぽく、総裁選のニュースを見たらもっと体調が悪化しそうで、やっと手に入った文庫本『黒牢城』など読んでいた。米澤穂信、もちろんやっぱ、うまいわ。安心して読んでられる。でも、骨太で重厚そうなのに、どこやら繊細で華やかな本性?が、ちらほらのぞくのに、くすぐったくて苦笑いしてしまう。

もう絶対総理どころか議員にもなってほしくない河野太郎氏や、似たような面々が早々と落ちたのはいいが、決選投票に高市氏が残ったのは、眼の前が暗くなった。くり返すが私は彼女と意見がちがうのがいやなんじゃないのだよ。裏金議員が推薦人にいっぱいいて、「知らなかった」と言ってのける、その雑さがひどすぎるし、「日本が世界の中心になろう」みたいな、今どきもう、とっぱずしたことしか言えないのが不安すぎるんですよ。

せめて、そこまでひどい首相が誕生したら、選挙で野党は戦いやすいだろうし、国がぶっつぶれて、まともになるのも早いかもしれないと、やけ半分で考えていた。石破氏だって安心できるわけではないが、少なくとも昔の自民党の基本的な普通の感覚ぐらいは残ってるだろうし、だがそれで逆にそこそこまともだったら、また皆が変に安心して野党が負けまくるから危ないとか、しかし高市氏が総理になったら、そんな危なさじゃすまんだろうとか、ほんともう、火あぶりとはりつけと、どっちで死刑になりたいですかと聞かれた気分でぐだぐだしてたら、結局石破氏になって、まあこれでよかったのかもしれない。

ところでさあ。先日隣町のイオンに行ったら、例のアホな衝動買いしたハロウィンのグッズの「ミイラ」が残ってた。(私は「かぼちゃ」を買って、その後、「黒猫」と「ミイラ」もほしくなったけど、もう売り切れてた。)で、自分をバカだとののしりながら、買ってしまった。変に安いのもいけない。
 で、こうなったら、どっかに黒猫残ってないかな。まさか私ネットで探して買ったりしないよな。

Twitter Facebook
カツジ猫