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出来心

窓辺のお月見団子とうさぎを片づけ、ハロウィン飾りを持ち出した。もう絶対に、ものは買うまい増やすまいと固く固く誓っていたのに、先日スーパーで、しょーもないぬいぐるみの飾りが七百円ぐらいで売ってたのを、みょーに気に入って、出来心でつい買ってしまった。これはかぼちゃだが、あと黒猫とミイラのやつもあって、それも買ってしまいそうで、ものすごく心配だ。早く売り切れてしまうことを祈るのみ。

明日は台風が恐いから、来客の予定は相手の人と、おたがい電話で話し合って延期した。おかげで気がゆるんで、だらけていたら、音もなくちょっとだけ雨が降った。しかし、軒下に干した洗濯物がきれいに乾いた程度の小雨で、ちっと思いながらニュースを見たら、何と能登では大雨で水害の被害が出ている。なんかもう、腹が立つ。雨もたいがい考えて降らんかいとため息が出てしまう。復興作業中の作業員も被害にあったようで、まったくもう、やりきれない。

大谷選手の大記録や、大の里(この人の野獣と人造人間が合体したような迫力ある面構えと、さわやかで理性的な語り口は、見るほどに非現実的な凄みがある)の優勝で、皆大いに盛り上がってるが、一方で貴景勝が二十八歳の若さで引退するのが衝撃だ。特にものすごく応援していたのではないけれど、出て来た当時の華やかさはまだついこの間のような気がするのに。ネットでは相撲はもちろん家庭や環境でも申し分ないエリートで、前途はどんなに輝かしいかと皆が夢中になっていた。
 まあいっそ、こんなに若く引退したら、今後の人生もしっかり築けるからいいのかもしれないけど、アスリートの世界って本当に怪我ひとつで大きく運命が変わってしまうんだよなあ。

四十歳近い玉鷲は別格として、昔私が子どものころの大相撲では三十代もなかばだと、もう高齢って感じで、その年代の三根山がそういう存在の象徴としてがんばってたのを覚えている。若い時の強さを知らない幼い私には、彼の姿はいつもやや悲壮に見えた。やはりベテランでも、ユーモアがあって面白いことをいろいろしてくれる出羽錦は、母も私も好きだった。そんなに小柄とかすばしこいとかいう感じでもないのに、初っ切りずもうなんかの体験もあって、ベテランが相手だと時間前に立ったり(「この二人なんかは、その気になればいつでも立てるんですよ」と解説者が言ってた)、めったにない「ねこだまし」という技を使って相手力士(大鵬じゃなかったっけ)がバカにされてるみたいなことを言って憤慨したとかいう話もあった。実はちゃんと技として名前もついてて認められてるということを知った母は「そらごらん。知らんから文句言ったりして」と相手をバカにし、出羽錦に惚れ直していた。彼はたしか、浴衣のままでホテルかどっかの風呂に浮かんで、女性従業員の腰を抜かせるいたずらをしたとも言われていた。

うう、家にこもっているから足腰が劣化している。早く家を片づけて、階段の上がり下りとかで筋肉を維持しないと、マジで歩行困難になりそう。とは言え、今夜も座りっぱなしで片づけなければならない仕事があるんだよなあ。どうしたらよかろうか。

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カツジ猫