おままごとのように
外に出たとたんに濡れた熱い毛布で顔から全身くるまれるような暑さの中、しばらく行っていなかった近くの墓苑の個人墓に行って来ました。やっぱりほら、一応お盆だし(笑)。
ここには実際には誰のお骨も入ってなくて、一緒にくらした猫や犬の名前を入れているだけなのですが、一応彼らの魂は故郷のお墓と同様に、ここにも漂って安らいでいることに勝手に私はしています。
多分、田舎の墓の祖父母や母たちも、今はわが家でくつろいでるだろうと思うので、猫や犬たちもついでに連れて来とこうって感じですかね。
この墓苑はダムの池の上にあって森に囲まれており、宗像市を(全部じゃないけど)一望できます。下の方には立派な大きな墓が多いけど、私が永代供養で買ってる一区画はてっぺんの方で、小さなそれぞれの個性に満ちた楽しい墓が多いです。
お盆なので、何組かの家族がお参りに来ていました。一人で来ている老婦人もいました。山の上なので日差しは強いけど風は案外涼しくて、うっかり長居しそうになり、熱中症になっちゃ大変と急いで帰りました。
きっと今ごろ私の家には人間や動物の霊魂が集まってにぎやかなことでしょう。オードブルとお寿司は昨日食べたけど、今日はフルーツの盛り合わせとケーキを買って来ました。猫のかんづめもたっぷりあるし、犬のバロンは、オードブルのお肉でがまんしてもらおう。まあ、月末に田舎のお寺に行くまでは、皆ここに滞在してもらうつもりなので、明日あたり犬のかんづめも買ってこようかな。
皆が見たいだろうと思って、仏間の小さなテレビでは、高校野球をつけっぱなしにしている。昔応接間にあった、仏間の古いソファに祖父や祖母が座って、母や叔母や叔父が台所や居間のテーブルでお茶を飲んでいて、他のなつかしい人たちもいて、猫や犬たちがあちこちに寝そべったり、誰かの膝に乗って寝ている情景が目に見えるようだ。
そんな、おままごとのようなことをしながら、昨日カーラジオで聞いていたら、政府か首相はまだオリンピックをやるつもりで委員会とか作ってるのか。そして改憲もまだ考えてるのか。つくづくもう、どこからどう考えても今はもう、そんなことをしている時ではあるまいに。優先順位がまちがっているとしか言いようがない。それともコロナからの逃避かしら。
私も最近、逃避でしかないが、今もし、都知事が宇都宮さんだったり、首相が枝野さんか志位さんか小池晃さんだったらどうなっていたろう、どんな毎日だったろうと、まるで廃墟の星か砂漠の真ん中にいるような気分で、ぼんやり幻想にふけったりする。でも、あんまり悲しすぎて長く考えられない。
庭のポットにさしておいたスプレーバラが、また小さな白い花をつけていた。朝、びちょびちょになるほど水をやっていても、夕方にはほぼ土が乾いているからすごいよね。