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からすの行水

◎早風呂のことではなくて、本当にからすが行水をしていました。
天気予報通り、昨夜も今日もどしゃぶりで、おかげで確かに涼しかったのですが、こうなるとなったで、熱波で枯れていた庭の雑草が、またさぞかし勢いづくのだろうと、それは少しびびっています。
朝、買い物に出た帰り、雨が小降りになっていて、近所の畑に水たまりがいくつも出来ていました。それに、大きなからすが二羽、ばっしゃばっしゃ水浴びをして、いかにも愉快そうに羽づくろいをしているのが、笑えました。からすも、この熱波には閉口していたと見えます。

◎マンガ「はだしのゲン」が閲覧できにくくなっているのが、問題になっています。もちろん私は閲覧できるようにしたらいいと思っていますが、いくつかの図書館で、開架書庫からひっこめたいきさつというのが、知れば知るほど、うんざりします。

これは、例の「自虐史観まんがだ」と主張する人たちの一人が図書館に抗議したのが発端のようですが、それが市議会で検討されて全会一致で拒否したところもあるのに、閉架書庫に入れた図書館では、担当者が全体の会議にもはからず、自分の判断でそうしており、しかも、「残酷な描写があるから」と、そもそもの抗議の内容とはちがった理由で閲覧しにくくしたということです。

この、きちんと討論するのでもなく、抗議の内容を受け入れるわけでもなく、一見さしさわりのない別の理由で、ずるりと、問題を起こしそうなものを抹殺して消去してしまう、この精神が本当に救いがないなあ。長いものにはまかれろでさえない、力に屈したのでさえない。妙に小賢しくて、臆病で、いやもう、言っちゃ何ですが、今の首相の色々なことのやり方に共通している気味の悪さですね。

◎こういう作品の残酷な描写をどう考えるか、どうするのかには、いろいろまだ討論の余地があるでしょう。しかし、「子どもに見せちゃいけない」という配慮は、時に必要な時もあるとしても、いつでも、とどのつまりは、こういうことにつながるのですよね。
私がとっさに思い出すのは、「飛ぶ教室」や「点子ちゃんとアントン」「エミールと探偵たち」などの童話で知られたケストナーが、自分の話に子どもに向かない内容があるのではと人に言われたとき、アメリカの有名な子役シャーリー・テンプルが、自分の出演している映画を見に行ったら、年齢制限で入場出来なかったという逸話をひいて、「彼女は、その映画を見るには年齢が不足だったけれど、出演するのには何の問題もなかったのです!」つまり、「子どもは、見てはいけない、知ってはいけないと言われることは、とっくに実際の体験で知っています」ということを言ったという話です。

戦争や災害は、ゲンのような幼い子どもに、実際にそのような体験をさせるものです。そのことを教えないで、どうするんでしょうね。そして「自虐史観」を唱える方々は、子どもだけでなく、大人までも、いやなことは見せない、教えないでおけば、強いいい国ができると本当に思っているのでしょうかね。

◎ちなみに、これは少しちがうかもしれないですが、私は友人知人家族その他、時には赤の他人にまで、「どうしてそこまで、さしでがましく、私の生活や外見や服装について口をはさむのか」と驚くほどに干渉されることがあります。時には多分、これはテレビでよくやる、「いじる」とか、もしくはもはや「いじめ」だろうなと思うほど、露骨に無神経なことを言われます。
私はこういう人たちの、少なくともそういう部分は、ろくでもないものだと思っていますが、ただ、こういう人たちが私の周囲にまったくいなくなったら、それはそれで困るかもしれないと思ったりもします。自分のみっともない部分を、歯にきぬきせず言ってくれる(というか、他人に対して、そういう言葉をたれ流してしまう)人というのは、自分自身の実態を知る上で、大変貴重な存在ではあります。

ただ、私は、そういうことを私に対してだけでなく、他人に対して言う人については、基本的に質の悪い、つまらん人間だとは思っていて、しかも私は、その人たちのように親切じゃないので(笑)、「あなたのそういうところって、とてもみっともない」などとは、口がさけても言いません。(笑)
が、やはり、こういう不快な現実を口にする人と言うのは、それなりにいないと困るのですよねえ。自分の現状をチェックするためには。いや~、私って勝手すぎるだろうか。

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カツジ猫