ぐた~(笑)
◎今日の古典文学の授業で、平安時代までの紀行では旅人の興味関心の対象の名所は、「などころ」というぐらいで、「歌枕」が主だったが、中世の戦乱を経て、江戸時代には新しい名所として軍記物関係の「古戦場」が生まれた、ということを皆の記憶に残そうとして、「名所」「歌枕」「古戦場」という言葉を、思いつかせようとしていたが、なかなかうまく行かず、最後は「歌」まで出てあとが出ないので、「夜に寝るときに使うものって何がある?」「・・・枕・・・」などというやりとりで、やっと正解を引きずり出した。
そうしたら最後に書かせたレポートで、いつもちょいと気のきいたひねったことを書いてくる男子学生が「名所と歌枕を言わせるのに、あんなに時間をかけて大丈夫だろうか、と思って聞いていました」と書いていた。(笑)
まあ、20分はかかったものなあ。私も疲れた。
しかし、それでもこんなことをするのは、私が言っただけだと三日と覚えていないことでも、自分で考えたら絶対に記憶に残るのがわかっているからだ。だから時間はかけてもムダではないのだが、きりがないと言えばそうで、そのかねあいが難しい。
ちなみに今の学生のほとんどが「古戦場」という言葉を知らない、聞いたことがないと言う。今日のクラスでも知っていたと手を上げたのは数人で、聞いたことがないという方に十人以上の手が上がっていた。「もう、覚えました、忘れません!」と、何人もがいかにもうれしそうに書いているから、こっちもついうれしくなるが、何ぼ何でも要求水準が低くなりすぎているだろうか。
◎今日はお客さんが来たので、居間を少しかたづけた。猫が寝ていて毛がつくので、来客があると私はソファにかけていた毛布や布をひっぺがす。人見知り猫のシナモンは、いつものように寝室にかくれてしまったが、カツジ猫は大喜びで、目をくるくるさせて、お客さんのカバンをのぞきこみ、となりに座り、私たちが大事な話をしている間、きれいな色の生地が出て来たのが珍しいのかソファの背もたれの上に腹ばってつめをたてるので、私はとうとう「ちょっとお待ち下さい」とお客に断って、彼を閉めだした。
カツジはさほどぐれた様子もなく、今はまたソファで寝ている。最近ちょっとおとなしくなったのは、「大人になったからじゃないですか」と言って下さる人もいるが、さあどうなんだろうか。