こもるぞう
昨日と一昨日、九州民教研の福岡集会に参加して来た。300人を超える盛会で、中身もとても充実していた。私は二日目の講演を担当していたのだが、せっかくだからと、つい一日目から参加したら、講座や分科会も一日目の講演と映画も面白すぎて、つい二日間めいっぱい参加してしまった。年末で忙しいから先生方も市民の方も、大変かもしれないが、あれは参加して損はない。来年はぜひ、と一年先の宣伝をしておく(笑)。
最近は何かと物騒だから、まる二日間、家を空けるわけだし、ご近所の方々に空き巣とか入らないかよく見張っておいて下さいとお願いしたのに、うっかりお土産を買って来るのを忘れてしまった。どうしよう。
おかげで、家も猫たちも無事だった。ただ、ここ数日、近所のスーパーの魚売り場が年末&新年モードに入っているのか、いつもカツジにわけてやる、彼のお気に入りの白身魚のお刺身がなくて、彼はちょっときげんが悪い。三が日まで「ちゅーる」でごまかされてくれるかな。
それで民教研の集会だが、初日に参加した日本語教育の講座も知らないことばかりで刺激的だったし、その日の午後と二日目に参加した性教育の分科会も、勉強になったし、ものすごく面白かった。
何よりエスペラントの活動や、性教育の現場など、各方面の最前線で活動しておられる方の話が聞けたり、状況がわかったりしたのは、見えない世界が大きく広がったようで、年末にいい風景を見た。知的な意味での観光旅行や温泉旅行をした気分だ。
日本語教育の講座までは猫をかぶっておとなしくしていられたのだが、性教育の分科会では、ついついあれこれ口を出してしゃべりまくってしまった。いつもはなかなか周囲に話す相手がいないので、楽しかったし勉強になった。
肝心の自分の講演だが、家で何度か練習したとき、資料は多すぎ話はややこしすぎで、絶対時間が足りないと思ったから、無駄話は全部徹底的にそぎおとすようにしたら、何と30分近く早く終ってしまった。フィギュアスケートなら時間不足で予選落ちになるところだ。かねがね、「私の講演はめりやすみたいに、いくらでも伸ばしたり縮めたりできますから」と人に言って回っていたのに、本当にしまらない。
何かつけ加えてのばしてもよかったのだが、それも変に間延びしてせっかく無駄なく話した内容が霞むと思ったので、そのまま切り上げてしまった。言いたいことは伝えたので、私はいいのだが、あきれた方も多いだろうな。この年になって今後の課題もないものだが、やっぱり今後の課題にしておこう。
講演の内容も大急ぎでまとめて原稿にして送らなくてはならないし、まだまだ仕事は終っていない。でも今日は、正月飾りもつけないと。
家の表に「むなかた九条の会」関係のいろんな催しのお知らせなどを貼る私設掲示板を作っている。そこに、正月風のものでも貼ろうかと思っていたら、ネズミの絵の古い年賀状が出てきた。何十年前のものかわからない。下手すりゃマジで60年前のかもしれない。
ネズミは嫌いな人もいるから、最近の正月用の置物のネズミや絵などは、実物らしくなくてかわいらしいのが多いが、この絵葉書のは妙にリアルである。よく見ると、身体障害者の団体の方の制作で、私が子どものころ、うちに送って来て、母が私にいろいろ教えてくれた、両手をなくして口で筆をくわえて描く人たちの作った一枚のようだ。大石順教さんという尼さんの方が中心だったような。
ということは、やっぱり60年前のものか。長いこと埋もれていたネズミを晴れの舞台に出してやるのもいいかと、掲示板に貼ることにした。
正月は寒そうだし、近所の神社もお寺も混みそうなので、初詣は10日すぎに行くことにして、年末と正月は徹底的に家にこもって過ごそうと思う。何のために家族もいない、何をするのもしないのも勝手な孤独で自由な環境を、長年かけて確保したんだよ。あと何年こんな環境が維持できるのかわからないのに、この最後の春だか黄金期だかを、今のうちに思う存分楽しまなければ。