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これが少子化対策とは。

◇ほんとに、あきれてものが言えない。職場で「結婚しないの?」「「結婚したら?」などなど、上司が部下に婚活?をすすめるセクハラを、政府が金を投入してやらせようという、このとんちんかんぶり。そんなこと言われたら「給料あげて労働条件改善して下さい」と答えるしかないでしょうよ。「夫婦別姓なら考えます」とかね。「同性愛者です」とかね。それが言える職場か上司かの、リトマス試験紙にはなるかもしれないけど。
しかし図々しくて、人のことにクビつっこみたい人は男女を問わず、何言っても、それを手がかり足がかり口がかりに、さらにねばっこくつきまとって来るからなあ。それが公認されるなんて、本当に救いがない。

男女を問わず、もっと結婚できる社会環境ととのえてから、顔を洗って出直せというのは、普通に言われる正論かと思いますが、多分私だけが考えている結婚する男女が減った大きな理由は「結婚、出産していない男女への有形無形のものすごいバッシングが昔よりなくなった」、これにつきますよ。

◇とにかく身近でもマスコミを通してでも法制上でも、「結婚しない、子どもを持たない」「離婚した」人に対する「一人前じゃない、信用できない、仕事まかせられない、誰もが自分のものと思っていい」攻撃はすさまじかったからですね、ほんのまだ20年ぐらい前までは。

まったくの好意からですが、「結婚しないと人間がわからない、文学研究ができない」と言って下さった先生もいたし(私は「あー、先生、私もたいがい男性をバカにはしていますけど、『文学を研究するために必要だから誰かと結婚する』なんて、そんな『藤十郎の恋』みたいなことするほど男を粗末にはできません」と笑って言い返してましたけど)、私が今夜はこいつをモノにしてやると思って男といっしょにいるかもしれない深夜に、いきなり電話してきて「俺よ、おれ」とオレオレ詐欺の方がよっぽどマシというような電話を何度もかけてきた同級生もいたし(私に夫がいたら絶対にしない電話でしょうが。独身女は自分のものと思ってるバカ。もちろん特に親しいわけでもない、顔もよく覚えてない相手です。こういうのがかかるのは大抵同窓会の後で、私はそれ以来絶対に同窓会には出席しない。多分死ぬまでもう行かない)、男性でも独身だったら銀行の要職にはつけないとか、家も女性一人ではローンも組めないとか(銀行に猛抗議して組んだけど、それが相当特殊で、相手は私の剣幕に「そ、それが常識かも」とうっかり思ったらしいことは、後で知った)、そういうことがいくらでもあった。世の中あげて「結婚しない者いじめ」が公然と行われてた。

それがだんだんなくなったら、結婚する人も減った、という印象を私は強く持っています。つまり結婚も出産も人間の本来の姿でも基本的な欲求でもなく、まあそうであったとしても、それをすることには男女ともにものすごい犠牲と苦痛を要求される世の中に文明社会はなってきていて、それを軽減改善するのではなく、「結婚出産は大変かもしれない、でもしなかったら、こんな苦痛と屈辱と不幸が待ってるんだぞ、いーのかーそれでー」と脅かし、実際に結婚しない人たちにそういう地獄を見せておいて「あんなことになるぐらいなら」とおぞ気をふるって結婚し離婚しないでいる人がいただけじゃないかと。それでやっと結婚も出産も維持できていたんだろうと。

だから日本会議や自民党が言ってることはある意味とっても正しくて、またその恐怖政治を復活させれば結婚する人も増えるでしょうよ。復活すればね。
しかし、それはもう、どう考えても無理ですよ。昔スカートはいてない女性は教室に入れないと言った大学教授がいて、しかもそれに賛否両論だった時代もあったっけが、もう今女性にパンツルック禁止とか和服にしろとか言ったって、到底不可能なぐらい無理ですよ。

結婚や出産に限らないけど、「しない人を攻撃して不幸にする」上に成り立っている制度など、ろくなもんではありません。そうでなければ維持できないということがわかったら、「しない人を不幸にしない」でも「しないならしなくてもいい」のでも、それでも誰もが「したい」と思う状態を一刻も早く作るしかない。

そんなこんなで、とにもかくにも、どうか署名をお願いします。

https://www.change.org/p/%E7%B5%90%E5%A9%9A%E3%81%97%E3%81%AA%E3%82%88-%E3%81%AF%E3%82%BB%E3%82%AF%E3%83%8F%E3%83%A9%E3%81%A7%E3%81%99-%E5%B0%91%E5%AD%90%E5%8C%96%E5%AF%BE%E7%AD%96%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AB%E5%9B%BD%E3%81%8C%E3%82%BB%E3%82%AF%E3%83%8F%E3%83%A9%E3%82%92%E3%81%99%E3%81%99%E3%82%81%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%AF%E3%82%84%E3%82%81%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%81%A0%E3%81%95%E3%81%84?recruiter=79212042&utm_campaign=signature_receipt&utm_medium=twitter&utm_source=share_petition

◇そうそう、最近わりとカーラジオなどで聞いてるNHKの番組でも前回とりあげていたが、「配偶者控除」について、毎日新聞がしっかりした記事を書いてくれている。こんなこともちゃんとできないでおいて、婚活とかしてる場合じゃないでしょう。

http://mainichi.jp/articles/20161209/dde/012/020/003000c

とはいえ、この記事からもうかがわれるように、そして、こういうこと書いてて、私が無力感や徒労感に近いものを感じるのは、例の沖ノ島の女人禁制で私がぶち切れ宣言をした時の、多くの男性の「ん? は?」という、きょとんぶりを思うにつけても、多分こういうことについて、特に男性の反応は鈍いんだろうな。それがしかも、わりと選挙にも行くし自民党やアベ政治に批判的な層ともかぶってるのが、ますますことをややこしくしている。

ま、うちの実家の片づけと同じ、とにかくここまで進んだんだからな、絶望だけはしないでおこう。

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カツジ猫