さすがよね
前にも書いたように、海外ドラマの「グッド・ワイフ」あまりにも濃密で重厚すぎて疲れるので、しばらく見ないで飛ばしたまま、ファイナルシーズンを見てしまいました。
それで、あらためて最初からぼつぼつ見直して、ようやく飛ばしていたシーズンを今見ているところです。
そこで、つくづく思うのが、やっぱりリドリー・スコットは上手い。もっとも制作の中心が彼なのかどうか、もうよくわかりませんが。とにかくうまい。
ヒロインのアリシアが、これまでの事務所から独立して新しい仲間と組んで事務所を立ち上げる過程は、それ自体もスリリングで飽かせないのですが、彼女がそうする動機の最も深奥にはウィルへの恋を思いきれないで、それを断ち切るための荒療治があったとは。
納得できすぎて、実に切ないです。
こちらは、「しんぶん赤旗」の日曜版。猫を抱いた白髪の紳士の写真があると思ったら、何と私が敬愛してやまぬ、デブ猫ヒデヨシ(「アタゴオル物語」)の作者ますむら・ひろしさんだった。1月号から三度目の「銀河鉄道の夜」の連載を同紙上で開始するとか。
丸々一面使った長いインタビュー記事の最後に、明確に今の政治と社会を批判し、共産党を支持していること、もっと支持者が増えてほしいことを語っている。
思わず身体が震えました。この人も、決意したのか。
彼は決して権力者や体制におもねる人ではなかったですが、どちらかというと共産党や野党でさえなく、あえて言うなら全共闘や新左翼の方に近い過激で自由な魂の人という印象を持っていました。
橋本治などもそうでしたが、こういう組織や団体を嫌う知識人が、旗幟鮮明に野党勢力に加わってくるのを見ると、力強いとともに、それほどまでの非常事態、危険水域にあるのかという恐怖にもかられます。決意と覚悟もあらためて固めます。
とにかく、彼の新作が見られるのは、理屈抜きにうれしい。
「赤毛のアン」シリーズの新訳、ほとんど違和感もなく、楽しんでいます。新しい方がいい個所もきっとあるのでしょうが、ここは旧訳の方がよかったなとか、脱落や間違いではないかと思う部分もたまにあります。
それと、文末が「~から。」とか「~ので。」とかで止めるのが多いのも少し目障りです。この年になると、わりと大きい活字でも、「。」と「、」の区別がとっさに見てとれないから、確かめようとするそのたびに、がくんと読む勢いが止まって、非常に不愉快なんだよね。
そうそう、今日、学校の先生たちにお話した「大学入試物語」は、こちらです。長いですから、適当に、つまみ食いして下さいね。